人前やスポーツの時などに手や足、声が震えるほどに緊張してしまうことって全然あると思うんです。かくいう僕もそうでしたから。しかし、逆に全然緊張しない人もいたり、途中から成長したのか、緊張しなくなる人もいます。
ここでは震えるほど緊張しちゃってパフォーマンスが落ちてしまう人が、いい具合に緊張しない方法というものについてお伝えしていきたいと思います。ここに書いてあることを試してもダメだったら、諦めてください!と言えるレベルの記事にしています。この記事を隅々まで読んで、ヒントを見つけて、繰り返し実践してみてください。
緊張する原因を知ると「悪いもんでもないな」と思える
まずは緊張そのものが、必ずしも「悪」ではない、むしろ、「そんな悪いもんじゃないな」って思える状態を作るといいと思います。そのために緊張する原因を掘り下げてみましょう。
一番ヤバいのは緊張しないこと
緊張する原因の一番は、あなたが「本気」だから、あなたが「真剣」だからです。
逆にまったく緊張しないのは、だらけている、たるんでいると表現してもいい状態で、あなたが「本気じゃない」、「真剣じゃない」状態です。
それだけでわかりますよね。一番やばいのは「緊張しないこと」です。ゼロ緊張はマックス緊張よりもパフォーマンスが落ちます。それも、思いっきり落ちます。
自律神経のバランス論
緊張が身体の中でどう起こっているのか?という視点から言うと、自律神経のお話になります。自律神経は交感神経と副交感神経の2種類があって、交感神経が強まると緊張が強まり、副交感神経が強まるとリラックスしていきます。この交感神経(緊張)と副交感神経(リラックス)がどの配分で働いているかということで緊張具合が決まります。
この自律神経は全身の内臓の働きを調整していて、心臓だって、交感神経が強まれば心拍数がアップし、副交感神経が強まると心拍数が下がります。
これを考えてもバランスが大事だとわかります。あり得ない話ですが、極端な話、副交感神経が10−0で働いたら、運動に必要な血液を筋肉に送るだけの心拍数に届かないので、一瞬で運動不能になるでしょう。
○○されたい願望(好かれたい、できると思われたい、認められたい)
緊張する原因をメンタル、マインドの使い方という視点で見ると、一番典型的なのは〇〇されたい願望です。例えば、好かれたいとか、できると思われたいとか、認められたいとか・・・ざっくり言えば承認欲求ですね。
この願望、欲求が強すぎるが故の過大な緊張は「そんなに悪いもんでもない」緊張とは違って、マインドの使い方を変えて、コントロールしてほしい願望とその結果の減らすべき緊張だと考えています。
これ以降は、そういった緊張のコントロール方法を「これでもか!」とお伝えしますので、使えそうと思ったものは片っ端から使ってみてください。
自分で思いっきり満たしてあげる
さきほど、緊張する原因として〇〇されたい願望のお話をしました。例えば、人前でスピーチをする時に「うまく話せるか」と不安になり、過度に緊張するのは、自分ができる人間と聴衆に思われたいが故の緊張です。
これは逆に言えば、「自分ができる人間だ」という自信が不足しているから、その埋め合わせをしようとしているわけです。ということは、まずやるべきことは「自分ができる人間だ」という自己評価を高めることです。それも思いっきり、周りに過信だと言われても気にしないくらいに。
よく真実かのように「評価は他人にしてもらうもの」というコメントをする人がいますが、対外的な社交辞令でそう話す分にはいいですが、マインドの使い方としては間違いです。
自分への評価は自分がして、そして、その評価の高さがあなた自身のパフォーマンスを大きく左右する。これが真実です。脳のはたらきを理解すれば当然の話で、いくら他人に高い評価を受けても、「いや、それは本当の自分じゃない・・・」と自分を卑下すれば、パフォーマンスは落ちますし、逆に、いくら他人に低い評価を受けても、「言わせておけばいい」と意に介さなければパフォーマンスは落ちません。
自分に対する評価は自分が思いっきり満たしてあげる
これをまずやっていただきたいと思います。
フォーカスや視点をチェンジ
次にフォーカス(何に意識の焦点を当てるか?)ということや、視点(何をどのような角度から見るか)ということについて、意図的に変えてみると、一気に緊張しなくなることがあります。
それは緊張する理由の「○○されたい願望」自体がフォーカスや視点の間違いから起こっているからと言ってもいいと思います。どういうことかというと、「○○されたい願望」ってフォーカスが自分に当たってますよね。それなのに視点は自分から周りになってますよね。意識は自分にフォーカスを当てているのに、視点(これは実際の目線ではなく、意識がどう見るか)は自分が見えず、周りばかり見ている。見えないものに意識を集中して恐怖を抱く。これは当然のメカニズムです。ですから、このフォーカスと視点をどうにかしないといけません。
ゴール、目的にフォーカス
まずフォーカスを変えましょう。ゴールや目的にフォーカスします。
例えば人前でプレゼンテーションや講演を行うときの目的やゴールは聴衆に情報を届けることだったり、もっと言うと、聴衆に何かしらの変化を及ぼすことだったりするはずです。それなのに緊張してしまう人は「自分がどう思われるか」「自分がうまく話せるか」という自分にフォーカスを当ててしまっているから緊張しすぎてしまうわけですね。
ちなみに、聴衆に何かしらの変化を及ぼすっていうゴールは、それはそれで難易度が高いと思われるかもしれません。しかし、一度そこにゴールを置いたところで、次のステージに移れます。それは「聴衆が変化するかどうかは聴衆次第。だから、自分は伝えたいことを伝えることだけに集中すればいい」となります。これも自分にフォーカスが戻ったわけではなく、「伝えたいことを伝える」ということにフォーカスが移ったことになります。
また、スポーツであっても同様です。自分がどう見られるか、どう評価されるかということにはフォーカスせずに、スポーツのパフォーマンスにフォーカスする。もっというと、例えば野球であれば「一球入魂!」って言葉がありますが、ボールにフォーカスするという意識が緊張をほぐしたりします。
自分を背後から見る
次に視点の置き方です。一番お勧めするのは、自分の少し後方、背中側にアバター(avatar:分身みたいなもの)を作って、そのアバターが自分を含め、聴衆や周りを見ている視点をイメージすることです。そうすることで一気に客観的な視点が手に入り、見えない自分すら見えている気になって、緊張しなくなったりします。
これは緊張でどうしようもないって思っている時でも有効で、そんな自分をアバターが後ろから見て、微笑ましく思ったり、笑っちゃったり、後ろから頭を撫でてあげたり、そういうイメージで自分をみるということで極度の緊張状態から脱したことは僕自身もあります。
このアバター法はお勧めです。
興味ない聴衆や観客から見る
もう一つ、まったく興味がない聴衆や観客を見つけたら、その人目線で見てみるといいかもしれません。思いの外、自分のことなんて注目されてないんだなということがよくわかると思います。
緊張しすぎる人は「自意識過剰」という言葉でも表せますが、その修正に役立つ視点です。
緊張を良しとする、喜ぶ
さきほど、緊張はそんなに悪いもんでもないということを説明しましたが、とすれば、「緊張していることは良いことだ」と喜んでしまってもいいわけです。
たいてい、緊張しすぎてしまう人は緊張してはいけないと思って、余計に緊張してしまうという悪循環に陥っていますから、一度受け入れる(受容する)という意味でも、「緊張を良しとして喜ぶ」ということは大きな転機になることがあります。
身体から緊張をコントロールする
緊張と言うと、心から始まり、体に影響を及ぼすという状況をイメージされると思いますが、実際、心と体は結局「脳」で繋がっているというか、脳の働きの中に心も体もありますから、逆向きでも影響を及ぼし合います。
つまり、体スタートで心に影響を与えるという方向です。
心は見えませんから、コントロールするのがちょっと難しく感じる人もいるでしょう。しかし、体は動かしたいように動かせますよね。コントロールしやすいものからコントロールするというのは、何事においても基本です。
呼吸法
まずはテッパンの呼吸のコントロールです。呼吸の深さや速さなんかは余裕で意識的にコントロールできますよね。息苦しくならない程度なら。
しかし、心臓の動きと同じくらいのレベルで呼吸というのは命に関わる大切なものですから、それをコントロールできるというのは実はすごいこと、人体にとってもインパクトがでかいことなんですね。
ということは呼吸をコントロールすることが脳と心に与える影響、もしくは自律神経に与える影響は絶大です。
シンプルに浅く速い呼吸をすると緊張が高まり、逆に深くゆっくり呼吸をすると緊張が緩みます。
そのため、緊張しすぎているときには深くゆっくり呼吸をすることが基本になるわけですね。
あえて力を入れる「筋弛緩法」
次に身体を使うということで言うと、もう一つテッパンの筋弛緩法というものがあります。緊張が最も出やすいのは「筋肉」です。
ですから、筋緊張、筋弛緩という言葉があるわけですね。
しかし、本当に緊張している時って、どの筋肉にどのくらい緊張があるかっていうことすら見えなく、感じられなくなってたりするので、そういうときは、逆に一回、思いっきり力を入れてみちゃうんですね。10秒くらい。そして、そのあと一気に力を抜く、ふにゃーっとなるくらいに。
これを肩から腕からお腹から、脚とパーツ毎にやっていくと、隅々まで筋肉の緊張を落とすことができます。
軽く運動して疲れてみる
止まって、考えているとどんどん緊張が高まっていくことがありますから、動くことをオススメします。周りをランニングするとか、何かしら身体を動かして、軽く疲れてみる。そうするとちょうどいい緊張具合に落ち着くことがあります。
スポーツのウォームアップも緊張度合いの調整の意味があります。テンションがあまり上がってないときには適度に上げ、逆にガッチガチに緊張しているときはリラックスさせる効果があります。
テクニックを駆使して震えを止める
緊張していて困るのは「震え(ふるえ)」ですよね。震えていれば、まともに動けないんじゃないか、まともにしゃべれないんじゃないか?と、どんどん不安が強まるばかりだと思いますし、震えているだけで周りに笑われるんじゃないかと、悪循環に陥るかもしれません。
まずは「緊張はそんなに悪いもんじゃない」に立ち返って、震えも「武者震い」というラベリングをしてしまいましょう。武者震いとは「心が勇み立つために、体がふるえること。」という定義です。何も恥ずかしいことはありません。
さらに震える場所としては、手だったり、足だったり、声だったりすると思いますが、それぞれこれからの舞台、本番で使う場所が震えることがほとんどだと思います。震えを止めるテッパンテクニックは「支えを作る」ことです。
それぞれ見ていきましょう。
手が震える時の対処法
まず手が震えるときの対処法ですが、それは手の支えを作るということです。例えば、人前でスピーチをするときにマイクを持つ手が震えるなんてことはザラにありますが、マイクスタンドを用意してもらうことも一つの手ですし、逆の手でマイクを持つ手の肘を持って安定化させるのも手ですね。
あとは、マイクをあごにくっつけて話すなんていうテクニックを使う人も結構多いです。
足が震える時の対処法
足が震えるときは身体を何かに寄りかからせちゃうのも一つの手です。前に講演台があれば、そこに両手をついてしまうというのもいいですね。前のめりで意欲あるスピーチに見えますし、身体も安定して安心感が緊張をほぐします。
また、両足の間隔を多少拡げた方が震えにくいはずです。両脚がくっつくくらいに閉じて立っていると、それだけで不安定なので緊張による震えが出やすいです。
声が震える時の対処法
声が震えるときも手が震えるときと同様にマイクをアゴにくっつけて話すと口の支えとしてマイクを使えるので安心感から震えがとれやすくなります。
あとは一回、大きな声を出しちゃうというのも一つの手ですね。よく演者が最初に挨拶を大きな声でするのは、聴衆を惹きつける意味と、自らの緊張をほぐす意味があるわけですね。
もっと緊張する経験をあえて積む
緊張しない力のレベルという考え方があります。人は大舞台になればなるほど、緊張感が高まりやすい傾向があります。
想像してみてください。
このシュートを失敗したら、核爆弾を世界中に撃つこまれるという狂った一発勝負のPK対決を行うことになり、国立競技場のど真ん中で超満員の中、そして、全世界70億人に中継されている中で1人立っている状況。周りを見れば、悲鳴のような声や、泣きながらひたすらに祈っている人、不安に押しつぶされそうな家族の顔・・・
少しでも足が震えて、まともなパフォーマンスが出せなければ、全世界を一瞬で消し去ってしまう、そんなシュートを目の前にして、緊張しない人はいないでしょう。
まあ、こんなありえない状況はないにしても、今までにない大きな舞台を経験し、そこで緊張と戦っているときというのは、それを経験しただけでもう緊張しない力はレベルアップしています。もう同じレベルであれば緊張しなくなると言ってもいいでしょう。となれば、今の緊張は思いっきり味わったっていいと思えるかもしれません。もしくは、ゲームのドラクエのレベルアップの音をイメージしてみてもいいでしょう。なんかすでに達成感ですよね。
さらには、さきほどのありえない想像を日々やっておくというのもお勧めです。繰り返しリアルにイメージして、実際に緊張するということができれば、本当に経験したときほどではないにしろ、緊張しない力はレベルアップしていきます。
ぜひ、活用してみてください。
リハーサル・シミュレーション・イメージトレーニング
緊張しない状態を作るための常套手段はリハーサルとかシミュレーションとかイメージトレーニングとか言われるものですね。
もっと緊張する経験をあえて積むということで、解説したように、イメージするだけでも実際の経験に近い感覚が得られて、初めてのことでも初めての場所でもそうでない感覚でパフォーマンスができるようになります。
脳にとっては実際に経験することと、脳内のイメージとして経験することの区別が難しいという性質を利用しています。特にそのイメージの臨場感が高ければ、両者を区別することができないんですね。
これがイメージトレーニング、リハーサル、シミュレーションが効果的であるということの根拠ですが、詳しくはこちらの記事もご参照ください。
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失敗という定義を消す
緊張しすぎるときの原因として〇〇されたい願望の話をしましたが、さらにもう一つ大きな原因として、「失敗したらどうしよう!?」という不安、恐怖があります。これも典型的な緊張しやすい人の思考ですね。
そういう方の場合は失敗という定義を自分の中から消してしまいましょう。
かっこつけて言うと、「自分の辞書に失敗の文字はない」
ってやつでしょうか。
でも、冗談じゃなくて、失敗というラベルを貼るから、恐れの対象にもなってしまって、緊張の原因になるわけで、成功も失敗も抽象度を上げれば、同じ「経験」です。
ですから、どういう結果になろうと得られるのは「経験」だという意識で何事にも取り組むと緊張しない状態に近づけると思います。
緊張を強みに変える
最後の緊張しない方法は、緊張を強みに変えるということです。
緊張しない状態からさらに発展して、だれもが緊張する場面こそ、実力以上の力が出せてしまうという状態です。これを作り出してしまえば最強ですよね。
大舞台に実力以上の力を出してみる
チャンスに強い、ピンチに強い、大舞台に強い、本番に強い・・・これらはどれも緊張する場面に強いということになります。そういう選手や人って確かにいますよね。
では、そういう大舞台に強い人にどうしたらなれるのか?ということのヒントは、やはり緊張のコントロールになります。なぜなら、実は生まれつき大舞台に強い人の多くは、そもそも緊張感が足りてない人だったりします(ちょっと失礼な言い方ですが)。そのため、大舞台になってやっと、ちょうどいい緊張具合になって、いつも以上の力が出るというのがメカニズムだったりします。つまり、いつも以上の力っていうのは実力以上ということではなくて、いつもが実力以下ということなんですね。
ということは、ここまで学んでいただいたことを活用して、緊張具合をうまくコントロールできるようになれば、自然と本番に強い選手になれます。さらに言うと、本番に限らず、いつでも出したい力を出せるという状態が作れます。
緊張した姿を見せる方が好感度が上がる
別の意味で緊張を強みに変えてみましょう。
最初にあえて「緊張しています・・・」とか「手が震えちゃってます」と暴露しちゃって、「それだけモチベーションが高いんだな。」と周りに思わせて、好感度を上げる、応援される雰囲気を作るという、あざといテクニックです。
ここまで来ると、もう緊張のコントロールも上級者かもしれません。
まとめ
緊張しない方法について、スポーツの本番だったり、人前でのスピーチだったり、という様々な場面で使えるヒントをお伝えしました。すべて取り組まないといけないということではないのですが、まずは前半の「緊張の原因」や「緊張ってそんなに悪いもんではない」ということの理解を深めていただきつつ、それぞれの方法は取り組みやすいものから取り組んでみていただき、緊張しない力をどんどんレベルアップさせていっていただければと思います。
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