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スポーツ怪我予防:トレーニングだけでは超えられない壁とは?

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スポーツの怪我を予防するときに、まず考えるのは、トレーニングをして、ストレッチをして・・・身体を強く、しなやかにしていこうとします。

これは当然必要なことなんですが、

それだけではスポーツにおける怪我予防としては足りないんですね。

 

その最大の理由として、勝手に名付けた症候群があります。

それは、

「絶好調症候群」

です。

なんだか景気がいいのか悪いのかわからない名前ですが、

スポーツ界のあるあるとして、

調子がいいときに限って(絶好調なときに限って)、怪我をしてしまう

ということがあると思います。

 

これって、なんとなくそうだよなというレベルじゃなくて 実際に統計を取ったら、有意差が出るんじゃないか!?

と思うレベルだと思うんですよね。

なんとかしたいですよね。

 

ということで、今回はこのスポーツにおける怪我予防の大きな壁である、「絶好調症候群」の正体と予防法について解説したいと思います。

スポーツにおける怪我予防の壁:「絶好調症候群」のメカニズム

この絶好調なときこそ怪我をしやすいという絶好調症候群。

特に怪我を繰り返している選手に典型的じゃないかなと思います。怪我で苦しんでいて、トレーニングやストレッチをしながらもなかなか調子が上がらない・・・でも、ある時、フッと身体が軽い!今日はいける!

と思った矢先の怪我・・・

この・・・「矢先の怪我」ってコメント、よく聞きますよね。聞きたくないですが。

こんな絶好調症候群のメカニズム、理由について考えてみます。

パフォーマンスが高いこと自体、怪我のリスクが高い

そもそも絶好調のときはスポーツパフォーマンスが高いわけです。 スピードもパワーもハイレベル、それは筋肉や関節に加わる力も大きいですし、動きの幅もダイナミックに大きくなっているので、筋肉は伸ばされ、関節は大きく動かされてしまします。これはトレーニングやストレッチを頑張ることでも、どんどん強まります。

これって、負荷が強いことになるわけですから、 シンプルに怪我のリスクが高いわけですね。

 

わかりやすいのは、もし、全力でも100km/hしか投げられない25歳男子が、もしフィジカルだけは大谷翔平選手ばりだとしたら、まあ怪我しません。おそらく1日に1000球投げても怪我しません。

しかし、大谷翔平投手は160km/hを超える剛速球を投げていますから、100球制限のメジャーリーグの試合で投げていて、メジャー1年目で怪我をしてしまったわけです。もちろん、蓄積がありますが、160km/hというパフォーマンス、それ自体が大きな怪我のリスクであるということですね。

大谷選手は怪我予防のためのトレーニングを徹底しているにも関わらずです。

絶好調ということは、ベース以上のパフォーマンスが出てしまう

さらに、その怪我のハイリスクであるハイパフォーマンス状態が、急にできちゃうのが絶好調のときなんですね。

これも大きな問題です。

普段、ベース(基本)のパフォーマンスはもうちょっと低いのに、急にベース以上のパフォーマンスを出してしまえば、身体がビックリしちゃいます。

ホメオスタシスのフィードバックが強烈

身体がビックリしちゃうというのを、もうちょっと専門的にいうと、「ホメオスタシスのフィードバックがかかる」ということになります。

ホメオスタシスというのは、脳内のセルフイメージを身体全体で維持しようとする働きだと思ってください。

ただし、しっかりマインドの使い方を訓練していない限りは、その脳内のセルフイメージは昨日までの自分≒現状になりますので、結果、ホメオスタシスは現状維持メカニズムと呼ばれたりもするわけです。

それは体温を36℃台に保つものもそうですし、心臓の鼓動が運動量によってリズムを変えながら、血液量を調整するのもそうです。身体のすべてに関わります。

そして、絶好調時はホメオスタシスにとっては現状から飛び出たパフォーマンスをしているので、「これはマズイ!」ということで、現状、つまり絶好調じゃないベースのパフォーマンスに戻そうとします。

しかし、調子に乗って、ガンガンにプレーしていると、なかなかホメオスタシスの言うことを聞いてくれないので、最終的には「怪我」という荒療治でストップをかけてしまう。

そんな捉え方をしていただくとわかりやすいと思います。

スポーツにおける絶好調症候群での怪我の予防法

では、絶好調症候群にならないようにするにはどうしたらいいのか? ということになりますよね。要は予防法です。

絶好調であることはいいことですから、そんなときでも怪我をしないためにはどうしたらいいのか?ということです。

これはトレーニングでどうこうできる話じゃないですよね。

調子がいいときほどブレーキをかけ気味で 「90%パフォーマンス」

絶好調だと、どんどんパフォーマンスをその試合や練習の中で上げていける感覚があると思います。

その感覚に酔いしれて、どんどん調子に乗ってしまうのが絶好調症候群の典型的な状態ですから、一番カンタンな方法は

 

絶好調なときほどブレーキを自らかける

 

ということです。

 

そうすれば絶好調症候群からは抜け出せることが多いでしょう。

 

しかし、私はスポーツコーチとして選手の圧倒的なパフォーマンスアップをお手伝いしていますから、怪我はしないけれども、成長もしない選手になってほしくはないんですね。

ですから、ブレーキをかけるという表現よりは、 常に「90%」の力でエネルギーでプレーをする=「90%パフォーマンス」ということを提唱しています。

 

実際、90%の意識をすると、多くの選手はいい感じで力が抜けて、本当のパフォーマンスは実際は上がっていることが多いです。でも、意識的に90%に抑えていますから、絶好調症候群のようにホメオスタシスのフィードバックがかかりにくいんですね。

そして、さらにイメージの使い方を発展させていくことを推奨しています。

ホメオスタシス対策は脳内イメージで完成する

ホメオスタシス対策として90%パフォーマンスという意識をお伝えしましたが、さらに脳内のセルフイメージを強固に創り上げることで、パフォーマンスをどんどん上げながらも絶好調症候群を予防することができます。

絶好調時のパフォーマンスを超える90%パフォーマンスのイメージ

まずは90%パフォーマンス、そのもののイメージを引き上げていくことです。

簡単に言うと、しゃくに障る言い方かもしれませんが、

「私は9割の力で圧倒的なパフォーマンスで周りを完全に凌駕している!」

と言ってしまうようなイメージです。

 

 

もちろん、この言葉を具体化するような実際のプレーイメージを強固に脳内に創り上げ、繰り返しイメージトレーニングしていくことが必要です。

どうしてもスポーツ界、それも日本のスポーツ界は根性論が根強いので、 「100%どころか120%の力を出さないと相手に勝てない」 というようなマインドが好まれる傾向があります。

ですので、それはそれで、冷静に、口だけ合わせておいて(笑)、実際は90%でも誰よりもパフォーマンスが高い!というイメージを徹底することがオススメです。

強靱かつしなやかなフィジカルを含めたイメージ

もう一つ、高いパフォーマンスにはそれを余裕で達成できる強くしなやかなフィジカル(筋肉や関節の強さ、柔らかさ)を持ち合わせているイメージが必須です。

このイメージがないと、ホメオスタシスのフィードバックがかかりやすいのは当然のことだと、おわかりになると思います。

まとめ

今回はスポーツ怪我予防としてトレーニングやストレッチをしていくだけでは足りない最大の理由として「絶好調症候群」について詳しく解説いたしました。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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歌島 大輔

肩/スポーツ領域を得意とする整形外科専門医としての診療/手術・スポーツパフォーマンスアップ、ケガ予防トレーニング等のアドバイス・マインド(脳と心・メンタル)の使い方を指導するコーチングを行っています。

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