今回は扁平足(へんぺいそく)の治し方、治療法ということで解説します。
この記事を読んでいただければ、扁平足について入れておきたい知識はすべて吸収していただけるかと思います。
まずは扁平足とは?と言った定義の部分から入って、痛みの部位や原因から解説していきましょう。
扁平足とは言われたけど、そのせいで「こんなところが痛くなる!?」と思うような場所が痛いこともあります。扁平足が原因で、他の病名がつくような痛みの原因が隠れていることがあるんですね。
今回は扁平足がある場合に痛みが出る可能性がある場所を4カ所に分けて、それぞれ考え得る原因を解説したいと思います。 その原因を知ることで治療もよりダイレクトに最短距離でできますし、リハビリなどで刺激を与えるべき部位も異なってきます。
そもそも扁平足とは?
では、そもそも扁平足ってなんなのさ? ということについておさらいしてみます。
足の裏には2つのアーチがある
足の裏というのは平らではなく、弓状にアーチを形成しています。 このアーチがあるせいで走ったり、ジャンプしたり、さまざまな動きにおける衝撃を吸収して、反発力に変えたりというようなことができるわけですね。
縦アーチ
縦アーチは足を横から見たときのアーチで、土踏まずが床から浮いていればある程度はアーチは保たれていると言えます。
土踏まずですから、名前からすると土は踏まないはずですが、扁平足の土踏まずは土を踏んでしまっているケースが多いです。
土踏まずが大きく浮いている状態をハイアーチと言い、床にくっつかんばかり、もしくはくっついているくらいの状態をフラットアーチ(扁平足)と言います。
実際にはメリットのところでも話しましたが、足底筋の発達具合や子どもの豊富な脂肪のように一見して扁平足に見えても、レントゲンを取って骨の配列状態を見ると、アーチは保たていているということはあります。
横アーチ
足を前から見ても実はアーチがあり、これを横アーチと言います。
縦アーチが潰れると、横アーチも潰れやすく、両者は関連しています。
扁平足は足の裏の縦アーチがつぶれてしまった状態
扁平足は特にこのアーチの中でも縦アーチが潰れた状態です。
横アーチが潰れた状態は開張足(かいちょうそく)と表現されます。
扁平足の痛みの場所とその原因(メカニズム)
扁平足というのは足の裏の縦アーチがつぶれてしまっている状態を言いますが、痛みが全くない人も珍しくありません。
しかし、アーチがしっかり保てている足に比べれば扁平足は様々な部位に負担がかかりやすいので様々な痛みを起こす原因になり得ます。
そして、痛みが出現した部位によって、扁平足がどのように影響して痛みの原因となってしまったのか、そのメカニズムが推測できます。
足の裏が痛い:足底筋膜炎
まず一番典型的なのが足の裏の痛みです。
これの代表的なメカニズムは足底腱膜炎(足底筋膜炎)が起こっている状態です。
扁平足によって常に足の裏にある足底腱膜はビヨーンと伸ばされている状態です。ゴムもズーっと引き伸ばされていたら、だんだん働きが落ちて、劣化していきますよね。
それと同様に足底筋膜の働きが落ちて、炎症を起こして、痛みが出る。
それが足底筋膜炎です。
典型的なのは足裏のやや内側よりやや踵よりを指で押し込むと痛みが走ります(圧痛)。
これはまさに扁平足そのものの改善が治療に繋がりますので、後半をご参照ください。
足の甲が痛い:疲労骨折
次に足の甲が痛い場合ですが、これは実に様々な病態が起こりえます。
一番注意したいのは、疲労骨折です。
足の裏のアーチがつぶれて、一部の骨に負担が集中しているとその骨が疲労骨折を起こすことがあります。足の骨の疲労骨折は意外と少なくありません。
中足骨というややつま先よりの細長い骨の疲労骨折が多いです。特に第五中足骨という一番外側の骨の疲労骨折はジョーンズ骨折と呼ばれ、治りが悪く手術になることが多いことで有名です。
こちらもご参照ください。
https://fracture-bible.com/archives/500.html
さらに、ときには足根骨という小さな骨の疲労骨折も起こります。特に舟状骨は舟のような形をしていて負荷がかかりやすいので足根骨の中では注意が必要な骨です。
疲労骨折を疑う場合はまずレントゲンで確認しますが、レントゲンでははっきりしないケースもあります。
そういった場合にさらに行うこととして、一番鮮明にわかるのはMRIです。しかし、最近では超音波(エコー)検査でもかなり見つけられるようになっています。
足の内側が痛い:有痛性外脛骨
足の内側(内くるぶしより少しつま先より辺り)の痛みも比較的多く、内くるぶしの少しつま先よりにもう一つ「くるぶし」のように触れる部位やその周囲が痛いケースがあります。
これは舟状骨という骨の内側の出っ張りで、そこに余剰骨として小さな骨がある場合に「外脛骨(がいけいこつ)」と呼ばれます。この外脛骨はあっても症状を出さないこともあれば、痛みを出すこともあって、その場合を有痛性外脛骨と呼びます。
これは扁平足があると余計に症状を出しやすいと考えられています。
なぜなら、この外脛骨の部分に後脛骨筋が付着していて、扁平足だと常にこの後脛骨筋が緊張し、カタくなっているため、外脛骨が引っ張られているような状態だからです。
そのため、この有痛性外脛骨の場合も扁平足を治療することが痛みの改善に繋がることが多いわけですが、さらには、後脛骨筋の柔軟性を上げておくことも推奨されますのでこちらのストレッチなども一緒にやるといいでしょう。
https://youtu.be/7NNQ4JOaTtc
この扁平足って、そもそもそんなに悪いものなの?
どんなデメリットがあるのか、逆にメリットとかないのかな?とか思ったことはありませんか?
特に上で述べたような「痛み」がまったくないという場合には、
このデメリットについて気になりますよね。放置して良いものなのか?と。
結論から言うと、デメリットの方が遥かに多くて、メリットらしいメリットはありませんが、意外とアスリートに扁平足が多い印象もあります。
扁平足のデメリット
まず扁平足のデメリットです。
結論から言うと、結構幅広く扁平足のデメリットは挙げられますが、人によっては何ら困らない人もいますから、これらデメリットに当てはまるものがあるかどうか?
それによって改善に向けて頑張るかどうか、そのモチベーションにしてもいいと思います。
足底筋膜が疲労しやすい
まず扁平足になると足の裏のアーチを保とうと張っている足の裏の足底筋膜(足底腱膜とも言います)が歩くたびに、立っているとずっと、ビヨーンと伸ばされているような感覚です。
ビヨーンと伸ばされ、力を十分に発揮できない状態なのに足底筋膜は健気に自分の役割を果たそうと緊張し続け、疲れ切ってしまう。
というような状態です。
その結果、足底筋膜炎(そくていきんまくえん)という足の裏の痛みにつながります。
足首が不安定になる
扁平足になって、潰れるアーチは土踏まずを頂点としています。土踏まずは足の裏の内側よりにありますよね。
それが潰れるということは足の裏の内側が通常より低くなるということです。
足首がひねられてしまっている状態です。(回外といいます。)
つまり、体重がかかるたんびに足の裏のアーチが潰れ、足首がひねられている状態が扁平足の足首です。
左右に不安定ということですね。
とすると、捻挫しやすかったり、足首周りの痛み、アキレス腱の痛みの原因になったりもします。
膝も不安定になりやすい
さらに足首が不安定になるとその上の膝にも影響が出ます。
足首が回外状態になると、膝は内側に入りやすくなります。
前十字靭帯損傷など膝の靭帯損傷の典型的な原因動作であるknee – in 動作です。
このknee – in 動作はパフォーマンスにも悪影響が有りますので、これがある人は是非改善したいですね。
幅広シューズが必要になることも
扁平足で足がベタッと潰れてしまうと、足が横にも広がってしまいます。
しかし、幅が狭めのシューズを履いていると、毎回、足の内側や外側が当たってしまって、靴ずれや痛みの原因になります。
僕も扁平足なので、幅の広いシューズを履くことが多いです。
扁平足のメリット・・・は不明
これらデメリットに比べ、扁平足のメリットは?というと、
僕なりにいろいろと考えたり、調べてみましたが、明らかなメリットはありません。
ただ、少し補足すると、
特に症状がないこともある
扁平足があっても、なんら症状なく、誰かに言われて初めて気づくなんてことはよくあることです。つまり、扁平足があっても改善を図らないといけない人とそうでない人がいるということは言えるでしょう。
アスリートに扁平足は意外と多い印象だが・・・
あとはアスリートに扁平足が多いというのもよく言われます。
これは2つの要因があって、
ひとつは長年の強い負荷によって足底腱膜も疲労し、後脛骨筋というアーチ形成に大切な筋肉も疲労し、働きが落ちているというアスリート。
もうひとつは、足底筋が異常に発達していて、本当は扁平足じゃないのに、筋肉が肥大しているため扁平に見えるというアスリート。
超一流のアスリートでは後者が多いのではないかと思います。
やはり、デメリットが多いということがわかったうえで、
次はどう改善すれば良いか、その治し方になりますよね。
この扁平足を治す、改善するにはどんな治療法があるのか?ということを解説します。治療についてはいろんなことを言う人がいるかもしれませんが、まずは基本的なことをまずしっかりと押さえた上で、様々な方法を試すことが大切です。
扁平足の治し方
扁平足を治すというのは、足の裏のアーチを取り戻すということ、もしくは、足の裏のアーチがつぶれてしまう状況を改善するということになります。
そういった視点で基本的な3つの治療法について解説します。
扁平足治療1:サポーター、足底板(インソール)
1つは足の裏から直接アーチをサポートするように足底板(そくていばん)、もしくはインソールと呼ばれる靴の中敷きをしっかりとオーダーメイドで作るということです。
そのメカニズムの1つはシンプルに土踏まずを持ち上げるように、土踏まず部分が高くなっています。
ただ、多くの足型は立って体重をかけてとるので、扁平足の人はアーチがつぶれた状態の足型になってしまうことがあります。
それに対して、例えばこちらのオーダーメイドインソールなんかは体重をかけない状態で足型を採型して、それに合わせて作ります。
https://www.superfeet-jp.com/shop/map
ただ、土踏まずが高いだけのインソールだと逆に足裏が痛くなることがあります。実際、僕も扁平足なのですが、それで失敗したことがあります。
どういうことかというと、扁平になる力が強い人は持ち上がったインソールが土踏まず部分を逆に強く押す形になるので、土踏まずが痛くなりやすいんですね。
そういった意味で大切なのはもう一つ、踵(かかと)のサポートです。
大抵の扁平足の原因は踵が傾いてしまうことにあります。
この傾きを押さえるように踵を両側からサポートするような形状をしていることも非常に重要なポイントです。
先ほどご紹介したSuper feetのインソールはその踵のサポートも重視したインソールとしてオススメです。
サポーター・インソールについては大切なので、後半でもう少し詳しくお話します。
扁平足治療2:適切な靴
インソールと同様に大切なのは靴そのものです。
靴が自分に合ってないとか、不適切な性質の靴だとすれば、靴の中で足が不安定なので扁平足になりやすいと言えます。
この適切な靴という意味でのチェックポイントは2つです。
1つはしっかりとサイズと形がフィットした靴であるかどうか? です。
当然ではありますが、そのメカニズムも理解しておきましょう。
窮屈すぎる靴の場合は足の指が曲がった状態から動かせません。足の指の動きは足の裏のアーチ形成にも重要ですから、靴が窮屈なせいで動かせないとなると厳しいですね。
有名なのはウインドラス機構とよばれる働きで、歩くときなどで足先が床から離れるときに、つま先立ち状態を経由しますが、そのときに足の親指(母趾)が背屈状態になります。その状態で足底筋膜が緊張しアーチが高く維持されるという働きがあります。
しかし、足の指が曲がったままだとこのウインドラス機構も働きにくいと言えます。
また、逆に靴が大きすぎてブカブカでも、靴の中で足がグラついて、アーチがつぶれやすくなります。
特に踵が重要で、2つ目のチェックポイントです。
踵がしっかりとフィットした靴で、かつ、踵の芯がしっかり硬い靴でないと踵骨がグラついて、傾いて、アーチがつぶれてしまいます。 そういう意味ではかかとをつぶして靴を履くことがいかに良くないことかわかります。
扁平足治療3:筋力トレーニング
最後に筋力トレーニングです。 足のアーチを形成する上で大切な筋肉を鍛えていくということが扁平足改善の一番根本に近い治療と言えるでしょう。
タオルギャザー
足の裏の基本トレーニングとしてはこのタオルギャザーというものがあります。
足の指でタオルをたぐりよせていくというシンプルなトレーニングなんですが、足の裏の感覚を高める効果も期待できますし、アーチがつぶれた状態ではうまくたぐり寄せられないのでアーチを高めるトレーニングとしても効果が期待できます。
特に足の外側の指(中指から小指に相当する部分)でたぐり寄せるようにタオルの位置を調整すると、よりアーチを高める効果が高まります。
https://youtu.be/guzHbQ_qjwc
後脛骨筋トレーニング
後脛骨筋というのは足を回外する筋肉です。これはより正確に言うと距踵関節という距骨と踵骨という関節を中心とした回旋運動で、土踏まずが上に上がるような方向です。
そうです、つまり、土踏まずを中心としたアーチ形成にとても大切な筋肉であるということですね。
扁平足の場合はこの後脛骨筋が常にビヨーンと引き伸ばされ、働きが落ちているという人が多いので、この後脛骨筋を鍛え直すということはとても大切です。 一般的にこういったトレーニングが行われます。
扁平足治療4:テーピング
テーピングは手間がかかることもあって、日常生活レベルで困っている人には使い勝手は悪いのでインソールなどがいいかと思いますが、運動選手、アスリートは試合前や練習前によく使うことと思います。
しかし、足首や足裏のアーチの機能は相当複雑です。テーピングも下手したら逆効果になりかねませんので、扁平足の原理原則を理解しながらテーピングもやっていきたいところです。
こちらも大切なポイントになりますので、後半で詳しくお話します。
扁平足に効果的なサポーター・インソール
扁平足の改善を狙ったサポーターは大きく2つに分かれます。
基本は土踏まずを持ち上げるようなサポートをすることが基本戦略となっています。
足首まで全体的に圧迫して全体的なスジの働きの改善を狙うモノ
もう一つのサポーターは、足首まで包んで、圧迫するタイプです。
圧迫することの意味は足首周りの筋肉(スジ)のはたらきを高めることと、足首周りの感覚を鋭敏にすることです。
注意点は圧迫しすぎは血流が悪くなるので、しびれたり、疲労が早まったりするのでサイズ選びは注意したいですね。
土踏まずにクッションがあり下からサポート:インソールタイプ
次にこちらこちらですが、前半で解説したインソールタイプのものですね。
土踏まず部分にクッションがあたるようになっており、下から土踏まずを支えるようになっているタイプです。
扁平足によく使われるインソール 3つの効果
この扁平足に使うインソールが狙う効果を正しく理解しておく必要があります。 特に強調しておきたいのは、単に土踏まずを持ち上げるだけではないということなんです。
土踏まずをサポートして縦アーチを保つ
ということで、 そうは言ってもインソールの効果一つ目は、 土踏まずをサポートして、縦のアーチがつぶれないようにするということです。
これが一番イメージしやすい効果ですね。
中足骨をサポートして横アーチを保つ
足の裏のアーチというのは縦アーチだけではなく、横アーチというものもあります。これも扁平足だと同時につぶれてしまうことが多く、そうなると、土踏まずだけサポートしても厳しいということが起こりえます。
横アーチは土踏まずより少しつま先より、中央を頂点としたアーチで、このアーチをサポートするような形状をしているインソールもあります。
かかとをサポートして踵骨を安定化させる
最後の効果として、特に重要視しているのが「かかと」のサポートです。
扁平足の時は実は「かかと」の骨が傾いてしまっていることがほとんどです。かかとが真っ直ぐの状態で体重をかけることができれば、アーチのつぶれも最小限にすることができるので、インソールもかかとを包み込むように安定化効果を狙ったものが多くなっています。
扁平足の人がインソールをして痛い原因
この3つのインソールの効果を理解いただくと、扁平足の人がインソールをしたのに逆に痛い・・・なんてときの原因がわかります。
土踏まずだけむやみに持ち上げている
多いのが土踏まずだけむやみに持ち上げてしまっているケースです。
そうすると、土踏まずに圧力が集中して足の裏や内側が痛くなります。 特にかかとのサポートが十分じゃないインソールや靴だと、かかとの骨が傾いて土踏まずがつぶれそうになるけど、インソールの土踏まず部分が持ち上がっているので、土踏まずに圧力が集中します。
単純にインソールが靴に合っていない
もう一つありがちなのが、シンプルにインソールと靴が合っていないというケースです。
インソールが小さいと、靴の中でインソールが動いてしまうことになりかねませんし、逆に靴がそもそも窮屈な中でインソールを使ってしまうと、余計にキツくなってしまうということもあります。
専門店に行くとオーダーメイドでも作ってくれるので検討してみてください。
最後にテーピングについて詳しく解説を加えます。
扁平足に対してテーピングで期待できる効果とメカニズム
テーピングの効果として期待しているのは主に2つです。
- 筋肉の収縮力をサポートする
- 関節をある程度固定する
そして、扁平足に対しては前者の筋肉の収縮力をサポートする効果を期待して使います。
筋肉は自らは縮む(収縮する)ことができ、また、逆に伸ばされると収縮しようと反応する作用があります。
要は自分で縮めるゴムのようなイメージでしょうか。
この筋肉の縮む力をサポートするように伸び縮みするテープを筋肉沿って貼るというのが筋肉のサポートテープです。
扁平足の場合は足裏のアーチを保つために働く筋肉がうまく働けていないことが多いのでテーピングは有効です。
足底筋膜をサポートする
まず一つ目のサポートテーピングは足底筋膜をサポートするものです。
足底筋膜はその名の通り、足の裏に走る筋膜です。 この筋膜がある程度張っていることで、足裏のアーチが保たれていると言えます。
この筋膜がビヨーンと伸び伸びになってしまっているのが扁平足と言ってもいいくらいですから、この筋膜に沿ってサポートテーピングを行うことで足裏のアーチを少しでも高めることができます。
こちらの動画のテープの貼り方がオススメです。
これはうつぶせになってつま先を反ら(背屈)した状態で貼っています。 この背屈状態では足のアーチが高くなるのでこの状態をキープするというイメージで貼るわけですね。
足底筋膜は足の裏に走っていますが、テーピングは外からサポートするので筋肉の走行より長めに貼るのがポイントです。 この動画でもアキレス腱あたりまで伸ばしているわけですね。
後脛骨筋をサポートする
もう一つサポートしたい筋肉が扁平足にはあります。
扁平足のときには踵の骨、すなわち踵骨(しょうこつ)が傾いてしまっていることが多いです。土踏まずは内側にありますから、この土踏まずがつぶれるように踵の骨が傾くんですね(回内と言います)。
これに対抗する筋肉が後脛骨筋(こうけいこつきんん)です。
これは逆に踵骨を回外させてくれます。
この後脛骨筋の働きが落ちていることも扁平足ではよくありますので、サポートするテーピングを行います。
この後脛骨筋は内くるぶしの後ろを走りから足の内側の土踏まずの頂点の骨(舟状骨)にくっついています。
この筋肉に沿って、やや長めに足の外側から裏を回して内くるぶしの上に貼っていくのが後脛骨筋サポートテーピングです。
扁平足を歩き方の改善で治すには?
扁平足というのは、特に歩いたり走ったりするときに顕著になります。
よくあるのは、足首が内側にぐにゃっと曲がって着地しているように見えます。これは自分では気付きにくく、後から誰かが見て、指摘されるパターンが多いです。
この足首が内側に傾いている状態を、足首の回内(かいない)と呼びます。
こういう状態ですが、これは内側の土踏まずが潰れ、かかとの骨である踵骨(しょうこつ)が内側に傾斜しているがために、このように見えます。
歩くときにこうならないように・・・と意識すると、どうしても、足の外側ばかりに体重をかけようとしてしまいます。
そうなるとどうなるかというと、捻挫しやすくなったり、逆に回内が進んだりします。
捻挫しやすいというのはわかりやすいデメリットですよね。たいていの捻挫は足の裏が内側に向いてしまう状態で、つまり、外側よりに体重がかかったときに起こるので、そのリスクが高まってしまうということです。
逆に回内が進むというのはどういうことかと言うと、それには歩くときの足裏の体重のかかり方について理解しておく必要があります。
こちらの写真を見てみてください。
通常の歩行時の体重のかかり方は「かかとの中心より→土踏まずを外れて外側より→前足部外側→母趾球」という順序です。ただ、これを正確にトレースしようとするのは難しいので、シンプルに「縦方向」「歩く方向に真っ直ぐ」に近いと思ってもらうといいです。
それに対して扁平足や回内足の人は「かかとの外側→土踏まず→母趾球」と、最初の接地が足の外側、そして、その反動で内側の土踏まずに体重がかかってしまって、潰れてしまうという「横方向」の動きになっていしまっているので、だからこそ、意識してほしいのは「真っ直ぐ、縦方向にかかる体重を移していく」ということと、あえてやるなら、その中で「土踏まずを潰さないように優しく」という意識も加えても良いかもしれません。
まとめ
今回は扁平足を治す、改善する治療法ということで、インソール、靴、トレーニング、テーピングの4つの基本をお伝えいたしました。その前段階での扁平足とは?とか、原因、メカニズムのお話、また、最後の歩き方のお話などもとっても重要なので参考にしていただければと思います。
痛み、障害というマイナス状態からゼロに戻すだけでなく、さらにプラスへ持っていく方法や考え方についてはメールマガジンで解説しています。まずは「リハビリがうまくいく人、いかない人」や「疲労ピーキング&リセット術」などのレポートを受け取ってみてください。
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