肩鎖関節

肩鎖関節を押すと痛いときに考えられる原因を解説

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肩鎖関節(けんさかんせつ)という部分を押すと痛い

ここまでわかっている人はかなり上級者ですが、多くの人は

肩の上の方を押すと痛いなとか、鎖骨の先っぽが痛いなとか、鎖骨のくぼみを押すと痛いとか、
そういった認識になると思います。

 

この肩鎖関節を押すと痛い、すなわち肩鎖関節に圧痛があるという状態のときに
肩鎖関節に何が起こっているのか?

痛みの原因というものについて解説したいと思います。

 

こんにちは、肩を専門とする整形外科医の歌島です。本日も記事をお読みいただき誠にありがとうございます。

それではいきましょう。

肩鎖関節(けんさかんせつ)とは鎖骨のくぼみ?

まず肩鎖関節とは?という基本中の基本ですが、その名の通り、肩と鎖骨の関節・・・もっと正確に言うと、肩甲骨の肩峰(けんぽう)という部位と鎖骨の外側の端っこからなる関節です。そんなところに関節なんてあるの!?と、あまり関節として認識されたことはないかもしれませんね。

ご自身の鎖骨を真ん中くらいから外側になでるように触っていくと、少し盛り上がって、またすぐ凹んで(これはわかりにくいかも)・・・でも、骨は触る。という部位があると思います。その盛り上がったところが鎖骨の端っこ(鎖骨遠位端)で、くぼんだところが肩鎖関節そのもので、またその外側に骨が触れる部分は肩甲骨の肩峰の上面です。

ですから、鎖骨の先っぽが痛いとか、鎖骨のくぼみが痛いとか、肩の上が痛い、というのが肩鎖関節の痛みを表している可能性は十分にあるということですね。

画像引用元:肩関節鏡下手術 (スキル関節鏡下手術アトラス)第1版 文光堂

肩を動かすときにはかなり肩甲骨も連動して動くわけですが、その肩甲骨が動くとき、支点の1つになっているのが肩鎖関節です。

押すと痛い=圧痛 が表すもの

また、押すと痛い、つまり、圧痛があるということが表すものを解説します。

シンプルに圧痛があるということは、そこに炎症があると捉えていいと思います。

 

炎症というのは様々な原因で起こりますが、
身体の治そうとする生体反応の1つです。

例えば、肩鎖関節を捻挫してしまった、など外傷後の炎症だったり、
肩鎖関節の軟骨がすり減ってしまった変形性肩鎖関節症の結果として起こる炎症だったり、
ベンチプレスなどの負担が強いトレーニングやスポーツなどのオーバーユースで起こる炎症だったり、

というように原因は様々ですが、

肩鎖関節に圧痛があるということは、すなわち、肩鎖関節炎があると考えていいと思います。

肩鎖関節炎の原因と症状

肩鎖関節という部位についておさらいしていただきましたが、この肩鎖関節に炎症が起こってしまう状態が肩鎖関節炎です。

この肩鎖関節炎が起こってしまう原因というのは大きく分けて3種類あると考えてください。

  1. 外傷・ケガ
  2. 繰り返しの負荷・オーバーユース
  3. 加齢性の変化・軟骨のすり減り :変形性肩鎖関節症

この3つが原因になり得るわけです。大抵の関節の炎症はみなこの3つ のどれかに当てはまることが多いです。

1.外傷・ケガによる肩鎖関節炎

これは転倒して肩から床、地面に打ち付けてしまったケースなどに多いです。

これが重症になると鎖骨遠位端骨折や肩鎖関節脱臼という状態になりますが、そこに至らなくても肩鎖関節の炎症の原因になるというわけですね。

ちなみに鎖骨遠位端骨折、肩鎖関節脱臼についてはこちらもご参照ください。

2.繰り返しの負荷・オーバーユースによる肩鎖関節炎

使いすぎによる障害をオーバーユースシンドロームと呼びますが、肩鎖関節炎になるオーバーユースというと、肩関節を酷使するスポーツによるものがあります。

例えば、柔道やラグビー、アメリカンフットボールなどコンタクトもするし、投げる動作もあるというようなスポーツや、

American football players

また、肉体労働で重いものを持ち上げるような動作が多い仕事を長い間やってきた人に肩鎖関節炎が起きやすいという印象があります。

3.加齢性の変化・軟骨のすり減り:肩鎖関節症

最後の原因は加齢性の変化です。

どうしても長い間生きていれば肩鎖関節にも少しずつ経年変化が起こってきます。その変化の大きさはかなり個人差が大きく、1番、2番のような外傷やオーバーユースがないにも関わらず、ご年齢ともに軟骨がすり減ってしまう方もいらっしゃいます。

Elderly woman suffering from pain in shoulder at home

また、1番や2番の要素があった上で、ご年齢が増してくると、いよいよ軟骨がすり減ってきてしまうというケースも多いです。

肩鎖関節炎の症状

肩鎖関節炎の典型的な症状を2つ紹介します。これを知らないと、なんとなくい「肩が痛い」というものの1つに括られて、肩に注射されたり、肩のリハビリをしながら経過を見たりと、ピンぼけの治療になってしまいがちです。

肩鎖関節の圧痛

ひとつめが今回のテーマである肩鎖関節を押せば痛いということです。

これも炎症の度合いによって、圧痛がわかりにくいこともあります。ポイントは肩鎖関節を正確に押せることは大前提ですが、さらに肩鎖関節の前から上から、後からと、ある程度幅広い肩鎖関節における圧痛をていねいに探ることです。

水平内転での肩鎖関節の痛み

また手で胸の前を横切って、逆の肩の後を触れるようにする動き水平内転と言いますが、この水平内転で肩鎖関節の圧が高まることで痛みが増すことが多いです。

肩鎖関節炎の治療

では、この肩鎖関節炎があるということがわかったら、
次は治療ですよね。

治療としてはストレッチなどのリハビリだったり、消炎鎮痛剤の飲み薬、注射、時には手術を行うこともあります。
こちらの記事で詳しく解説しておりますのでご参照ください。

肩鎖関節炎の治し方:ストレッチなどのリハビリから手術まで

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肩鎖関節に出っ張りがあり、かつ痛くない時にはどう考える?

次に肩鎖関節部分が出っ張っていて気になるんだけど、痛くはないんだよなぁという人がいます。

これは何が考えられるのか?ということも解説を加えておきます。

 

肩鎖関節部分が出っ張る場合に多いのは3つです。

  • 肩鎖関節脱臼
  • 変形性肩鎖関節症
  • 肩鎖関節炎

肩鎖関節が脱臼していれば鎖骨が上に上がって、出っ張りますし、変形性肩鎖関節症という軟骨のすり減りがあれば、逆に回りの骨が増殖して骨棘(こつきょく)というものを形成しますので出っ張ります。また肩鎖関節炎でも水が溜まって出っ張ることがあります。

これらの中で痛みがない場合は、他の症状も確認してみましょう。

肩を動かしても、水平内転しても・・・何しても痛くもないし、動きも十分に動かせる。

というような場合は特に治療は必要ないでしょう。
(見た目として出っ張っているのは困るという美容上の理由も治療の理由にはなります。)

 

また、稀に出っ張りが腫瘍(しゅよう)であるということもあります。
その場合は痛みがなくてもおかしくないのですが、
腫瘍も大きくなってくるとか、すでにある程度大きい(2-3cm以上)なんて場合は、万が一の悪性も視野に
しっかりと精密検査をするために整形外科を受診することをお勧めします。

まとめ

今回は肩鎖関節を押すと痛い・・・というような症状について解説いたしました。

それは肩鎖関節炎というものが起こっていて、それは様々な原因から起こり、特徴的な症状があるということをお伝えいたしました。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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歌島 大輔

肩/スポーツ領域を得意とする整形外科専門医としての診療/手術・スポーツパフォーマンスアップ、ケガ予防トレーニング等のアドバイス・マインド(脳と心・メンタル)の使い方を指導するコーチングを行っています。

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