足首捻挫

足首捻挫の痛み/腫れが治らない2大原因と治療法

更新日:

足首の痛みが治らないときの大きな原因として2つご紹介し、それに対する治療法を解説いたします。

今回は足首の痛みが治らないということで、「慢性の足首の痛み」ということになりますが、その中でも、捻挫や骨折などの外傷後に足首の痛みが治らないという状態を想定して解説していきます。

 

足首の痛みには、痛風やリウマチ、筋肉の付着部炎・・・などなど他にも慢性痛の原因に成るモノがありますが、それは別の機会に解説できればと思います。

それでもきっと、多くの足首の痛みで悩む方にとってヒントになる内容ではないかと思います。

実際、僕は足首の慢性的な障害についてのご質問もよくいただきます。

足首の捻挫は多くのスポーツにおいて圧倒的に頻度が高い怪我ですし、歩いているだけでも捻挫してしまうことはありますよね。

また、骨折も比較的起こしやすいのが足首の特徴です。

 

これらの急性傷害ののちに、治りが不十分で、後遺症として慢性的な痛みや機能障害(動きの悪さ、不安定性など)が起こることが少なくありません。

これはなかなか難しい問題で克服するのには時間がかかります。

まず足首の慢性障害とか、後遺症という漠然とした印象で捉えず、実際に何が中で起こっているのかをはっきりさせる必要がありますので、そういったお話から入ります。

 

こんにちは、整形外科医でスポーツメディカルコーチの歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

 

 

足首捻挫の基本

靱帯は関節が外れないように支えてくれているスジ

足首に限らず 靱帯(じんたい)の主な役割は

関節が外れないように、 グラグラしないように 想定外の方向や範囲の動きをストップしてくれる そんな支えとなっているスジ

と言っていいと思います。

それに対して、 筋肉自ら収縮して、 関節を動かすことができるスジ

は、その筋肉の先端、 骨にくっつくところのカタいスジ (=筋肉の一部)

と言えます。

足首の大切な靱帯を紹介

それではそんな靱帯の中で、 
足首における大切な靱帯を
覚えてしまいましょう。

この足首の靱帯は 外側と内側の靱帯が特に重要で、 足首の捻りの動きに対して 適度にブロックしてサポートしています。

外側の靱帯は3+1

足首の外側の靱帯は3+1個が 重要と覚えます。

画像引用元:プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第一版 医学書院

画像引用元:プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第一版 医学書院

3というのは、 腓骨(ひこつ)の先端である外果(がいか) (=そとくるぶし) にくっつく3つの靱帯のことで、

  • 前にくっつく前距腓靱帯(ぜんきょひじんたい)
  • 下にくっつく踵腓靱帯(しょうひじんたい)
  • 脛骨との間の脛腓靱帯(けいひじんたい)

の3種類です。

さらに、もう少し前の、 足の甲に近いところを走るのが +1になる

二分靱帯(にぶんじんたい)

です。

この4つを覚えておけば十分でしょう。

内側の靱帯は1つ

それに対して、内側の靱帯は 1つ覚えておけば大丈夫です。

それは三角靱帯(さんかくじんたい) といって、

うちくるぶしである 脛骨先端の内果にくっつきます。

画像引用元:スポーツ外傷・障害の理学診断・理学療法ガイド 第2版 文光堂

画像引用元:スポーツ外傷・障害の理学診断・理学療法ガイド 第2版 文光堂

足首の靱帯損傷と捻挫の関係

そんな足首の靱帯が 部分的に、もしくは完全に切れてしまう

これを靱帯損傷と言うわけですが、

この靱帯損傷と捻挫は どう違うのでしょうか?

捻挫とは受傷のメカニズムを中心とした用語

捻挫というのは、 どこが傷んだか?ということを 表したのでなく、

関節がどうなったか?

ということを表します。

シンプルに言うと、

関節が 方向 もしくは 範囲的に 想定外に動かされてしまったことで起こる外傷

と言えます。

捻挫≒靱帯損傷

そう考えると、

捻挫が起こったときに 損傷するのは多くは靱帯である

ということが言えるでしょう。

最初に述べた 靱帯の定義からすれば、

「捻挫しないように支えているのが靱帯」 ですから、

捻挫してしまったら、その支えは 傷んでいる と考えるのが自然です。

ということで、 捻挫≒靱帯損傷という認識でも 大きな間違いではありません。

足首の靱帯損傷の受傷メカニズム

 足首の靱帯損傷が起こるのは、主に

足首が捻られてしまったとき

になります。

最多は内がえし捻挫

特に内がえしという、 足の裏が身体の内側を向いて、 つま先も内側に持っていかれる、

多くの人が想像する 「足をくじいた」状態

画像引用元:スポーツ外傷・障害の理学診断・理学療法ガイド 第2版 文光堂

画像引用元:スポーツ外傷・障害の理学診断・理学療法ガイド 第2版 文光堂

これが最も多い 内がえし捻挫です。

外がえしより内がえしのほうが、 足首の構造上起こりやすいからです。

足首の痛みが治らない 慢性痛の2大原因

こういった捻挫などの外傷後に

足首の痛みが治らない、つまり慢性痛の原因として、

ここでは不安定症変形性関節症について解説したいと思います。 要は捻挫などのあとで足首がグラグラ不安定になってしまったか、軟骨がすり減ってしまったかということですね。

靭帯損傷(捻挫)の結果のグラグラ足首:不安定症

捻挫というのは靭帯損傷が大なり小なり起こっているわけですが、特にその損傷が大きい場合は、関節が不安定になってしまいます。

グラグラしてしまうわけですね。

これはちょっとしたことで捻挫を繰り返してしまうという症状か、足首に負担がかかる動きで支えがきかず、痛みが出てしまうなどの症状が出ます。

これはひとことで言うと、「踏ん張りがきかない」というような状態です。

足首の軟骨のすり減り:変形性関節症

それに対して、軟骨のすり減りは、さらに重症度が高いといえます。

靭帯損傷後、グラグラしたままスポーツを続ければ、軟骨がだんだんすり減ります。

もしくは、捻挫と思ったら、実際は軟骨損傷だったなんてこともあります。

軟骨がすり減れば、体重がかかる部分であれば、それだけで痛いですし、激しい動きであればすり減った軟骨部分は動きがなめらかでないので、やはり痛みが走ります。

そして、だんだん、関節を守ろうと、骨棘(こつきょく)という骨が増殖してきて、足首の動きは小さくなります。

つまり、カタくなります。

足首の痛みが治らない2大原因の治療法

このグラグラ足首(不安定症)とすり減り軟骨(変形性関節症)に対する治療法をまとめます。

グラグラ足首の治療法

靭帯損傷後、足首が不安定になっている状態ですから、

なんとか安定化を図りたいわけですね。

しかし、時間が経過し、靭帯の自然修復はもう期待できない、

そして、筋肉と違って靭帯は鍛えることもできない

となると、

 

手術で靭帯を再建するか、 間接的に安定化をはかるか

ということになります。

手術:靭帯を縫うか、移植するか

手術は縫えそうなら靭帯を縫合し、難しければ他の正常な腱などを損傷した靭帯の代わりに移植するということをやります。

ただ、基本はリハビリなど手術以外の方法を十分に試して、その次の手段とするのが一般的です。

リハビリ:周りから安定化

足首が不安定な状態で負担がかかるのは、身体全体が不安定なときです。身体が不安定でれば、地面から距離が近い足首は余計に影響を受けます。

ですから、体幹の安定性が大切であるということは当たり前の話なんですね。

 

 

ここで、体幹の安定性について少し整理ですが、

ここでいう体幹というのは別に腹筋、背筋だけではありません。もう少し拡げて解釈すべきと考えています。

それは下は股関節、上は肩甲骨までということです。

 

股関節の周囲の筋肉も十分使えて、また、バランスを整えるために肩甲骨もよく連動して動く

というところまで求めていかないと、足首の不安定性を間接的に安定化させるというところには至らないと思います。

 

体幹といったら、股関節から肩甲骨まで意識するということを心がけてみてください。

 

 

もう一つ、間接的な安定化といえば、足首周りの筋肉の強化です。

靭帯は鍛えられませんが、当然、筋肉は鍛えられます。足首の周りの筋肉がある程度緊張していれば、足首は安定します。

緊張のしすぎは柔らかい動きを阻害しますが、完全に筋肉が弛緩すると、足首の安定性は靭帯だけに頼った状態です。それではグラグラになりますから、ある程度のベースの力の入り具合は高めておく必要があります。

 

それには足首周りの最大筋力を高めることがいいと考えています。

「足首周りを常に緊張しておいてください」というのは、スポーツ選手に限らず受け入れがたいアドバイスです。「そりゃ無理だよ。」と言いたくなりますよね。

それよりも同じ10%の緊張状態でも100の筋力と150の筋力では、実際の足首の安定性が違います。

 

ですから、最大筋力を高めるということをひとつの課題にしてもらうといいと思います。

さらには、足首周りの関節の状態を脳に伝える神経センサーの働きも非常に重要になりますので、いわゆるバランスディスクなどを使ったバランストレーニングというのも効果が期待できます。

テーピングからのサポーター

サポーターや装具というのは、病院でも出してもらえますし、スポーツショップや薬局でも売っていますね。これはやっているスポーツにおいて、要求される足首の可動域との関連も考えて選ぶ必要があります。

そういう意味で究極のオーダーメイドな安定化装置としてはテーピングになります。まずはこのテーピングで自らに一番適した間接的安定化状態を把握することをおすすめします。

基本となるfigure 8のテーピングだけでかなり安定して、パフォーマンスが出せるのか?それとももっとガチガチに複数のテーピング手技を絡めて、固定性を高めないとキビシイのか?

それならどこまでかためてもパフォーマンスは出せるのか?

という視点で、まずテーピングにおける自分のベストを把握します。

ただ、テーピングはコスト面でも毎回貼り直さないといけないという利便性でもサポーターに比べるとかなり大変です。

ということで、ベストテーピングを見つけたら、それに近い機能をもつサポーターをトライしてみる。

というのがオススメです。

こちらの記事もご参照ください。

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軟骨のすり減りの治療法

軟骨のすり減りに対する治療法はさらに難しいです。

手術:人工関節、関節固定手術

まず、すり減ってしまった軟骨は戻りません。軟骨再生は今の研究のトピックですが、まだ研究段階です。

そのため、直接、すり減った軟骨をどうにかしようと思えば、人工関節に置き換えてしまうという思い切った策を考えないといけないこともあります。もしくは、足首の関節を動かすことは諦めて、痛みを減らすことを目的に関節を固定して、くっつけてしまうということ(関節固定術)も時に行います。

手術:軟骨ドリリング、骨軟骨移植

しかし、傷んだ軟骨が一部で、さらに治癒能力の高い若年者であれば、再生や治癒を目指したチャレンジングな治療も行われます。

それは骨髄内の細胞を動員するために行う軟骨から骨へドリルで穴を複数箇所あける手術だったり、別の部位から軟骨や骨をとってきて、痛んだ場所に埋め込む骨軟骨移植というような手術法です。

グラグラもあれば、そちらの治療も効果的

また、先ほど述べた「グラグラ足首」軟骨がすり減る原因であることも多いです。

グラグラするから、そのグラグラで軟骨がすり減ってしまうわけですね。

とすれば、グラグラ足首に対する治療が痛みを減らす可能性も十分ありますし、軟骨だけ治療してもグラグラが残れば、また痛くなるということも言えます。

インソールなどで体重のかかり方を調整

軟骨のすり減りや傷んでいる部位が、内側とか外側とか、足首の一部に偏っているようなら、そちらに対する体重のかかり具合を減らすようなインソールの使用が効果を示すことがあります。

これは主に膝の変形性関節症において使われるウェッジ型インソールというものですが、微妙な調整で足首に対して効果を期待してインソールを作ることもあります。

またインソールや靴が足首の安定性に寄与するのは間違いありませんので、そういう意味でも重要な要素と言えます。

まとめ

今回は足首の痛みが治らない場合、つまり、慢性痛の2大原因とその対策について解説いたしました。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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歌島 大輔

肩/スポーツ領域を得意とする整形外科専門医としての診療/手術・スポーツパフォーマンスアップ、ケガ予防トレーニング等のアドバイス・マインド(脳と心・メンタル)の使い方を指導するコーチングを行っています。

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