肩のインナーマッスル(腱板筋群)

肩のインナーマッスルの鍛え方を基本から丁寧に解説

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肩のインナーマッスルの鍛え方というテーマでお届けする今回の記事ですが、

肩のインナーマッスルというとどういう筋肉を思い浮かべるでしょうか?

おそらく、腱板(ローテータカフ)の筋肉たちを思い浮かべる人が多く、 そのトレーニングもチューブを小さな動きで引っ張っているものを想像する人が多いのではないでしょうか?

それはそれで間違いなく基本の肩のインナーマッスルであり、そのトレーニングでありますので重要です。

こちらの記事で解説しております。

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しかし、肩のインナーマッスル、すなわち深層筋・・・すなわち、深いところに存在し、肩を安定化させてくれる筋肉は実は腱板筋群だけではありません。

より広い視野で肩のインナーマッスルを捉え、より効果的に肩を安定的にスムーズに動かせる状態を目指すトレーニングを解説していきます。

 

肩を専門とするスポーツ整形外科医の歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう。

肩のインナーマッスルには2種類ある

肩のインナーマッスルは腱板だけじゃないと言いました。

インナーマッスルの定義は様々ですが、

  • 身体の深い位置にある筋肉(=深層筋)
  • 関節を安定化させる働きを持つ

ということがインナーマッスルたる条件として考えてみます。

このインナーマッスルがしっかり働くことで関節のケガを防ぎやすく、動きもスムーズかつダイナミックスにすることができますから、インナーマッスルが重要視されるのは当然です。

ただ、勘違いしてはいけないのは、インナーマッスル自体が発揮する力は弱いということです。アウターマッスルの方が圧倒的に大きな筋肉ですから、強い力を生み出すのはアウターマッスル。それを下支えするのがインナーマッスルという捉え方でいきましょう。

そして、腱板筋群も含め、もっと肩のインナーマッスルを広く捉えると、以下のような筋肉も含まれてきます。

  • 腱板筋群(けんばんきんぐん)
  • 上腕二頭筋長頭腱(じょうわんにとうきんちょうとうけん)
  • 菱形筋(りょうけいきん)
  • 前鋸筋(ぜんきょきん)

さらに肩甲挙筋、小胸筋、大円筋・・・などありますが、鍛えていくということでいうと、これらのインナーマッスルを押さえておけば十分でしょう。

そして、これらの筋肉を2種類に分類してとらえていきましょう。

肩関節を安定化させるインナーマッスル

まず肩関節を安定化させるインナーマッスルです。肩関節は厳密には肩甲上腕関節(けんこうじょうわんかんせつ)と言いますが、肩甲骨と上腕骨からなる関節です。

この肩関節は元々、とても不安定な関節であり、可動域も全関節中最大ですので腱板をはじめとしたインナーマッスルが大切になるわけです。

腱板筋群(けんばんきんぐん)

肩関節を安定化させる役割としては圧倒的に腱板筋群という捉え方で大丈夫です。腱板筋群には前から

  • 肩甲下筋
  • 棘上筋
  • 棘下筋
  • 小円筋

と肩を安定化させるインナーマッスルが覆っているという状態です。

この腱板筋群がしっかり働いてくれることで、不安定な肩関節がキュッと締まって、スムーズに動いてくれると考えてください。

上腕二頭筋長頭腱

その腱板筋群を補助的に支える役割として上腕二頭筋長頭腱というスジがあります。

上腕二頭筋長頭腱についてはこちらの記事もご参照いただければと思いますが、

上腕二頭筋というのは肘を曲げたり、前腕の回外(手の平を上に向ける)というのがメインの役割になりますから、肩の動きに対する作用は小さいと言えます。

しかし、上腕二頭筋長頭腱は肩の関節の中に入り、上腕骨頭の上方に位置していますので、上腕骨頭が上に上がらないようにするような腱板の作用を補助するような役割を持っていると考えられます。 その意味で上腕二頭筋を肩のインナーマッスルとして鍛えましょうと言う人もいます。

しかし、その肩の安定化作用が上腕二頭筋を鍛え上げたからといって、強くなるかどうかについては怪しいかなと私は考えています。

あくまで上腕二頭筋長頭腱の役割は補助的なもので、特に腱板断裂があったときに急に回ってくる役割と考えていて、それも長くは続かず、いずれ長頭腱が断裂してしまうというケースを多く見ていますので、肩のインナーマッスルとして上腕二頭筋を鍛えるというのは違うと考えています。

つまり、やはり、肩関節、肩甲上腕関節を安定化させるインナーマッスルとしては腱板筋群を鍛えていくことが大切ということになります。

肩甲骨を安定化させるインナーマッスル

次に肩甲骨を安定化させるインナーマッスルの話です。

肩の動きの中で実は土台に思える肩甲骨もかなり動いていることが知られています。そして、事実、肩甲上腕関節の土台でもありますから、肩甲骨というのは大きく安定的に動く必要があります。

そこで大切になるのが肩甲骨を動かす筋肉の中でも深い位置にあるインナーマッスルであるということですね。

菱形筋

画像引用元:プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器 第一版 医学書院

菱形筋僧帽筋の中部線維のより深いところを走るインナーマッスルです。肩甲骨を背骨側、つまり内側に引き寄せる筋肉として安定化にこれも貢献してくれています。

前鋸筋

画像引用元:プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器 第一版 医学書院

前鋸筋というのは肩甲骨の内側から肋骨にくっついている筋肉で、肩甲骨を肋骨に沿って、前外側に引き寄せてくれる筋肉です。この筋肉が働かないと肩を挙げるときなどに翼状肩甲(よくじょうけんこう)と呼ばれる、肩甲骨が浮いた状態になってしまいます。まさに不安定な状態です。

肩のインナーマッスルの鍛え方

それぞれのインナーマッスルの解説をしましたが、それでは、それぞれの筋肉の鍛え方について解説していきます。

腱板筋群のチューブトレーニングについてはこちらの記事で解説しており、かつ、インナーマッスルの鍛え方の原則的な考え方もお伝えしておりますので、ご参照ください。

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腱板筋群のダンベルトレーニング

腱板筋群はダンベルでも鍛えることができます。 ダンベルで鍛える場合は当然、重力が負荷の方向になりますので、 内外旋運動などは寝た状態でやります。

チューブトレーニングでは動きの最後に近づけば近づくほど負荷が強まる(終動負荷)傾向がありますが、 ダンベルだと重力は一定なので、動きの中で均一に負荷がかかりやすいというメリットもありますから、

チューブトレーニングが気軽で、基本ではありますが、うまくダンベルトレーニングも組み合わせてやっていくことをオススメします。

 

棘上筋のダンベルトレーニング

棘上筋のダンベルトレーニングはチューブと同じようにできます。

 

棘下筋のダンベルトレーニング

棘下筋のダンベルトレーニングはこのように横向きに寝て行います。

この動画をダンベルにすれば同じです。重さは最初は500gから1kg程度。
30回くらいで筋肉が熱く感じる程度にしましょう。

(動画のタイトルが「腕を外転させる筋肉」となっていますが、正確には「肩を外旋させる筋肉」ですのでご注意ください。)

 

肩甲下筋のトレーニング

肩甲下筋のダンベルトレーニングはこのように仰向けに寝て行います。

(動画のタイトルが「腕を内転させる筋肉」となっていますが、正確には「肩を内旋させる筋肉」ですのでご注意ください。)

菱形筋の鍛え方

菱形筋のトレーニングはうつぶせになって、肩甲骨だけを内側に引き寄せるようにゆっくり、できるだけ大きく動かすということをやります。

しっかりと肩甲骨の内側深くにある菱形筋をイメージしながらていねいにトレーニングしていきます。

前鋸筋の鍛え方

まず前鋸筋のオススメの鍛え方ですが、どんなトレーニングをするにしても、前鋸筋の伸び縮みを徹底的にクリアにイメージするということが大切です。

多くの選手はこれができずに動きだけを真似て、なんとなく鍛えているつもりになっていることがあります。
そのレベルから抜け出してしまいましょう。

立体的に前鋸筋を動画でみて覚える

こちらの動画で前鋸筋の位置と、前鋸筋が収縮したら肩甲骨がどう動くかを立体的に把握し、イメージしましょう。

この動画をみながら自分の肩甲骨も同じように動かしてみましょう。

シンプルに言えば、肩甲骨を肋骨に沿って前方、外側に動かすのが前鋸筋であると言えますね。

前鋸筋に触れながら肩甲骨を外転してみる

さらには前鋸筋を触りながら肩甲骨を動画のように外転してみます。
そこで肋骨の上にあるスジ(前鋸筋)を触れながら、その筋肉が動く、カタくなるのを感じましょう。

画像引用元:Grant's Atlas of Anatomy

しばらくはトレーニング前にこの前鋸筋のイメージトレーニングを数回繰り返すことをオススメします。

前鋸筋トレーニング:ダンベルでの鍛え方

そして、前鋸筋トレーニングですが、肩甲骨を肋骨に沿って外転させるという動きに負荷をかけることになります。

このダンベルを持って、肘を伸ばして、肩甲骨だけを動かしてダンベルを上げるトレーニングは基本中の基本です。

ポイントは肘の曲げ伸ばしを使わない + ダンベルはただ垂直に真上に上げる(それは肩甲骨が動くことのみで達成される)ということになります。

この前鋸筋は身体の深いところにある肩甲骨のインナーマッスルと言うべきモノですから、ものすごく強い力を発揮できるわけでも、それが求められているわけでもありません。

そのためトレーニングもゆっくりの動作で安定した動きの中で30回くらいで前鋸筋に熱い感じを感じるくらいがちょうどいい負荷と言えるでしょう。

前鋸筋トレーニング:チューブでの鍛え方

さきほどのダンベルによる負荷と同様に、背中を回してチューブを両手に持てば、チューブの張力を肩甲骨の外転運動の負荷にすることができます。

こちらも同様にゆっくりの動作で安定した動きの中で30回くらいで前鋸筋に熱い感じを感じるくらいがちょうどいい負荷になります。

前鋸筋トレーニングのレベルアップポイント:大胸筋を触る

さらにポイントとして、

前鋸筋トレーニングのときに大胸筋が思わず働いてしまうことがあります。そうすると前鋸筋はサボってしまいますので、効果が出ません。

画像引用元:Grant's Atlas of Anatomy

そのため、トレーニング中に大胸筋に触れながら、もしくは触れてもらいながら、大胸筋がカタくならないように気をつけながらゆっくり動かすというのもオススメの方法です。

まとめ

今回は肩のインナーマッスルの鍛え方として、腱板筋群のダンベルトレーニングと肩甲骨の安定化目的の菱形筋と前鋸筋トレーニングについて解説いたしました。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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  • この記事を書いた人

歌島 大輔

肩/スポーツ領域を得意とする整形外科専門医としての診療/手術・スポーツパフォーマンスアップ、ケガ予防トレーニング等のアドバイス・マインド(脳と心・メンタル)の使い方を指導するコーチングを行っています。

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