首を寝違えたり、むちうちのような状態でちょっと捻ってしまったというようなときにちょっとでも動かすと痛いという状況になりがちですよね。
そんなときに首のコルセットを探しても薬局にないってことはザラにあります。困ります。
整形外科の外来をやっていても首が痛いという症状は非常に多いご相談です。ただ実際、整形外科外来をやっていても、首が痛いという患者さんのほとんどは筋肉や筋膜という部分の炎症で特別効果が高い治療というのがないのが現状です。
患者さんの中でも、
「病院に行っても待たされたあげく痛み止めを出されるだけ・・・」
「何回もいかないといけない電気治療のが大変・・・」
そんな声をききます。
でも、ちょっとも動かしたくないくらいに痛い時ってありますよね。明らかに筋肉が痛くて、その原因もわかってる。。病院にいくほどじゃないなと思ったとして、でも、首のコルセットが欲しいなって思うこともあると思うんです。
本当はそれでも一度は整形外科での診察を受けて欲しいんですが(頚椎椎間板ヘルニアや首の骨の骨折や脱臼、レントゲンやMRIではじめてわかる異常が隠されていることがあります)、ここでは首のコルセットの調達方法と代用の方法について解説したいと思います。
ここで言っているのはやはり一時しのぎだと思ってくださいね。首に限らず痛みがあるときはできるだけ早めの整形外科外来受診をご検討ください。
こんにちは、整形外科医でスポーツメディカルコーチの歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。
それではいきましょう!
首のコルセットはたいてい薬局にない そんな時の対処法
冒頭にも書きましたが、首のコルセットってたいてい薬局に置いてないんです。
首のコルセットは正式には頚椎カラーと呼びますが、腰や膝ほど必要とする人が多くないのかもしれません。特に頚椎カラーはビジュアル的に敬遠する人が多いですから売れないのもわかる気はします。
でも、あまりの痛みにそんなこと気にしてられないということもあると思います。
ちなみに僕も一度探し回ったことがあります。
整形外科医が何やってるんだって感じですが(笑)、妻が首が痛いと困っていたときに少しでも楽になってもらいたいと思って探した経験があります。
その日は休日で病院がやっていない日でしたので、とりあえず近くの大きめの薬局にかたっぱしから電話してみましたが、置いてあるところはありませんでした。
しかし、最終的には見つかって購入しました。
ということで、首のコルセットの調達方法をまとめます。
近くの整形外科にはほとんどあります
まず基本中の基本。餅は餅屋・・・?
整形外科クリニックを受診して、頚椎カラーを希望すれば大抵のクリニックには置いてます。
ただ、診断の結果、頚椎カラーは望ましくないということも時にありますので教えてくれるはずですそういったアドバイスも含めて、一番オススメの調達方法ですね。
東急ハンズやドンキホーテが近くにあれば電話!
ただ、待たされるのが嫌とか、休診日とか、そういったことはあると思います。
そんなときに僕が調達したのは東急ハンズでした。
東急ハンズのヘルスコーナーは本当に充実していて、首のコルセットも3種類くらいあったと思います。
ドンキホーテにも置いていることがあるようです。
これらのショップが近くにあれば電話で問い合わせてみましょう。そのときは「頚椎カラーという、いわゆる首のコルセットは置いてますか?」という聞き方が一番伝わりやすいかもしれません。
首のコルセットの代用には段ボールとタオルでカンタンに
東急ハンズもドンキホーテも近くにないよっていうときや、
お子さんが首が痛いというケース(これは回旋位固定といってしっかり調べる必要や時に入院の必要があるモノもあるので注意が必要ですが)には、
タオルやタオル+段ボールで自作するという方法があります。
これはシンプルで、
バスタオルなど大きめのタオルを3つ折りや4つ折りなど首の長さに合わせて細く折って、首に巻くだけというものと、
少し固定性を高めるために、首の形状、高さに合わせて段ボールを細長く切ってから、それをタオルで多少ふかふかにして巻くという方法です。
首のコルセット(=頚椎カラー)の効果
この首のコルセット、頚椎カラーの効果ですが、
それは当たり前ですが首の安静ということになります。
首の痛みが長引く原因の多くは筋緊張
むちうちや寝違えは主に筋肉に無理が出て、微小なレベルで筋肉や筋膜の損傷があるのではないかと考えられていますが、あくまで微小なレベルです。
MRIなどの精密検査をしてみてもなんの異常も見つからないということの方が圧倒的に多いです。
ですから、首の痛みが出たときに絶対安静にしないといけない!というわけではないんですね。
ただ首を捻ったり、寝違えたりしてしまったときに、ちょっとした動きで強い痛みが走ったりすると、当然、気分的にもかなりキツいですよね。
身体も反応して、どんどん首の筋肉が緊張していきます。
これはいいことではありません。
この筋肉の緊張が痛みの改善を妨げます。痛みを長引かせます。
ですから、ちょっとでも動かすと痛いというときには頚椎カラーを使ってカラーに頭をあずけてしまうという使い方はいい使い方だと思います。
首のコルセットの使い方
ただし、使い方として注意点があります。
それは長く使いすぎないことです。
痛みがあるうちはずーっと使う人がいますが、それはオススメしません。痛みが強いうち、できれば1週間以内に抑えるというのがいいです。
先ほど、筋肉の緊張が痛みの改善を妨げると言いましたが、コルセットで首をほぼ固定してしまっているような状態も結果的に筋肉を使わないので筋がかたまって緊張を高めると考えられます。
また、筋肉がサボることでもありますので、弱っていくというリスクもあります。
首のコルセットは寝るときには原則外す
あと、もう一点、原則寝るときには外します。
ここで言っている首のコルセットは、より正確にはソフトカラーと言ったりもしますが、骨折や脱臼など重症な外傷や手術後に使う固定性の高いカラーとは違います。
これは極端に言うと、顔から頭の重みを360度コルセットで受けようというような意味合いのものです。
しかし寝るときは、頭の重みは枕が受けてくれていますよね。
それに寝るときは意識がないので、この首のコルセットを巻いていると、蒸れてかぶれてしまったり、最悪、首が絞まっていったりと危険です。
寝るときにも首が痛い姿勢があると思いますが、それをコルセットでどうにかしようとするのではなく、枕を工夫するなどしていい姿勢で寝るということが必要な対策です。
まとめ
首のコルセットが意外と薬局には置いていない!という衝撃の事実を実体験で知りましたので、
- 東急ハンズやドンキホーテで売っている
- 自作できる
ということを解説し、
さらに整形外科医として首のコルセットの基本的な効果や使い方について解説を追加いたしました。
急な首の痛みは憂鬱で不安にさせるものですが、実際に身体で何が起こっていると考えられるのかを知って、適切にある意味淡々とやるべきこと(この場合は適切な時期のコルセット使用や病院受診、適切な時期のストレッチなど)をやっていくのが大切だと思っています。
少しでも参考になりましたら幸いです。
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