ベンチプレス・筋トレで肩が痛い原因と治療を専門医が自ら解説

  1. 肩の痛み
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今回はベンチプレスをしたとき、したあとに肩が痛い、
ベンチプレス後に痛みが増してしまう

そんなベンチプレスと肩の痛みの関係についてのお話です。

ライザップが流行ってしばらく経ちますが、
ライザップの後追い的なサービスも増えてきました。

筋肉を鍛えて、自分の身体が変化する実感を得る
ということはわかりやすい自己変革の1つ
ですので、嬉しい傾向ではあります。

しかし、そのせいか最近、トレーニングに伴うケガ、痛み
というものでのご相談も増えてきた印象です。

そんな中で、今日はベンチプレスという
ウエイトトレーニングの基本トレーニングと
肩の痛みの関係についてです。

こんにちは、肩を専門とするスポーツ整形外科医の歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

ベンチプレスをおさらい

ベンチプレスというのは、
ベンチに仰向けに寝て、
バーベルという重ーい一本棒を両手で持って、
真上に挙げて下ろしてを繰り返す
というトレーニングで、

大胸筋をメインに
三角筋、上腕三頭筋を鍛えるトレーニングです。

ベンチプレスで肩の痛みが出現する3大原因

このトレーニングの最中や
トレーニングの後に肩の痛みが出現することがあります。

ここで肩に関する知識が足りなかったり、
トレーニングに関する知識が足りないと、
相談されても、その原因を間違うことがあります。

このベンチプレスのトレーニングにおける
肩の痛みの原因として
考えるべきは主に3種類です。

  • 大胸筋の損傷
  • 肩鎖関節の炎症・変化
  • インピンジメント症候群

ベンチプレスの肩の痛み1:大胸筋の損傷

最初の大胸筋の損傷はわかりやすいですね、

大胸筋を主に使う、負荷がかかるトレーニングですから、
その負荷が強すぎれば大胸筋が肉離れを起こす
なんてことはあり得ない話ではありません。

ただ、あり得そうで、そんなに多くない損傷です。

 

肉離れというのは、
やはりスポーツパフォーマンスやケガのように、
突発的な関節の動きによる
筋肉の瞬間的ストレッチ + 収縮
という筋肉にとっては悲鳴を上げたくなる状況が原因です。

それに対して
ウエイトトレーニングというのはきちっとやれば
自分のコントロール下の筋力発揮ですから、
肉離れにまで至ることは少ないと言えます。

 

そういうことから、もし大胸筋損傷を引き起こしてしまう人がいるとすれば、むしろ、上級者で過度な負荷をかけてしまったケースということが考えられます。

筋肉痛ではなく肩に近い腱損傷は注意が必要

特に大胸筋の痛みということで、胸が痛い場合は上級者であれば単に筋の痛みだなと自覚できるかと思いますが、肩に近い部位は大胸筋も筋腹ではなく腱(けん)という硬めのスジに移行しています。

この部位での損傷は腱損傷(けんそんしょう)ということになりますが、ときには手術で縫わないといけないこともある要注意な損傷です。この損傷があるかどうかは、まず大胸筋の触診とMRIなどの精密検査で判断していきますので、早めの受診をお勧めします。

ベンチプレスの肩の痛み2:肩鎖関節の炎症・変化

意外と多いのは肩鎖関節の炎症です。

肩鎖関節は
肩甲骨と鎖骨の間の関節です。

 

この肩鎖関節に負荷がかかりやすい肩の動きは、
肩の水平内転という動きです。

両腕を水平に真横に手を広げた状態を水平外転
そこから腕を前方に持っていき、さらに
両腕が交差するような動きを水平内転
と言います。

この水平内転は
ベンチプレスでバーベルを上げていく動きでもあります。

 

バーベルを持つ手の間隔を狭めると、
この水平内転はより強まりますので、
痛みも強まる可能性が高いです。

そういう意味では肩鎖関節の負荷を減らすには
バーベルを持つ手は広めにとったほうがいいと言えますね。

さらにはベンチプレスで鍛える大胸筋や三角筋は
鎖骨や肩甲骨にくっついていますので、
その筋肉の収縮も関節に負荷をかけます。

その結果、オーバーユースによって
肩鎖関節に炎症が起こることがあります。

また、高負荷のベンチプレスを長く続けていくと、
軟骨が削れて、骨が溶けてしまったり(融解症)、
逆に骨が増殖(変形性関節症)してしまいます。

画像引用元:肩関節外科の要点と盲点 (整形外科Knack & Pitfalls)第1版 文光堂

肩鎖関節の炎症・変化の治療コンセプト

肩鎖関節炎の治療コンセプトですが、手術をしない保存治療においては

  • 痛みの原因となる炎症を抑える
  • 炎症を起こしにくくする(負担を減らす)

ということになります。

炎症を抑えるということでいえば、一般的な消炎鎮痛剤の内服、湿布などの外用剤から始まり、結構効果が高いのが肩鎖関節の中にステロイドと局所麻酔薬を注入する関節内注射療法です。

そして、さらに炎症の原因となる肩鎖関節炎への負担を減らすためにストレッチやテーピングなどが行われます。

肩鎖関節炎でやりたいストレッチ

肩鎖関節という関節は鎖骨と肩甲骨からなる関節ですが、僧帽筋という首から鎖骨に走る筋肉がカタまっていると、常に鎖骨を上に引き上げようという力が加わってしまいます。

肩鎖関節脱臼や鎖骨骨折でズレが生じる原因はこの僧帽筋の作用です。

画像引用元:肩関節外科の要点と盲点 (整形外科Knack & Pitfalls)第1版 文光堂

脱臼や骨折がなくても僧帽筋がカタいと常に負荷がかかっていると考えた方がいいので、僧帽筋の緊張を下げるストレッチをやってみていただくといいかと思います。

肩鎖関節炎で使うテーピング

肩鎖関節の負荷として、もう一つ考えなくてはいけないのが「水平内転」という動きです。

これは逆側の肩の後ろを触れようとするときの動きで、腕が胸の前を横切ります。

このときに肩鎖関節は圧迫力も加わりながら動くので、痛みの原因になりやすいと考えられています。

そこで水平内転を制限するようなテーピングがオススメです。
つまり、胸を張るような方向にサポートするテーピングですね。

肩鎖関節炎で行う手術 鎖骨遠位端切除術

肩鎖関節炎に対して、ここまで解説したような保存的な治療を行ったところで改善しない場合や改善するも繰り返してしまう場合には手術が検討されます。

実際は肩鎖関節炎と言っても、

  • 軟骨がすり減っている変形性肩鎖関節症
  • 鎖骨の先端が溶けてくる鎖骨遠位端融解症
  • レントゲン上は特に異常がない肩鎖関節炎

という主に3つの状態があります。

画像引用元:肩関節外科の要点と盲点 (整形外科Knack & Pitfalls)第1版 文光堂

ただ、どの状態においても行われる手術は鎖骨遠位端切除術という、鎖骨の先端を削り取ってしまう手術です。

鎖骨や関節円板を取ってしまって大丈夫?

通常、関節の炎症や軟骨のすり減りが強いときに行われるのは人工関節手術なのですが、肩鎖関節には人工関節はありません。

それは技術的な問題もありますが、メリットがほとんどないからです。

逆に膝なんかは人工関節がなかったらどうしようもありません。
膝の一部の脛骨を削り取ったら歩けなくなっちゃいますからね。

でも、鎖骨の先端を削ってしまって、肩鎖関節という軟骨と軟骨が向かい合って、間にクッションである関節円板がある構造がなくなってしまっても、肩は全然動かせるし力も入るんです。

軟骨と関節円板はなくなっても、靭帯は一部残り、特に大切な烏口鎖骨靱帯(うこうさこつじんたい)という靭帯をほぼ完全に残せるので鎖骨が不安定にグラグラしてしまうこともなく、さらに僧帽筋や三角筋などの筋肉も残るので力も入ります。

最近は関節鏡で削ることも多いので、余計にデメリットは少ないと言えるでしょう。

arthroscope surgery

ベンチプレスの肩の痛み3:インピンジメント症候群

最後にインピンジメント症候群ですね。

特に起こりやすいのが肩峰下インピンジメントです。

これは肩甲骨の屋根にあたる
肩峰(けんぽう)という部分や
そこにつく烏口肩峰靱帯(うこうけんぽじんたい)

下にある腱板がこすれるような状態です。

画像引用元:肩関節外科の要点と盲点 (整形外科Knack & Pitfalls)第1版 文光堂

 

その結果、その間のスペースに炎症が起こり、
時に腱板断裂を起こすこともあります。

この肩峰下インピンジメントは
肩関節の挙上 + 内旋
という動きで引き起こされやすいです。

挙上前方に腕を上げていく動作

内旋上腕を内向きに軸方向に回旋する動作
(「小さく前ならえ」から手でお腹を押すようにする動作)

この組み合わせはやはりベンチプレスの動作にも
含まれる動作ですね。

前方に挙げていって、
かつ、バーを持つグリップは掌が下ですから、
必然的に肩は内旋します。

ベンチプレスを原因とするインピンジメント症候群の治療

保存治療:炎症を抑えて、リハビリをする

保存治療としては、
まずさきほどのように
注射をして炎症を抑える。

その他、消炎鎮痛剤の飲み薬、湿布などを使う
ということと、

リハビリを行います。

リハビリはインピンジメントを起こしにくくする
ということです。

例えば、肩を挙上するときも、
肩を内旋
(厳密には違いますが、手のひらを下にして)
して、挙上する方がインピンジメントを起こしやすいので、

基本的には外旋の動作をよく使う

というようなことや、

肩甲骨の可動性を上げて、
うまく肩峰が挙上時に逃げてくれるようにする

ということがポイントです。

手術療法:関節鏡下肩峰下除圧術

これはよく、クリーニング手術と言われるモノに含まれます。

実際には、かなりシンプルなことをやります。

 

具体的には、まず内視鏡を使います。

 

画像引用元:肩関節鏡下手術 (スキル関節鏡下手術アトラス)第1版 文光堂

関節の手術で使うものは関節鏡(関節鏡)と言いますが、
ペン型の細い筒状のカメラを関節の中やその周囲のスペース(滑液包)
に挿入して手術を行います。

カメラを挿入するために、小さな創を複数作ります。
逆に言うと、それだけで大きな創はできません。
だいたい1–1.5cmくらいの切開創から
関節鏡カメラや手術用の器具(はさみやメスなど)を
挿入して、手術を行います。

そして、やることと言えば、

インピンジメントとして衝突する、摩擦を起こす原因を取り除くということです。

具体的には、肩峰という骨の下面(擦れる側)を薄く削っていきます。

 

インピンジメントを起こしている人の多くは、
肩峰に骨棘(こつきょく)という増殖した骨の棘(とげ)があります。

これはとんがって、出っ張っているので、当然痛みの原因となります。
そのため、重点的にしっかりと削ります。

それに加えて、さらに
烏口肩峰靱帯(うこうけんぽうじんたい)を肩峰から剥がすように切ってしまいます。

このように衝突する部分を解決する、すなわちインピンジの原因である肩峰下面を
削る、薄くしてしまう、靭帯を切ってしまう

ということで根本的な解決を狙う

という手術です。

インピンジメントの結果「腱板損傷」も起こりうる

このインピンジメントで最初に起こるのは、

  • 滑膜炎という関節周囲の炎症
  • 腱板炎というインナーマッスルの炎症

になりますが、腱板炎もさらに負荷がかかれば損傷、断裂という状態になります。

つまり、腱板損傷です。

腱板損傷についてはこちらで詳しく解説しておりますので、ご参照ください。

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インピンジメントを防ぐにはダンベルフライがオススメ

このインピンジメントを防ぐには
バーベルを使ったベンチプレスではなく、
ダンベルを使ったダンベルフライに切り替えることがオススメです。

ダンベルの方が自由に掌の向きを変えられますからね。

ただ、その自由度の高さが
重い負荷を扱うときには
トレーニングフォームの乱れのリスクになりますので、

一長一短でもあります。

やはり、個人個人の状態に合わせた
トレーニングというのが大切なのは間違いなく、

特に何かしらの痛みを抱えながらの
選手が多い中では障害の知識は必須だと言えますね。

ダンベルを使ったトレーニングはバーベル以上に低負荷でいい

ダンベルを使ったトレーニングは後述するように、
動きの自由度が高いがために、

安定性が重要になります。特に重いウエイトを使った場合は顕著で、無理をすると危ないという性質もあります。

 

しかし、それゆえ、バーベル以上に小さな負荷(重さ)でも
筋肉に対する負荷は同等である
というデータがあります。

 

ですから、単に重さで判断せずに、ダンベルを積極的に使っていく。
その時はバーベルの重さより軽くてもいいということは知っておいていいと思います。

ダンベルフライで肩が痛い場合の原因は?

ちなみに逆にベンチプレスは痛くないのにダンベルフライで肩が痛い

という場合は何が考えられるかと言うと、

 

一番は腱板損傷腱板炎です。

ダンベルフライはフリーウエイトですからバーベルを持ち上げる動きに比べて、
手がぐらつきやすいです。

つまり、不安定な動きなんですね。

 

そして、肩関節の動きに安定性を与えるのはインナーマッスルである腱板なので、
こういった不安定な動きの中で負担がかかります。

ですので、ダンベルフライで肩が痛い場合は腱板損傷がないかチェックする
というのもオススメですね。

背中に下ろすラットプルダウンなど肘が背中側に入るトレーニングは注意

肘が背中側に入るのは肩の動きでいうと、水平外転になるわけですが、

 

このような背中側におろしていくラットプルダウンや

ベンチプレスやダンベルフライでも肘をおろしすぎれば、かなりの肩の水平外転となります。

 

肩の水平外転というのは肩にとっては、作用反作用の力の関係で、

肘が後ろにいくぶん、肩側の上腕骨頭という部分は前に行こうとします。
通常、肩が前方に脱臼してしまうのは水平外転を強いられたときです。

 

そういう意味で、水平外転を強いられる動きを繰り返していると、肩の前方の組織(腱板疎部、肩関節包、肩甲下筋)を傷めてしまうことがあります。

 

それを防ぐためには

ラットプルダウンなら胸の方に、前方におろしていくこと

ダンベルフライやベンチプレスでは肘をベンチより下に降ろさない、
ベンチプレスなら胸の前にタオルなどを折っておいておけば、
それ以上にバーベルを降ろさないように意識できると思います。

そういった工夫が肩の障害を防ぐかもしれません。

ベンチプレスで肩を傷めないための最重要ポイントは肩甲骨の動き

様々なお話をしてきましたが、
最後にお話しした肘が背中側に入る、肩の水平外転

これはベンチプレスも含め、肩のトレーニングで怪我に繋がりやすい動きと考えられています。

 

でも、筋トレって基本、可動域いっぱいでトレーニングしましょうと言われます。
それは原則として大切なポイントです。

可動域を小さい範囲で筋トレをすると、
動員される筋肉も少なくなり、かつ、カタい筋肉ができあがりやすくなります。

 

でも、水平外転は肩に悪いって・・・

というジレンマを感じやすいわけですが、
解決策はシンプルです。

肩甲骨を思いっきり大きく動かしてください。

 

肩甲骨がカタまっていると、肩関節だけで動くことになり、
水平外転が大きくので肩関節の負荷がかかり、

結果としてインピンジメントが起こったり、腱板損傷が起こったりしてしまいます。

 

しかし、肘が背中側に動く中でも、
その大半を肩甲骨を背骨に寄せる「内転」という動きで作ることができます。

試しに肩を動かさずに肩甲骨だけ限界まで寄せてみてください。
肘が背中側に入ったはずです。

もしそうでなければ、すでに肩甲骨がかたまっていて、動きが悪い可能性があるので、
その場合は肩甲骨を大きく動かすトレーニングから開始した方がいいです。

ベンチプレスで肩を傷めないための3つのフォームチェックポイント

ここまで様々な肩の痛みの原因を解説してまいりました。

「いろいろ原因があるのはわかった。じゃあ、どうすれば肩を傷めないのか?」

ということが気になりますよね。

 

総まとめの意味も込めて、
ベンチプレスで肩が痛い状態を避けるための予防に大切な「フォーム」のポイントをお伝えします。

肩痛予防フォーム1:肩甲骨の内転(引き寄せ)をマックスに

さきほども述べたとおり、
肩関節に負荷がかかりやすい、水平外転という背中側に肘が入る動きを、

肩甲骨の動きでサポートしてあげるために、

ベンチプレスでバーベルを下ろしていくときに、
肩甲骨をしっかりと背骨に寄せる(内転)ことができているか、

これは常にチェックしたいポイントです。

肩痛予防フォーム2:両手の感覚(グリップ幅)を狭くしない

こちらも前半で説明しましたが、ナローグリップという
狭いグリップ幅でベンチプレスをすると、
肩鎖関節にも上腕二頭筋長頭腱にも負荷がかかりやすくなります。

もちろん、グリップ幅で効く筋肉が変わってくるので、
バリエーションとして取り入れたいときもあるでしょうから、

あくまで注意して、ナローグリップばかりやらない。

という意識が必要かと思います。

 

大胸筋への刺激という意味では、
肩幅の1.5倍以上のグリップ幅が望ましいと考えられていますので、
参考にしてみてください。

肩痛予防フォーム3:両手の真下に肘があるように動かす

グリップと関連していますが、ベンチプレスの動作中は基本的に
手の真下は肘 という位置関係をキープします。

これがズレてくると、
肩にも肘にも手首にも、関節に無理な力が加わりますので、
関節の怪我の原因になります。

ベンチプレスで肩を痛くしないための予防方法

フォームの次は予防策です。

基本的なことばかりですが、意外とおろそかにしている人も少なくないので
今一度ご確認ください。

ウォームアップをしっかり行う

ウォームアップをしっかり行うなんて当たり前すぎる・・・

と思われるかもしれませんが、
実際はいきなりバーベルを挙げだす人もいます。

また、ウォームアップの目的を今一度確認していただきたく、
最初に持ってきました。

 

ベンチプレスをはじめ筋トレは筋肉に負荷をかけるものですが、
関節にも負荷がかかります。

筋肉も関節も温度が低い段階(ウォームアップ前)では
筋肉の柔軟性も耐久性も低いですし
関節もカタく、スムーズに動きにくいため

筋肉の損傷も関節の炎症も起こりやすい状態と言えます。

 

そこから、ウォームアップで筋温度、関節温度を上げることで、
筋肉のコンディションを準備万端にして、
関節も強い力のなかで動く準備を万端にすること
がウォームアップの目的です。

その具体的な方法は

まずシンプルにジョグ、走るということです。
これで全身の体温が上がり、

さらに関節、筋肉のウォームアップとして、
軽めの負荷のベンチプレスを数セットすることもいいウォームアップになります。

痛くなりやすい人は特に入念にやりたいのがウォームアップです。

クールダウン・ストレッチをしっかり行う

ウォームアップとくれば、クールダウンですよね。

強い負荷のベンチプレスをしっかり回数、セット数をこなせば、
確実に筋繊維は傷み、関節も多少の炎症を起こしていると考えられます。

筋線維の傷は超回復で回復するための必要なもの
と捉えれてもいいわけですが、

それでもクールダウンとしてストレッチをしっかりしておくことは
基本として推奨しておきたいです。

筋の緊張状態が間違いなく筋トレ後には起こっていますから、
その緊張状態を解いてあげる、リラックスさせてあげる
という効果と、

カタくなりがちな関節と筋肉をその名の通り伸ばす、ストレッチする
ということが目的です。

肩関節に限ってアイシングを行う

クールダウンに関連して、アイシングというものがあります。

筋トレ後にアイシングが必要かどうかは議論が分かれますが、
肩を痛くしたたあとだったり、傷めやすいということならば、

関節に限って冷やすのはいいことでしょう。

 

筋肉を鍛えたい、そのためにバンプアップした状態が望ましい

と考えれば、筋肉そのものには氷水、氷嚢などは当てないようにして、
関節そのものにはアイシングをする。

そのためによりピンポイントなアイシングが望ましいわけですが、
それにはここまで解説してきた原因を絞って、
その原因部位を冷やしていくということが大切です。

フォームが崩れる負荷は禁止

フォームが崩れるくらい重いバーベルを使ったり、

フォームが崩れるくらいの回数を無理するのは禁止です。

 

そういった無理なフォームでのトレーニングは肩を痛くする一番の原因です。

 

もし、そういった強い負荷でのトレーニングをする場合は、
サポートする人をつけて、バーベルを誘導してもらったりということで
フォームが崩れないようにする工夫が必要です。

痛みが出た後は段階的に負荷を上げていく

痛みが出て、何らかの治療を行ったあと、
復帰していくという場合には、

当たり前のことですが、徐々に負荷を上げていくということが必要です。

 

ありがちなのは、イキナリ重めの負荷を使ってしまって、
また痛くなるケースと、

怖がりすぎて、全然負荷を上げずに同じ負荷でトレーニングを続けてしまうケースです。

 

前者の場合は、「これで意味あるの?」と感じるくらい軽い負荷、少ない回数から
徐々に徐々に上げていくという基本を今一度確認していただくことと、
痛みを感じた場合に一度、負荷を落として、時間をかけるということを意識してください。

また、後者の怖がりすぎて・・・

というのは主治医と相談して、段階的に上げていっていいという判断をもらえば、
思い切って段階を上っていくということをやっていくしかありません。

あとは、前者と同様

痛みを感じた場合に一度、負荷を落として、時間をかけるということを意識してやっていきましょう。

まとめ

今回はベンチプレスなどのウエイトトレーニングで肩の痛みがでるときの原因とその治療法について解説いたしました。少しでも参考になりましたら幸いです。

肩の痛み、障害というマイナス状態からゼロに戻すだけでなく、さらにプラスへ持っていく方法や考え方についてはメールマガジンで解説していますので、興味が持っていただけましたらご登録をお願いします。

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