今回はマレットフィンガーの
治療後、
指のリハビリテーションのポイントについて
解説いたします。
しっかりリハビリをして、
指の動きを回復させて、
スポーツに復帰したいですね。
こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。
それではいきましょう!
マレットフィンガーの治療法
マレットフィンガーの治療法ですが、
まず腱性マレットフィンガーと
骨性マレットフィンガーで異なります。
腱性マレットフィンガーでは
まず手術は行わず、固定して腱が修復するのを目指すことが多いです。
マレットフィンガーの保存療法
マレットフィンガーで手術をしなくていいケース
マレットフィンガーで手術をしなくていいケースは、
さきほどの通り、腱性マレットフィンガーの場合と、
骨性マレットフィンガーでも、
骨片が小さく、
かつ、ズレがほとんどない
というケースです。
マレットフィンガーの保存治療は第1関節の固定
このときに、
この伸筋腱は
指の第1関節(DIP関節)を伸ばす筋ですから、
少し伸ばしすぎ、
つまり、反らすくらいくらいの位置で固定します。
そうすることで、損傷した腱が
もとあった位置に近づき、
修復を期待できます。
この固定を
金属製の副え木
(アルフェンスシーネ)で行う方法と、
装具で行う方法があります。
どちらにしろ、
一番大切なことは、
治療経過中、一瞬たりとも
第1関節を曲げない
ということが大切です。
そのためには装具やアルフェンスシーネを
自宅で自分で外さないということ。
病院で医師がしっかり第1関節を保持した状態で、
指周りを拭いたり、装具をつけなおしたり
というくらいの徹底が望ましいと考えます。
腱性マレットでも手術で関節を固定することも
このように徹底して固定をしても、
それでも完璧な固定というのは難しいモノです。
そこで、キルシュナー鋼線という針金を関節固定のために
串刺しにする方法もあります。
固定期間は?
固定期間は骨性マレットの場合は5-6週間
腱性マレットの場合は6-8週間が一般的です。
その後、慎重に
指の可動域訓練として
リハビリをやっていくことになります。
マレットフィンガーの手術法
骨性マレットフィンガーにおいて、
少しでもズレがあれば、
手術の方が安心です。
多少のズレであれば、
手術をしなくても骨はくっつきますが、
手術をすることにより、
骨はより確実に固定ができますし、
手術自体も日帰りでできる、
局所麻酔による手術が主流ですので、
積極的に検討していただいていいと考えています。
簡単に言うと、
先ほども出てきたキルシュナー鋼線という針金を
2本ほど使って、
骨折部と関節を固定する方法が一般的です。
マレットフィンガーのリハビリ目標
マレットフィンガーのリハビリの目標は
指の第1関節を
自分でフルに動かせるようにすることです。
特に指の伸筋腱の損傷であることより、
自分の力でまっすぐまで伸ばせない
ということと、
治療によってまっすぐに固定しているため、
カタくなって逆に曲げられなくなる
ということに対して、
改善していくのが目標です。
マレットフィンガーのリハビリの実際
このリハビリはシンプルです。
自分の力で伸ばすように力を入れるのと、
可動域を広げるために
逆側の手を使って曲げ伸ばししていく
ということです。
固定を外してから、少しずつやっていきましょう。
いきなり無理に曲げ伸ばしをしてしまうと、
せっかく治ってきた腱付着部が
再度、損傷してしまう
ということもあり得ますので、
主治医と相談しながら、
リハビリ強度を調整していって下さい。
リハビリの効果を高めるポイント
第2関節を固定して、
第1関節をしっかり動かす
ということが大切です。
指のリハビリでは、
セルフリハビリと言って、
通院せずにご自身で
リハビリをやっていただくことが多いわけですが、
そうすると、
リハビリをやってるつもりで、
例えば、他の関節が動いているだけ
というようなこともよくあります。
また、入浴中に湯船の中でリハビリをすると、
より効果が高まりやすいです。
本日はマレットフィンガーの
リハビリテーションのポイントについて解説いたしました。
少しでも参考になりましたら幸いです。