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スコトーマを外す極意【コーチ直伝】

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この記事を書いた人
歌島 大輔ADMINISTRATOR
景翠会 金沢病院
整形外科専門医 / 認定スポーツドクター / CSCS(米公認トレーナー) / 苫米地式コーチ 補
肩 / スポーツ領域を得意とする整形外科専門医としての診療 / 手術・スポーツパフォーマンスアップ、ケガ予防トレーニング等のアドバイス・マインド(脳と心・メンタル)の使い方を指導するコーチングを行っています。

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「スコトーマを外す」というような使われ方をする
スコトーマという言葉があります。
いわゆるコーチング用語なんですが、直訳すると「盲点」となります。

それも目の網膜にある機能解剖学的な見えない点である盲点のことを
スコトーマと言います。

スコトーマ 網膜 盲点

しかし、もちろん、その目の機能解剖の話をしているのではなく、
コーチングの中で目標、ゴール達成をしていくために必要な
概念、考え方としてスコトーマという言葉が重要になってきます。

このスコトーマを外すことができれば、
ゴール達成や目標達成の方法や大切なことが
どんどん「見えてくる」ので、自然に努力感なくゴール達成してしまう
状態が作れます。

そういう意味で
コーチングにおいてとても大切と言われているスコトーマですが、

実際、僕自身、セルフコーチングをしながら
スコトーマを外していった経験も数多くありますし、
スポーツ選手のコーチングをしながら、
クライアントさんのスコトーマが外れる部分を何度も見てきています。

スコトーマとは?という基本的な部分から、
その外し方の極意について、実例なども交えながら
お伝えしていきます。

スコトーマとは

まず、スコトーマとは?ということから入ります。
冒頭で述べたとおり、目の網膜にある盲点のことを言うわけですが、
コーチングにおいては認知的な盲点を言います。

つまり、

目には入っているはず
聞いたことはあるはず
知っているはず
経験しているはず

にも関わらず認識に上がっていないもの

ということです。

脳が認識しなければ、それはあなたにとって、
「この世にないもの」と同じです。

ですから、「盲点」であるわけですね。

この盲点が生まれるケースは2つあります。
それは、

  • 知識がない
  • 重要でない

というこの2つのケースです。

 

スコトーマの例

知識がないものは認識できません。

原始人が道端にスマートフォンが落ちているのを拾っても、
珍しい形の石にしか思えないでしょう。

原始人 進化
つまり、スマートフォンという知識がない原始人にとっては、
目には入っているのに、スマートフォンはスコトーマに隠れている

と言えます。

 

また、あなたにとって重要でないから認識できない
ということはかなり多いです。

例えば、簡単なワークです。

「今、周りを見渡して、「赤い色」をしているものを
挙げていってください。」

 

いかがでしたでしょうか?

 

 

かなりの赤いものが見つかったかもしれません。
どれだけ見つかったかは、
あなたがいる場所によりますが、
ほぼすべての人が、このワークをする前よりも
思った以上に赤いものが多いことに気づきます。

この瞬間、スコトーマが外れて、
それらの赤いものが認識に上がったということです。

 

このワークをするまでは
赤い色は重要性が高いわけではないので、
認識に上がらず、スコトーマに隠れていたとも言えます。

スコトーマが生まれる理由 RAS

スコトーマがなぜ生まれてしまうのか?
というメカニズムの話ですが、

これは脳の特有の省エネ機構が原因です。

この省エネシステムをRAS(ラス)=網様体賦活系
と呼びますが、

簡単に言うと、脳の認識フィルターです。

すべての認識しうる情報をもれなく認識したら、
脳が使うエネルギーは途方もない量になり、
人間の摂取しうる栄養素ではとても賄えない

だからこそ、脳は認識に上げる情報のフィルターを作り、
そのフィルターを通り抜けられたわずかな情報だけを認識している。

脳内イメージ 認知機能 イメージトレーニング

それが脳の省エネシステムであり、RASの働きです。

ですから、フィルターを通り抜けられなかった情報は
すべてスコトーマに隠れている
ということができるわけですね。

スコトーマがない状態=ありのままの認識・思考=無理

情報認識に必要なエネルギーという観点で
スコトーマが生まれる理由を説明しましたが、

そもそも認識しうる情報をもれなく認識できる人は
この世の中に一人もいません。

 

例えば、先ほどのワークで赤いものの重要性を上げて
スコトーマを外すことをしてもらいましたが、

それをすべての色にするだけでも、
もう、脳内はとっ散らかってますよね。

あらゆるものを認識したとしたら、
この脳内の混乱は創造を絶するものがあり、
ほぼ間違いなく、完全なる思考停止と同じレベルで、
何もできなくなると思います。

つまり、スコトーマがまったくない状態がいいわけではなく、
生きていくためにスコトーマというものは必要なもの
なんですね。

スコトーマのコントロール

ここまでスコトーマの基礎ということで
解説してまいりました。

スコトーマを外すということが常にテーマになってくるわけですが、
スコトーマがまったくなくなったら生きていくことすらままならなくなる
必要なものだということもお伝えしました。

そういう意味では、スコトーマをコントロールする
ということが大切になってくるわけです。

スコトーマを外した実例

まずは「スコトーマを外す」ということについて考えてみましょう。

これはすなわち、見えなかったものが見えてくる
認識していなかったものが認識できるようになる

ということを表します。

 

僕は肩関節鏡という肩の内視鏡手術を専門的に行っているのですが、
いまや、僕オリジナルの様々な手術テクニックを駆使しています。
(と言っても、小さなコツのようなものですが)

肩関節鏡手術

arthroscope surgery

しかし、これらの手術テクニックも
当初は当然知りませんでした。
教科書にも載っていないようなものばかりだからです。

しかし、

より患者さんの負担をどうしたら減らせるか
満足度をどうしたら上げられるか?

ということを考えたときに、

「手術時間を圧倒的に短縮する」というゴールを設定しました。

当然、「丁寧な手術の中で」です。

そういうゴールを設定し、
後述するコンフォートゾーンが移行したとき、

様々な手術テクニックが見えてきました。

「こうやったほうが無駄がなくていいのでは?」
「こうやったら従来より速くできるのでは?」
というような方法です。

 

これは教科書通りに
ただ、一般的な肩関節鏡手術を行う
というコンフォートゾーンの中にいては外せないスコトーマだったと言えるでしょう。

 

要は

ゴール達成に必要なのにも関わらず
スコトーマに隠れている方法を
スコトーマを外して見つけていく

ということがスコトーマ外しが大切と言われる所以なんですね。

スコトーマに隠す実例

しかし、一方、見えなくてもいいものが見えている人がいます。

例えば、わかりやすいのは
ダイエット中の甘い誘惑です。

 

 

体重を減らすという目標があるにも関わらず、
それを邪魔する甘い物が目に入り、認識に上がり、
さらには感情を揺さぶられ、食べてしまう・・・

なんでも見えればいい、認識に上がればいいわけではない例ですね。

なぜ甘いものが認識に上がってしまうかと言えば、
それが実はあなたにとって重要だからです。

ダイエットという目標、ゴール一つだけで生きていれば、
甘いものは認識に上がりません。

しかし、同時に「美味しいものを食べて生きていく」というゴールだったり、
もっと、生物学的に染み付いてしまったゴールとして、
「甘い物、糖類を食したときの快感を感じたい」というゴールがあったりします。

 

そういった甘い物の誘惑を引き起こすゴールを
上手に変えて、コンフォートゾーンをずらすと、
甘い物をあまり欲さなくなります。

つまり、甘いものをスコトーマに隠したことになります。

そうすれば、我慢することなくダイエットが成功します。

スコトーマコントロールの極意:コンフォートゾーン

前段でスコトーマを外すこと、スコトーマに隠すこと
両方必要だということがおわかりいただけたかと思います。

そして、それらにおいて常にポイントになるのは
脳内の重要性であり、

その重要性を決めるのはゴールであるということは
なんとなくでも、おわかりいただけたかと思います。

 

そして、もう少し解説を加えると、
あなたのスコトーマがない、つまり、認識できている領域を
あなたにとっての重要性が高く、「心地いい」領域として
コンフォートゾーン(Comfort Zone)と呼んでいます。

 

さきほどのスコトーマ外しやスコトーマ隠しの例にあったように
ゴールが変わると、
あなたにとっての重要性が高い、心地いい領域が変わります。
つまり、コンフォートゾーンが変わります。

その結果、今までスコトーマに隠れていたものが外れて、認識できるようになり、
逆に、囚われていた邪魔な情報はスコトーマに隠れたりします。

 

スコトーマコントロールの極意は
コンフォートゾーンをずらすことだったんですね。

 

そして、そのスコトーマコントロールのための
コンフォートゾーンずらしの具体策が
別の記事でもご紹介したアファーメーションやセルフトークマネジメントになるわけです。

ぜひ、ご一読ください。

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スコトーマの基礎から、大切なコントロール方法まで
解説してまいりましたが、

スコトーマに隠れて認識できない情報を
認識しようというわけですから、
そう簡単なことじゃないことは想像できると思います。

 

あなたの脳の中にない情報にアクセスしないといけない
ということを考えると、無理難題にも聞こえます。

 

しかし、一番簡単に、一番パワフルに
スコトーマをコントロールする方法があります。

それが「他人」を活用することです。

あなたの脳内にない情報でも
誰かの脳内にはあるかもしれません。

誰一人として同じものを認識している人はいません。

ですから、「他人」との関わりによって、
スコトーマが外れる、逆に重要性が変わって
邪魔なものをスコトーマに隠すことができることがあります。

 

それを専門職として行っているのがプロのコーチであり、
あなたのゴール達成に向けて、
どんどんスコトーマをコントロールしていくのがコーチングです。

コーチングセッション

僕自身、プロコーチのコーチングを受けたこともありますし、
逆にプロコーチとしてコーチングをクライアントさん(主にスポーツ選手)にしていますので、その威力をいつも実感しています。

まとめ

今回はスコトーマという言葉をテーマに、
その基礎的な意味から、スコトーマをどうコントロールするのか
ということまで解説いたしました。

要点としては

  • スコトーマは脳の認識における「盲点」のこと
  • スコトーマを外すこともスコトーマに隠すことも重要
  • スコトーマコントロールにはコンフォートゾーンをずらすことが大切

ということになります。
参考になりましたら幸いです。

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