足首の痛みが治らないときの大きな原因として2つご紹介し、それに対する治療法を解説いたします。この記事は足首の捻挫の治療において必要な情報がギッシリ詰まっているので、できれば一から順々にお読みいただき、難しければ、目次を見ながら興味あるところを「つまみ読み」してみてください。
中心のテーマは足首の痛みが治らないということで、「慢性の足首の痛み」ということになりますが、その中でも、捻挫や骨折などの外傷後に足首の痛みが治らないという状態を想定して解説していきます。
足首の痛みには、痛風やリウマチ、筋肉の付着部炎・・・などなど他にも慢性痛の原因に成るモノがありますが、それは別の機会に解説できればと思います。
それでもきっと、多くの足首の痛みで悩む方にとってヒントになる内容ではないかと思います。
実際、僕は足首の慢性的な障害についてのご質問もよくいただきます。
足首の捻挫は多くのスポーツにおいて圧倒的に頻度が高い怪我ですし、歩いているだけでも捻挫してしまうことはありますよね。
また、骨折も比較的起こしやすいのが足首の特徴です。
これらの急性傷害ののちに、治りが不十分で、後遺症として慢性的な痛みや機能障害(動きの悪さ、不安定性など)が起こることが少なくありません。
これはなかなか難しい問題で克服するのには時間がかかります。
まず足首の慢性障害とか、後遺症という漠然とした印象で捉えず、実際に何が中で起こっているのかをはっきりさせる必要がありますので、そういったお話から入ります。
こんにちは、整形外科医でスポーツメディカルコーチの歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。
それではいきましょう!
足首捻挫の基本
靱帯は関節が外れないように支えてくれているスジ
足首に限らず 靱帯(じんたい)の主な役割は
関節が外れないように、 グラグラしないように 想定外の方向や範囲の動きをストップしてくれる そんな支えとなっているスジ
と言っていいと思います。
それに対して、 筋肉は自ら収縮して、 関節を動かすことができるスジで
腱は、その筋肉の先端、 骨にくっつくところのカタいスジ (=筋肉の一部)
と言えます。
足首の大切な靱帯を紹介
それではそんな靱帯の中で、
足首における大切な靱帯を
覚えてしまいましょう。
この足首の靱帯は 外側と内側の靱帯が特に重要で、 足首の捻りの動きに対して 適度にブロックしてサポートしています。
外側の靱帯は3+1
足首の外側の靱帯は3+1個が 重要と覚えます。
3というのは、 腓骨(ひこつ)の先端である外果(がいか) (=そとくるぶし) にくっつく3つの靱帯のことで、
- 前にくっつく前距腓靱帯(ぜんきょひじんたい)
- 下にくっつく踵腓靱帯(しょうひじんたい)
- 脛骨との間の脛腓靱帯(けいひじんたい)
の3種類です。
さらに、もう少し前の、 足の甲に近いところを走るのが +1になる
二分靱帯(にぶんじんたい)
です。
この4つを覚えておけば十分でしょう。
内側の靱帯は1つ
それに対して、内側の靱帯は 1つ覚えておけば大丈夫です。
それは三角靱帯(さんかくじんたい) といって、
うちくるぶしである 脛骨先端の内果にくっつきます。
足首の靱帯損傷と捻挫の関係
そんな足首の靱帯が 部分的に、もしくは完全に切れてしまう
これを靱帯損傷と言うわけですが、
この靱帯損傷と捻挫は どう違うのでしょうか?
捻挫とは受傷のメカニズムを中心とした用語
捻挫というのは、 どこが傷んだか?ということを 表したのでなく、
関節がどうなったか?
ということを表します。
シンプルに言うと、
関節が 方向 もしくは 範囲的に 想定外に動かされてしまったことで起こる外傷
と言えます。
捻挫≒靱帯損傷
そう考えると、
捻挫が起こったときに 損傷するのは多くは靱帯である
ということが言えるでしょう。
最初に述べた 靱帯の定義からすれば、
「捻挫しないように支えているのが靱帯」 ですから、
捻挫してしまったら、その支えは 傷んでいる と考えるのが自然です。
ということで、 捻挫≒靱帯損傷という認識でも 大きな間違いではありません。
さらに、よく言われるのは「靭帯が伸びる」という表現ですね。
この「靭帯が伸びる」というのは捻挫や靭帯損傷とどう違うのか?ということから
深掘りしていきます。
足首の靭帯が伸びるとは?
「足首の靭帯が伸びる」と言ったときに、実際に、靭帯がびよーんと伸びているのか?
というと、
そんなゴムみたいな組織ではありません。
実際には最低でも部分断裂が起こっている
この足首の靭帯はおさらいしたように、外側と内側にくっついていて、足首が捻られる動きの時に、靭帯がピーンと張って、脱臼しないように踏ん張ってくれています。
しかし、強い力にはそれも耐えきれず、 いわゆる「捻挫」を起こしてしまいます。
これは靭帯でカバーできる力を越えたときに、一部、靭帯が切れてしまっている。要は部分損傷が起こっています。
時に重症なケースでは靭帯の完全断裂にまで至っていることがあります。
部分断裂が治っても元通りではない≒伸びる
部分断裂にしても、完全断裂にしても靭帯には自己修復能力(自然治癒力)があります。
その結果、靭帯が切れっぱなしで、関節がグラグラという状態にはならずに治ってくれるわけですが、
それでも、完全に元通りというのは難しいわけです。
もともと靭帯というのはキレイで多少の柔軟性とそう簡単には切れない強さを持っているわけですが、
損傷してしまったあとは、その損傷部はすこしいびつな線維である「瘢痕(はんこん)」と呼ばれるもので置き換わります。
この「瘢痕」はもとの靭帯よりも少し柔軟性も強さも劣ります。
そして、損傷の大きさによっては、
もとの靭帯+損傷部の置き換わった瘢痕
の長さが
もともとの靭帯の長さより長くなっていることが多いです。
そうです。これが「靭帯が伸びる」と表現される正体と言っていいかもしれません。
靭帯が伸びると切れるの違い
ここまでを整理いたしますと、
捻挫によって靭帯は多少なりとも「切れる」
その「切れた」部分は自己治癒力によって治るが完全ではなく、
弱くカタい瘢痕によって埋まる。
そして、その結果、靭帯+瘢痕の長さがもとの靭帯より長くなる
それを「伸びる」と表現する。
つまり、捻挫によって靭帯が切れた結果、伸びて治る
というのが正確な捉え方だと思います。
足首の靭帯が伸びたときの治療法と完治期間
この足首の靭帯が伸びたときの治療法と完治期間について、気になるところだと思いますので、解説いたします。
足首の靱帯が伸びたときの治療法
足首の靱帯損傷には 重症度や経過によって 治療法は変わってきます。
そういう意味ではこの治療法は 最も一般的かつ理想に近い治療経過のひとつと思っっていただければと思います。
一般的な治療法は次の3ステップです。
1.しっかり診断と重症度を判定
まずはどこの靱帯をどのくらい傷めてしまったのか?
はたまた、骨は大丈夫なのか? 軟骨は大丈夫なのか?
また治療の経過として、 痛みや腫れの改善具合はどうなのか?
現状を正確に把握できないのに、 いい治療なんてできませんから、
非常に重要なステップです。
2.挙上+圧迫+安定化+ゆっくり底背屈運動
次に急性期治療といって、
治療の最初のステップですね。
受傷直後の応急処置から 1−2週間くらいの治療です。
まずは応急処置の基本であるRICEです。
知らない人がかなり少なくなってきた かなり有名なものですが、
それでもまだ議論があります。
こちらの動画で解説しておりますので、 ご参考になれば幸いです。
https://youtu.be/BC1H2jOUKAA
特に大事なのは
挙上:できるだけ高く挙げること
これは心臓との高低差が大切です。
心臓より高くすることで、 足首に炎症の結果たまった水分を 心臓に戻しましょう。
というイメージです。
圧迫
圧迫することで、 これも溜まった水分を追い出す というイメージです。
このRICEをしないと、 足首の靱帯損傷後の炎症の結果、 どんどん足首が腫れて、むくんで、 血の巡りが悪くなって、 治りが悪くなってしまいます。
安定化
次に足首を安定化させるということです。
RICEの中に Rest:安静というのがあります。
これは
Fix:固定 ではないということがポイントです。
固定はせずに安静を保つ
つまり、足首は動かしてもいいが、 過度な負荷は避ける
ということで、
足首を安定化させるサポーターや テーピングを行うことがオススメです。
足首を固定することもある
とはいえ、靱帯損傷が重症な場合はギプスやシーネなどを使って、足首を短期間(1-2週間)固定することがあります。
その方が、徹底安静となり、腫れや痛みの改善に望ましいケースがあります。
ゆっくり底背屈運動
足首はある程度動かすことが 靱帯の修復には有利に働くので、
ある程度動かしたいわけですが、
特に初期から動かしたいのは
底背屈、 つまり、つま先の上下運動です。
これをゆっくりでも初期から 少しずつ開始することで 以下の効果を狙います。
- 腫れやむくみを減らす
- 関節がカタくならないようにする
- 靱帯に適度なストレスがかかり修復に有利になる
3.再発予防のリハビリ
そして、急性期を過ぎて、 痛みや腫れが引いてきたら、
さらにリハビリの種目や強度を増やしていきます。
足首を内外にも動かしていきますし、 筋力もどんどん鍛えていきます。
足首の靱帯が伸びたときの完治期間
この足首の靱帯の治癒は 3つの段階、ステージを上っていきます。
炎症ステージ
受傷直後から1週間前後です。
これを僕は炎症ステージと 呼んでいますが、
受傷直後に 靱帯やその周りから 出血が起こり、
腫れていきます。
そして、大急ぎで 身体が治そうと炎症性物質を 足首に運んできて、
さらに腫れていきます。
修復ステージ
そして、1週間くらいから2–3週の間に、 靱帯が修復されて、 炎症が落ち着いてきます。
痛みもそれにともなって かなり改善してきます。
しかし、まだ完全な修復ではないので、 足首に過度な負荷、ストレスがかかると 痛みがでて、
また炎症ステージに戻ってしまうことも ありますので、
負荷のコントロールが大切です。
復帰ステージ
そして、足首捻挫の再発予防や パフォーマンス発揮に向けて
リハビリ、トレーニングをやっていく 復帰ステージです。
ここでは靱帯の修復は ある程度完了していて、
その周りの筋肉の強さや 関節の柔らかさ、 関節周りの神経のセンサー感度
これらを向上させていくステージです。
これが2−3週以降から始まります。 4−8週でスポーツ復帰を目指すのが一般的です。
足首の靱帯断裂(完全断裂)の症状
伸びたという程度より重症の、足首の完全断裂の症状ですが、
部分断裂に比べれば、
- 痛み
- 腫れ
- 内出血
などが強くなる傾向があります。
また靱帯の役割を考えると、 完全断裂では
足首の関節自体が不安定になります。
これは特に捻りの動きに弱く その不安定性によって、
運動中や運動後の痛みや腫れに繋がったり、 捻挫を頻繁に起こしてしまったりします。
いくつ靱帯が切れているか?
ただ、完全断裂でも どこまで不安定性がでるかは ケースバイケースです。
1つの要素は
いくつの靱帯が完全断裂しているか? ということです。
外側の靱帯であれば、
- 前距腓靱帯
- 踵腓靱帯
- 後距腓靱帯
- 脛腓靱帯
- 二分靱帯
など多くの靱帯があって、 このうち、1つだけ切れている という状態では、
大きな不安定性は出現しないこともあります。
そういう意味で、 完全断裂でもどの靱帯がどれだけ切れているか?
という点も重要と言えます。
足首の靱帯断裂で手術が必要なケース
足首の靱帯には 自己修復能力があります。
つまり、 捻挫≒靱帯損傷≠手術しないと治らない
ということです。
靱帯損傷も自然と修復される
ということが期待できるわけですが、
それが期待できないこともあります。
それは一般に修復される期間である 受傷後1ヶ月以降に、 足首の不安定性が残ってしまう
つまり、靱帯が治っていないから 足首がグラグラするという状態
これが手術が必要なケースです。
足首の靱帯を縫合する【亜急性期治療】
まずシンプルに 切れてしまった靱帯を縫ってしまおう
ということを考えますよね。
骨から剥がれるように切れることが多く、 アンカーという骨に埋め込むスクリューで 縫う糸を固定します。
最近はアンカーも発達してきていて、 縫い目を作らずに 靱帯に通した糸を固定してしまう というものもあります。
関節鏡下靱帯修復術
僕自身、肩の専門でもあるので、 関節鏡という内視鏡は使い慣れていますが、
この関節鏡のスキルはどんどん発達し、 今では関節の外でも 内視鏡で手術ができます。
この足首の靱帯の手術も、 細めの内視鏡を使って手術をする人が 増えてきています。
メリットは
- 傷が小さいこと
- 術後の痛みが少ない
- 早期に動かせる
- 復帰が早い
ということが期待されています。
足首の靱帯を作り直す【慢性期治療】
靱帯を縫合するには 切れてしまった靱帯の状態が大切です。
あまりに時間が経ちすぎて、 靱帯の線維が縫えるレベルでないような バサバサ状態だったり、 カチカチ状態だったりすると、 この方法はとれません。
そんなときは
靱帯再建術
という方法がとられます。
「再建」とは作り直す ということです。
いろんな方法がありますが、 主流は似たような組織、 例えば、膝の腱という筋肉の先端部分を 足首に移植してしまう
という方法ですね。
当然、こちらのほうが大きな手術になりますが、 残っている靱帯の状況にかかわらず 手術が可能ですので、
慢性的に足首が不安定で 痛みが残ってしまう、
あまりに頻繁に捻挫してしまう
なんてときに、 様々なリハビリと組み合わせて、 この手術を行うことがあります。
足首の靱帯損傷の受傷メカニズム
足首の靱帯損傷が起こるのは、主に
足首が捻られてしまったとき
になります。
最多は内がえし捻挫
特に内がえしという、 足の裏が身体の内側を向いて、 つま先も内側に持っていかれる、
多くの人が想像する 「足をくじいた」状態
これが最も多い 内がえし捻挫です。
外がえしより内がえしのほうが、 足首の構造上起こりやすいからです。
足首の痛みが治らない 慢性痛の2大原因
こういった捻挫などの外傷後に
足首の痛みが治らない、つまり慢性痛の原因として、
ここでは不安定症と変形性関節症について解説したいと思います。 要は捻挫などのあとで足首がグラグラ不安定になってしまったか、軟骨がすり減ってしまったかということですね。
靭帯損傷(捻挫)の結果のグラグラ足首:不安定症
捻挫というのは靭帯損傷が大なり小なり起こっているわけですが、特にその損傷が大きい場合は、関節が不安定になってしまいます。
グラグラしてしまうわけですね。
これはちょっとしたことで捻挫を繰り返してしまうという症状か、足首に負担がかかる動きで支えがきかず、痛みが出てしまうなどの症状が出ます。
これはひとことで言うと、「踏ん張りがきかない」というような状態です。
足首の軟骨のすり減り:変形性関節症
それに対して、軟骨のすり減りは、さらに重症度が高いといえます。
靭帯損傷後、グラグラしたままスポーツを続ければ、軟骨がだんだんすり減ります。
もしくは、捻挫と思ったら、実際は軟骨損傷だったなんてこともあります。
軟骨がすり減れば、体重がかかる部分であれば、それだけで痛いですし、激しい動きであればすり減った軟骨部分は動きがなめらかでないので、やはり痛みが走ります。
そして、だんだん、関節を守ろうと、骨棘(こつきょく)という骨が増殖してきて、足首の動きは小さくなります。
つまり、カタくなります。
足首の痛みが治らない2大原因の治療法
このグラグラ足首(不安定症)とすり減り軟骨(変形性関節症)に対する治療法をまとめます。
グラグラ足首の治療法
靭帯損傷後、足首が不安定になっている状態ですから、
なんとか安定化を図りたいわけですね。
しかし、時間が経過し、靭帯の自然修復はもう期待できない、
そして、筋肉と違って靭帯は鍛えることもできない
となると、
手術で靭帯を再建するか、 間接的に安定化をはかるか
ということになります。
手術:靭帯を縫うか、移植するか
手術は縫えそうなら靭帯を縫合し、難しければ他の正常な腱などを損傷した靭帯の代わりに移植するということをやります。
ただ、基本はリハビリなど手術以外の方法を十分に試して、その次の手段とするのが一般的です。
リハビリ:周りから安定化
足首が不安定な状態で負担がかかるのは、身体全体が不安定なときです。身体が不安定でれば、地面から距離が近い足首は余計に影響を受けます。
ですから、体幹の安定性が大切であるということは当たり前の話なんですね。
ここで、体幹の安定性について少し整理ですが、
ここでいう体幹というのは別に腹筋、背筋だけではありません。もう少し拡げて解釈すべきと考えています。
それは下は股関節、上は肩甲骨までということです。
股関節の周囲の筋肉も十分使えて、また、バランスを整えるために肩甲骨もよく連動して動く
というところまで求めていかないと、足首の不安定性を間接的に安定化させるというところには至らないと思います。
体幹といったら、股関節から肩甲骨まで意識するということを心がけてみてください。
もう一つ、間接的な安定化といえば、足首周りの筋肉の強化です。
靭帯は鍛えられませんが、当然、筋肉は鍛えられます。足首の周りの筋肉がある程度緊張していれば、足首は安定します。
緊張のしすぎは柔らかい動きを阻害しますが、完全に筋肉が弛緩すると、足首の安定性は靭帯だけに頼った状態です。それではグラグラになりますから、ある程度のベースの力の入り具合は高めておく必要があります。
それには足首周りの最大筋力を高めることがいいと考えています。
「足首周りを常に緊張しておいてください」というのは、スポーツ選手に限らず受け入れがたいアドバイスです。「そりゃ無理だよ。」と言いたくなりますよね。
それよりも同じ10%の緊張状態でも100の筋力と150の筋力では、実際の足首の安定性が違います。
ですから、最大筋力を高めるということをひとつの課題にしてもらうといいと思います。
さらには、足首周りの関節の状態を脳に伝える神経センサーの働きも非常に重要になりますので、いわゆるバランスディスクなどを使ったバランストレーニングというのも効果が期待できます。
テーピングからのサポーター
サポーターや装具というのは、病院でも出してもらえますし、スポーツショップや薬局でも売っていますね。これはやっているスポーツにおいて、要求される足首の可動域との関連も考えて選ぶ必要があります。
そういう意味で究極のオーダーメイドな安定化装置としてはテーピングになります。まずはこのテーピングで自らに一番適した間接的安定化状態を把握することをおすすめします。
基本となるfigure 8のテーピングだけでかなり安定して、パフォーマンスが出せるのか?それとももっとガチガチに複数のテーピング手技を絡めて、固定性を高めないとキビシイのか?
それならどこまでかためてもパフォーマンスは出せるのか?
という視点で、まずテーピングにおける自分のベストを把握します。
ただ、テーピングはコスト面でも毎回貼り直さないといけないという利便性でもサポーターに比べるとかなり大変です。
ということで、ベストテーピングを見つけたら、それに近い機能をもつサポーターをトライしてみる。(後半でサポーターの詳しい解説があります)
というのがオススメです。
軟骨のすり減りの治療法
軟骨のすり減りに対する治療法はさらに難しいです。
手術:人工関節、関節固定手術
まず、すり減ってしまった軟骨は戻りません。軟骨再生は今の研究のトピックですが、まだ研究段階です。
そのため、直接、すり減った軟骨をどうにかしようと思えば、人工関節に置き換えてしまうという思い切った策を考えないといけないこともあります。もしくは、足首の関節を動かすことは諦めて、痛みを減らすことを目的に関節を固定して、くっつけてしまうということ(関節固定術)も時に行います。
手術:軟骨ドリリング、骨軟骨移植
しかし、傷んだ軟骨が一部で、さらに治癒能力の高い若年者であれば、再生や治癒を目指したチャレンジングな治療も行われます。
それは骨髄内の細胞を動員するために行う軟骨から骨へドリルで穴を複数箇所あける手術だったり、別の部位から軟骨や骨をとってきて、痛んだ場所に埋め込む骨軟骨移植というような手術法です。
グラグラもあれば、そちらの治療も効果的
また、先ほど述べた「グラグラ足首」が軟骨がすり減る原因であることも多いです。
グラグラするから、そのグラグラで軟骨がすり減ってしまうわけですね。
とすれば、グラグラ足首に対する治療が痛みを減らす可能性も十分ありますし、軟骨だけ治療してもグラグラが残れば、また痛くなるということも言えます。
インソールなどで体重のかかり方を調整
軟骨のすり減りや傷んでいる部位が、内側とか外側とか、足首の一部に偏っているようなら、そちらに対する体重のかかり具合を減らすようなインソールの使用が効果を示すことがあります。
これは主に膝の変形性関節症において使われるウェッジ型インソールというものですが、微妙な調整で足首に対して効果を期待してインソールを作ることもあります。
またインソールや靴が足首の安定性に寄与するのは間違いありませんので、そういう意味でも重要な要素と言えます。
このようになかなか治らない慢性的な足首の捻挫に至らないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?
言うまでもなく、一番大事なのは初期対応です。
「足首を捻ってしまった、捻挫してしまった」
というときに、病院には行った方がいいのか、捻挫くらいでは受診なんてする必要がないのか?
ということ、判断基準って難しいですよね。
実際はどんなに軽症でも受診してもらって、怒るような医師はほとんどないはずですから、
気にせず受診してくださいというのが実際のところですが、
自分の都合もある中で、時間をとって受診するか迷うこともあると思います。
そんなときには足首捻挫の後遺症の知識や時に骨折していることもある
なんということを理解しておくと、シンプルに考えられるようになります。
足首捻挫で病院受診するかの判断基準を解説
まず結論からお話しします。
病院を受診した方がいい足首の捻挫は
- 大きく腫れている
- 体重をかけたときの痛みが強い
- 足首(つま先)を上下に動かす(底背屈)と痛い
というケースです。
もう一つ加えるとすれば、
- 数日で痛みが軽くならないケースや数週間、弱めの症状でも続いてしまうケース
これも経過が良くないので注意が必要ですね。
これらのケースは重症の靱帯損傷だったり、時に骨折すら隠されているかもしれない症状です。
足首の骨折の多くは捻挫と同じ「くじいた」形で起こる
足首の骨折の多くは 捻挫と同じように
足首をくじいた形で起こります。
その「くじいた」結果、 靱帯が損傷すれば足首捻挫となりますし、
靱帯ではなく、 もしくは靱帯プラス 骨まで折れてしまえば足首の骨折となるわけです。
つまり、くじいた=捻挫で 骨は問題ないなんてことはないわけです。
足首捻挫と足首骨折の判別方法
それでは足首捻挫と骨折を どうしたら判別できるのか?
ということです。
最初に、極論的結論ですが、
レントゲンやMRIなど画像検査じゃないとわからない
ということです。
ですから、一度は受診して診察を受けていただく。 ということが大切なわけです。
われわれが画像以外で どこで捻挫と脱臼を判別しているか というと、
多くの症状は骨折のほうが強い・・・が
やはり骨折のほうが、 靱帯損傷よりも症状が強い・・・
その傾向があります。
その症状とは
- 痛み
- 腫れ
- 内出血
というのがメインで、
特に骨折の場合は歩くこともできない ということが多いです。
ただ、重症の靱帯損傷でも 同じ強い症状を呈することがありますし、
逆にわずかな「ひび」程度の骨折では そこまで強い症状でないこともあります。
圧痛点も1つの目安に過ぎない
また、我々が重視する1つに
「圧痛点」というものがあります。
これはどこを押すと痛いのか?
ということで、
靱帯損傷であれば靱帯を押せば痛い 骨折であれば骨を押せば痛い
とシンプルに考えることができます。
ただ、靱帯損傷も 骨にくっつくところから剥がれるような 靱帯損傷であれば、
結局、圧痛点は骨にあります。
一度は病院やクリニックを受診する大切さ
ということで一般的な 判断材料を解説しつつ、
結局、身体の所見、症状だけでは 完全には判別できないことを お伝えすることになりましたが、
それだけ念のため 受診していただくことが大切
ということですね。
例えば、小さなヒビ程度の骨折があって、 捻挫と思い込んで、病院も受診しなかったとします。
1−2週間後くらいに
「あれ?だんだん痛みが強くなってきたな!?」
と病院を受診したら、
レントゲンで骨折があって、
それも、この1−2週間の間に 骨折部位のずれが進行してしまっていて、
手術が必要な状態になっている。
なんてことは避けたいわけですね。
特に要注意なのが「こども」です。
子どもはよく走り、よく転びます。
捻挫なんてしょっちゅうですよね。
だからこそ、足首の捻挫を甘く見がちなんですが、
特に子どもの捻挫は要注意だと思ってください。
その理由は
- 多くの人が想定している以上に骨折している可能性が高いこと
- 捻挫がクセになりやすいこと
- 結果として将来的に困った症状を残しかねないこと
この3点が挙げられます。
子どもの足首捻挫は注意が必要な理由
まずはそれぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
1.子どもの捻挫は骨折している可能性が高い
子どもの捻挫は骨折の可能性が高いです。
実は足首に限らず、あらゆる関節で言えることなんです。
通常、捻挫というのは靭帯が損傷します。
関節に無理な力がかかり、関節が異常に動いて、捻られたときに、
それを防いでいる靭帯が切れてしまうんですね。
しかし、子どもの靭帯は非常に柔軟で強いので、
なかなか切れないんです。
それに対して、ご存じの通り、骨はまだまだ未熟。
ですから、靭帯が切れない代わりに、その靭帯が付着している骨が剥がれてしまう。
いわゆる、剥離骨折(裂離骨折)が起こりやすいのが子どもの大きな特徴なんです。
ですから、甘く見ずに、整形外科を受診してレントゲンをチェックしてもらいましょう。
子どもの足首捻挫のレントゲンはこの2点がポイント
こどもの足首の捻挫を診てもらいに整形外科を受診しても、
レントゲンを注意深く診てもらわないと、
小さい骨折は見逃されます。
それを防ぐために、僕は
- 左右を比較するために両側の足首のレントゲンを撮る
- ATFLビューという靭帯の付着部がよく見える特殊な撮像方法で撮る
この2点が大切だと考えています。
2.子どもの捻挫はクセになりやすい
子どもの捻挫はクセになりやすいというのは、
主に適切な治療がなされなかった場合の話です。
例えば、1番の骨折が意外と多いということから、実際にはあった骨折を見逃してしまうと、
結果として、骨折がくっつかず、足首の安定性が低下してしまうことがあります。
また、子どもはどうしても遊びたがりで、
ちょっとでも痛みが良くなると、もう治ったと思い込んで無理してしまう。
そんな傾向があります。
しっかりと治療しないと、捻挫というのは関節の安定性を損なってしまいます。
注意していただけばと思います。
3.将来の後遺症になりかねない
骨折の放置や適切じゃない足首の治療の結果、
将来にまで及ぶ困った症状を残すことがあります。
一番多いのは、先ほども述べた、足首の安定性が損なわれることです。
結果としては捻挫がクセになってしまうことや、
踏ん張りが利かない状態になってしまうことなどがあります。
さらには、捻挫を繰り返したり、骨折が見落とされていた場合などでは、
だんだんと足首の関節軟骨がすり減ってきてしまう、
いわゆる変形性関節症になってしまうことがあります。
足首捻挫の注意すべき後遺症とその対策
もし骨折はなかったとしても、重症の捻挫であれば、後遺症が残って、悩まされてしまうことがあります。
そのため、次に足首捻挫において注意すべき後遺症について解説していきます。
大きくわけると
- 足首がカタくなる
- 痛みが残る
- 捻挫がクセになる
ということになると思います。
それぞれについてお伝えします。
足首がカタくなる
足首捻挫後に足首がカタくなる というのは、
ある意味「生体防御反応」と言えます。
もう、変にくじいたりしないように 足首の動きを制限してしまえ
ということですね。
ただ、それでは当然、 スポーツ活動はおろか、 程度によっては日常生活にも支障が出かねません。
カタくなる原因は
捻挫自体が、足首の関節(足関節)が 異常な動きをした結果ですから、
靱帯はもちろんのこと、 足首の関節を包む関節包(かんせつほう) というものも 多少なりとも損傷しています。
その結果、生体反応としては、 それらの損傷部位が治る過程で、 カタく、分厚くなる
ということがあります。
それを適度ないいカタさで 修復させるには、
ある程度、足首を動かしていた方がいい
と考えられています。
もちろん、損傷の程度が強かったり、 骨折を伴っていた場合に
足首を固定することは避けられませんが
損傷の程度によっては、 早めに動かしはじめる
ということも選択肢になりますし、 固定した後でも、 しっかりリハビリすることで 後遺症と言えるほどのカタさを 防ぐことも期待できます。
痛みが残る
次に足首の痛みが残ってしまう
という後遺症です。
足首の捻挫の結果おきた 靱帯損傷などは
だいたい3−4週間のうちに 修復されて、 痛みもひいてくるはずですが、
それでも痛みが残ってしまう場合には、 その原因となり得るものが 他に隠れていないか探す必要があります。
例えば、 MRIを撮ってみるとわかるのが 足首の軟骨損傷(なんこつそんしょう)や 骨挫傷(こつざしょうい)という骨の骨折までは至ってない損傷です。
また、足首の靱帯の修復がイマイチで、 不安定な状態なので、 長く歩いたりスポーツしたりした後に痛くなる
というような足関節不安定症
また、足根洞という 足首深くのスペースにある靱帯損傷と その炎症が残ってしまう 足根洞症候群
また、長期的な意味では 軟骨がだんだんすりへってしまう 変形性関節症
こういったものの可能性を考えていく必要があります。
捻挫がクセになる
最後にこれが最も多いと思われる、
捻挫がクセになってしまう
ということです。
この原因は主に3つあって、
- 回復した靱帯の強さが足りない
- 足首の位置感覚が低下している
- もともとフィジカル的に捻挫しやすい
というようなことが考えられます。
回復した靱帯の強さが足りない
回復後の靱帯の強さは どうしても100%というのは難しいです。
ただ、それを100%に近づけるために 適度な足首の動きと 逆に過度な負荷を避ける
ということの徹底が必要なわけですね。
足首の位置感覚が低下している
また、靱帯損傷とともに 足首の感覚センサーが損傷して、
その後の感覚が落ちている
つまり、「足首を捻りそう!」っていう 信号が、脳に伝わりにくい
という状況がクセになる原因の1つ
と考えられています。
これについても 足首のリハビリで、 足首に意識を集中することで センサーの感度を高める必要があります。
もともとフィジカル的に捻挫しやすい
また、股関節や体幹の弱さや、 姿勢や動作のバランス不良などがあれば、 足首の捻挫もしやすい状況ですから、
全身をみていく必要もあるわけですね。
ここで、これまで何度か、その重要性をお伝えしているリハビリとサポーターについてまとめておきます。
特に足首捻挫のリハビリテーションのポイントとして、 自宅でもできる訓練について、 動画も含めてご紹介いたします。
そこで安全かつ、有効にリハビリを行うためのサポーターの使い方についても解説します。
やり方のみならず、 なぜこの訓練が必要なのか?
ということを理解しながら 訓練することが大切です。
足首捻挫のリハビリ目標・ゴール
足首捻挫のリハビリの目標やゴールは、
大きく言えば、 スポーツ選手ならパフォーマンスを向上して復帰
と言えます。
足首について言えば、
最低限、足首の動きを良好にして それはすなわち、
可動域(動く範囲)と 筋力を改善する
めざすは捻挫前以上!
ということと、
捻挫の再発を防ぐこと
足首周りの感覚を高めて 結果、パフォーマンスまで上げる
というのが一般的なゴールと言えます。
足首捻挫のリハビリテーションポイント
そういった目標、ゴールを念頭に置いて、 足首捻挫のリハビリテーションポイントを解説します。
上下運動の可動域訓練【底背屈】
まず基本中の基本、 底背屈です。
可動域訓練(かどういきくんれん)とは そのままの意味で、
動かせる(可動) 範囲(域)を 広げるように訓練する
ということです。
これはつま先を上に上げる背屈と つま先を下に下げる底屈(つま先立ちのような)
この上下運動の幅を広げていきます。
特に背屈がカタくなりやすく、
そうなると捻挫がクセになりやすいので 背屈の可動域訓練を重点的に行います。
逆に底屈の訓練は
足首の靱帯に負荷をかけやすいので、
痛みがない範囲でやるということを特に初期は徹底しましょう。
上下運動の筋力訓練【底背屈】
次に、この底背屈運動の 筋力訓練です。
可動域訓練で 動かせる範囲が広がっても
日常生活での体重負荷、 またスポーツにおける多方向の強い負荷に 耐えうるだけの筋力がないと、
足首が不安定になります。
[ad#ad-2]この筋力も特に 背屈の筋力から重点的に鍛えていく という順番は変わりません。
この動画のように
チューブを使うのが一般的ですが、
もう少し戻すときの動きをゆっくりとするほうが
筋肉にはききます。
パフォーマンスに結びつきやすいのは
蹴る力である底屈力ですが、
バランスを重視しながら 強くならないと
パフォーマンスを上げようとするあまり、 ケガを繰り返し、 結果、パフォーマンスを下がるということに なりかねません。
そういう意味で、 まずは背屈筋力訓練で足首の安定性を高める ということを重点的に行います。
左右の可動域・筋力訓練【回内外】
足首は上下だけでなく、 左右にも動きます。
これはある意味、くじいてしまう 動きの1つではあるので、
捻挫後すぐには行いません。
ただ、靱帯が修復されるに従って、 徐々に入れてくるリハビリです。
なぜなら、 足首は正常の歩行ですら、 多少の左右への動きを伴いながら動いていきます。
完全に直線的に つま先をあげて、踵が地面について、 そして、つま先で地面を蹴って という単純な動きではないということですね。
また、スポーツ動作になれば 横方向の動きが必須ですので、
より足首の横方向の動きが大切になってきます。
足首の内がえしによる 外側の靱帯損傷という 最も一般的な捻挫の場合
足首を外側に動かす 回内 (外側に動かすのに回内?と混乱しますが、手首と同じです)
この動きの筋力訓練は早めに開始していいと思います。
この動きの中心は 腓骨筋という筋肉です。
特にこのトレーニングの時は 大きく足首を動かすと言うよりは 抵抗に耐えるような(等尺性収縮)トレーニングから 開始することがいいと思います。
こちらの動画のように
徒手的に抵抗をあたえるようなトレーニングです。
腓骨筋を指さしていますが、
その腓骨筋が収縮していますね。
足底筋と感覚トレーニング【タオルギャザー】
最後に 足の裏の感覚と、 地面を足趾(あしのゆび)でつかむ筋肉
このトレーニングの代表である タオルギャザーをご紹介します。
https://youtu.be/guzHbQ_qjwc
こちらについては この動画で詳しく解説しておりますので、 ご参照ください。
足首捻挫の治療におけるサポーターの役割と使い方
使い方、役割を一言でいえば、
足首を安定化させる
ということになります。
それに対して、ギプスやシーネ(添え木、副木)というものは
足首を不動化させる
ということが役割、意味になります。
この違いをまずは明確にしておきましょう。
つまり、サポーターは足首は動かせはするんですね。でも、捻挫するようなひねり方をしないようにしたり、そこまででなくても、できるだけ制限したい動きを制限するというのがサポーターです。
それに対して、ギプスやシーネは外固定と言いますが、足首が動かせない状態にすることが役割です。
軽症から中等症では最初からサポーター
足首の捻挫の重症なものや、剥離骨折などがある場合には、
まず外固定としてギプスやシーネを使うことがあります。
しかし、多くの捻挫では靭帯が部分的に損傷しており、この靭帯の修復を促すには、
適度に動かしていることがいいと言われています。
その場合はギプスなどはやりすぎになるわけですが、
でも、靭帯は損傷して、足首の安定性は低い状態で動かしていくことは
リスクがあるんですね。
捻挫を再発してしまうこともあるかもしれませんし、
そこまででなくても、グラグラの足首で歩いているうちに、損傷が強まってしまう・・・
なんてことは避けたいわけです。
その場合におすすめのがサポーターということになります。
足首のグラグラ具合でサポーターは使い分けるといいですね。
ソフトサポートタイプ:足首の動きを邪魔しないが、安定性サポートは少なめ
ソフトサポートタイプは足首を安定化させる効果が少ないぶん、足首の多様な動きの邪魔をしないというメリットがあります。
より軽症だったり、リハビリが進んだ場合に使いやすいタイプと言えます。
中間タイプはバランスが取れている
中間タイプは、そのまんま、ソフトサポートタイプとハードサポートタイプの間の特徴ですね。何か一つを購入しようとしたときに、迷ったら、これでイイでしょう。
ハードサポートタイプは安定性サポートは高いが、足首の動きは制限される
ハードサポートタイプは足首の捻挫を繰り返している選手や、重症の靭帯損傷後などで使うといいと思います。足首の動きの制限は他のサポーターより強いので、装着して動いてみて、パフォーマンスへの影響を判断しましょう。
足首の底屈・背屈訓練の最初はサポーターを利用するといい
リハビリの過程で、まず足首を底屈、背屈する訓練が基本と言いました。
多くのサポーターはこの底屈と背屈はあまり制限しません。特に重要な背屈は制限しないので、
初期は特にサポーターを使用しながら背屈と底屈訓練をすると安心でしょう。
安心というのは効果にも現れます。
どうしても、何もなしでリハビリをすると、
「こんなに動かして大丈夫なんだろうか・・・」
と不安になり、過度にブレーキを掛けてしまいがちです。
それをサポーターの安心感のもと、積極的にリハビリを進めることができれば、
回復も早まる期待が持てます。
歩いたり、運動するときも最初の数週間はサポーターを利用すべき
歩いたり、運動するときは特にサポーターが重要です。
再び捻挫してしまうということは当然避けたいですし、
十分な足首の安定性がない中で歩いたり、運動すると、知らぬうちに靭帯に負荷がかかっていることがあります。
ですから、しばらくはサポーターの力も借りて、
安定性がある中で動くことを推奨しています。
まとめ
今回は足首の痛みが治らない慢性痛の2大原因とその対策について解説いたしました。
そのために必要な捻挫、靭帯における基本知識やリハビリなども詳しく解説しておりますので、時に読み返しながら治療を進めていっていただければと思います。
少しでも参考になりましたら幸いです。
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