野球の上達 スポーツコーチング

バッティングのコツ:目線がリリースからインパクトまでブレないとは?

更新日:

野球コーチ
コラー!!ボールから目を離すなぁ!!

野球選手
すみません!!
(んー・・・見てるつもりなんだけどなぁ)

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。。
SMCの記事をご覧いただきありがとうございます。

今回はバッティングでよく言われる
「ボールをよく見る」
ということについての一考察です。

ボールをよく見るということは意識の問題、集中力の問題などもありますが、
今日は目線についてのお話です。

バッティングにおいて目線がブレないとは?

少年野球_打撃
バッティングにおいて「目線をブラすな!」と言われた時に、
なにを想起するでしょうか?

 

例えば、目線というものをより物理的なものと捉えて、
「頭を動かさない!」
ということを想起する人もいると思います.

 

もしくは、実際の目線、つまり注視している場所へのラインが
ブレないということを想起する人も多いでしょう。

 

「頭を動かさない」というのは今回のテーマとはずれるので、
別の機会に話しますが、
「注視している場所へのライン」=目線
とすれば、これをブラさないとはどういうことでしょうか?

 

 

おそらく、多くの人はボールをリリースからインパクトまで、
しっかりと目で追い続けることを求めると思います.

しかし、目線をブレないということは、
そういうことではない!
ということを今回は解説したいと思います.

中心視野と周辺視野

視野(見えている範囲)には中心視野と周辺視野というものがあります。
それぞれには活躍する網膜の細胞の比率が異なる為に、
得意、不得意があります。

まず、それぞれについて説明します.

中心視野

その名の通り視野の中心であり、注視しているものそのものです。
この中心視野は、求められる機能は「スピード」より「細部」です。
ですから、素早いものを捉えるのは苦手ですが、詳しく細部まで見えます.

周辺視野

これもその名の通り、中心視野の周辺です。
この周辺視野は逆に大雑把に見ますが、素早いものを捉える力が強いです。

この機能を理解すれば、
「目線がブレない」とはどういうことかがわかります.

「目線がブレない」=「周辺視から中心視へブレない」

結論は、
「周辺視から中心視へブレない」ことこそ、
バッティングで求められる「目線がブレない」ということなんです。

もう少し説明が必要ですね.

 

相対的に言うと、
リリース直後はよりスピードのあるボールを捉えるという事が求められます.
そして、インパクト直前はボールの中心をバットの芯で捉える「細かさ」が
求められます.

 

なぜなら、リリース直後にボールの細部を見ようとしても見えないですし、
見てもその瞬間のボールをバットに当てるわけではありませんよね。

同時にインパクト直前にボールの素早い動きを捉えても、
もう対応できませんよね.

 

ちょっと概念的で、上手く説明できているか微妙ですが、
そういうことなんですね。

 

 

そう考えると、話がリンクしませんか?
つまり、リリース直後は素早い動きを捉えること重視で
周辺視野にボールを入れて、
インパクト直前は細部を捉える為に中心視野にボールを入れる。

これが、ミートがうまい、ボールがよく見えている選手の
目線、視線の使い方だと考えています.

 

こちらの研究で示された「周辺視システム」という考え方の進化板ですね。

スポーツにおける周辺視-運動制御システムに関する研究
運動学習研究会報告集 vol.12 2002

 

 

となれば、「目線をブラさない」ためには、
リリースポイントそのものは見ずに、
インパクトポイントに近い位置に視野を置くことで、
周辺視野を活用したリリース時の目線から
中心視野を活用したインパクト時の目線までの移動を
最小限にする事なんですね。

 

それが実際は「周辺視システム」という言葉で紹介された、
リリース時は「投手の肘周囲を見る」
ということになるのだろうと考えられます.

 

目線のベストポイントを見つける

しかし、必ずこの目線の使い方のベストポイントは
個人差があります。
この個人差とはバッターとしての自分自身の個人差もあり、
また対戦相手のピッチャーとの個人差もあります。

つまり、インパクト時の目線から、
理想的なリリース時の目線を探す必要があります.

 

まず、第一段階として、
自分に合った目線の置き方を探しましょう。

もう少しわかりやすく言うと、
リリースの時にどのあたりを中心に見るのか?
ということですね。

これを日々の練習でつかむ必要があります。

もう試行錯誤しかありません。

 

まずはバッティング練習で先ほど述べた、
「投手の肘周辺」を中心に見てみる。
次に、そこから上下左右に少しずつずらしてみて、
最もボールがよく見える。
最もボールをとらえやすい場所を見つけましょう。

 

 

ちょっと蛇足ではありますが、
上原浩治投手のような投げ方の投手と対戦すると、
もしかすると、肘の位置とほぼ同じ所からリリースされるので、
肘周囲を見ているのでは中心視野に入ってしまい、
ボールが速く見えてしまうのではないか?

そういう仮説も考えられます.

つまり、スピードの割に打ちにくい投手とそうでない投手の違いの
1つのヒントにもなると思います。

 

バッティング・・・非常に奥が深いですよね。

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歌島 大輔

肩/スポーツ領域を得意とする整形外科専門医としての診療/手術・スポーツパフォーマンスアップ、ケガ予防トレーニング等のアドバイス・マインド(脳と心・メンタル)の使い方を指導するコーチングを行っています。

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