肩こりの原因と解消法を専門医が徹底解説

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肩こりの痛いマッサージで起こりうる危険 TOP3

僕自身、整形外科の専門医として肩の痛みでお悩みの患者さんを拝見することが多いわけですが、こんなご質問をいただくんです。

 

肩こりで評判のマッサージ屋さんに行ったんです。結構、キツめの痛いマッサージでしたが、そのあとスーッとラクになりました。それ以降、何回か行っているんですが、先日行ったときには、逆に痛みがすっごく増してしまったんです。何が良くなかったんでしょうか?

 

というお悩みです。

 

かなり多いケースですね。痛いマッサージほど、そのあとのすっきり感が強いなんてこともあって、肩こりと痛いマッサージは切っても切れない関係になっちゃっている人が少なくありません。結論から言うと、痛いマッサージは基本やらない方がいいです。さらにこの動画を見ていただくと、マッサージ自体どうかなと思わせてしまうかもしれません。

 

ただ、気持ちいいマッサージであれば、それ自体を否定するモノでもありませんのでご安心ください。また、特に第1位の危険性を知っていただくと、今後の肩こりに対する対処法が変わってくると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

では、さっそくいきましょう。

 

肩こりの痛いマッサージで起こりうる危険

第3位 逆に筋肉の緊張が強まる

これは俗に言う、「揉み返し」と呼ばれる現象で有名ですね。マッサージというのは大原則、筋肉の緊張をゆるめる、ほぐすためのものです。そのために筋肉に外から様々な方向、強さの刺激を加えることで、血管も圧迫されたり開いたりという動きが出ることで血の巡りが促進されたり、神経的にも気持ちよさが副交感神経を刺激して筋肉のリラックスに繋がります。

そういう刺激がマッサージの大切なメカニズム、正体なんですが、イメージとして勘違いしている人がいます。その典型的な間違ったイメージが、もんだり叩いたりすることで物理的に筋肉が柔らかくなるというイメージです。このイメージがあるせいで、強い痛いマッサージこそ効果があると思ってしまうんですよね。

 

でも、本当にマッサージで物理的に筋線維に変化を起こすのなら、そうとうな力を加える必要があり、その結果起こるのは、肉離れのような状態です。正確には筋挫傷という病名になりますが、柔らかくなるどころか思いっきり逆効果です。

 

ただ、実際には筋挫傷を起こす前に身体を保つホメオスタシスは防御反応として筋肉をよりかためます。緊張が強まるわけですね。これが「揉み返し」の正体です。

当然、肩こりの症状も強まって、何のためのマッサージか、本当に謎な状態になってしまいます。

 

では、次、

第2位 マッサージの強さがエスカレートする

これは第3位の揉み返しと繋がった話ですが、強い、痛いマッサージで身体が反応して筋肉を緊張させたとします。それがわかりやすい、もう二度とやらない!と思えるレベルの揉み返しとして自覚できればまだマシで、多くはそこまでわかりやすくない筋肉の緊張が起こっていて、段々とマッサージの強さを強くしないとマッサージの効果がないような錯覚に陥ります。これはマッサージを受ける側の感覚としてもそういう錯覚になりますし、マッサージする側も強く押し込まないと柔らかくならないという錯覚になってしまうわけです。

 

最初のご質問いただいた人もこのエスカレートの結果、強烈な揉み返しを食らったと考えられます。

 

そして、最後、

第1位 根本治療からむしろ遠ざかる

これは大きいですよね。根本的に筋肉が緊張しているから肩こりになってしまって、それをほぐすためにマッサージを受けてきたのに、それが結果的に根本治療がから遠ざかってしまうんです。

 

どういうことかというと、肩こりの根本である筋肉の緊張を深掘りしていくと、その理由がわかります。筋肉の緊張というのはどういうときに起こるかと言うと、同じ姿勢を維持せざるを得なかったときなんですよね。デスクワークで朝から晩までパソコン作業や書類作業をしたり、ひたすらに同じ姿勢でスマホをいじっていたりなんていうのは典型的です。

逆に野球とか、肩を激しく使う作業では肩こりは基本起こりにくいです。その激しさの割に意外ですよね。実際に筋肉の疲労は起こっていたと思うんですが、それと肩こりの筋緊張はちょっと違うようです。僕も学生時代野球ばっかりやっていたころ、いつも床屋さんがちょっとサービスでやってくるマッサージの時に、「肩がとても凝ってますね」と毎回言われていました。でも、実際には「え、肩こりってどんな感じ?」と意味がわからないくらい、肩こりを感じたことはなかったんです。

 

何が言いたいかと言うと、動かないことが筋肉の緊張を生み出すというのは多くの人が実感として感じていることで、じゃあ、逆にどうすればいいのかと言えば、「動かす」ことなわけです。それは肩こりの正体が自ら動かせる臓器である筋肉にあることを考えれば当然ですよね。

 

それなのに痛いマッサージで、ちょっとラクになった気がする。でも、また肩こりが強まって、マッサージを受ける・・・というマッサージ依存状態になってしまうと、根本的な自ら筋肉を動かして肩こりを改善するというアプローチがどんどんおざなりになる傾向があります。

 

痛くないマッサージ、気持ちいいマッサージなら全然良いと思うんですけど、それも肩こりの根本治療じゃなくて、単なるサポート程度だと認識した上で受けていただくことが大切だということになります。

 

ということで、復習です。

 

肩こりの痛いマッサージで起こりうる危険 TOP3

第3位 逆に筋肉の緊張が強まる

第2位 マッサージの強さがエスカレートする

第1位 根本治療からむしろ遠ざかる

 

このような感じで、僕自身のスタンスとしては医師ですから、医学的に正しい知識というモノをちゃんとお伝えしたいと思っています。しかし同時に、医師以外の職種、例えば、整骨院や整体院、カイロプラクティックの先生方の施術などをむやみに否定するようなことはしたくないと思っています。実際、そういった先生方との交流もあったり、僕自身も勉強させてもらったりして、そこで医学的な知識とすりあわせながら、医師の視点で解説していく、医師の視点でセルフエクササイズを発展させていくということをやっていっています。

 

肩こりが解消されない人の決定的特徴TOP3

肩こりは日本人の現代病とも言うべき悩ましいモノです。この肩こりを解消するという名目でマッサージや整体、鍼灸、もしくは解消グッズ、解消ストレッチなどなど、一大ビジネス産業になっちゃっているわけです。それでも肩こりを解消する決定打がないまま、肩こりで悩む人はお金と時間と労力を搾取されていく。

例えば、派遣社員として都内で働く43歳女性のこんなご質問です。

 

日々、朝から夜までデスクワークの毎日ですが、午後になってくると肩こりがツラすぎて集中できません。マッサージに行けば、そのときはラクになるのですが、翌日にはまた元通りでつらいです。整形外科に行って薬をもらったりもしました。薬は多少は効くモノの、いつまでも飲み続けるのも抵抗があり、やめています。どうすればいいでしょうか?

 

こういう方は相当多いと思います。整形外科の外来をやっていても、かなり多くのご相談をいただきます。残念ながら、今僕がメインでやっている外来は主に肩の精密検査や手術が必要な患者さんの治療が中心で、肩こりに対しては時間をかけて治療ができているわけではありません。だからこそ、こういった動画でお伝えできることを積極的にお伝えしようと考えています。ということで、今回は肩こりが解消されない人の決定的特徴TOP3ということで、3つに特徴をまとめました。この3つの特徴の逆をいけば、解消される可能性が上がるわけです。さらに、この3つの特徴を踏まえた、具体的な肩こり解消治療習慣を2つ最後にご紹介します。

ではさっそくいきましょう!

肩こりが解消されない人の決定的特徴TOP3

第3位 依存心が強い

まずはこちらです。依存心ですね。何に依存しがちかと言えば、マッサージ好きな人はマッサージに依存し、湿布や薬が好きな人は薬に依存しがちです。でも、これは別にマッサージが良くないとか、薬が良くないということではないんです。それはそれとして活用して良いんですが、依存心が強い人は、例えば肩こりが強いときに、「ああ、次にマッサージにいけるのは明後日か、つらいな」と考えてしまうんですね。つまり、マッサージしないと治らないのが肩こりという思考回路になってしまっているわけです。これでは毎日マッサージに通わないといけない・・・どころか、依存している場合はおそらく、毎日マッサージするように頻度を上げても、それに追いつくように肩こりの頻度も上がって、1日2回マッサージしないといけないとか、イタチごっこみたいになりがちです。極端な例ですが、これが依存の恐怖です。

では次です。

第2位 日々のストレスに目を背けている

次はストレスですね。ストレスが肩こりの原因になるというのは常識になっているかと思いますが、その理由について説明できる人は少ないです。なぜストレスが肩こりの原因になるかと言えば、それは身体の防御反応なんですね。ストレスという精神、メンタルをむしばむ攻撃から身体をどう守ろうか?脳をどう守ろうか?と考えたときに、肩周りの筋肉をこわばらせて、緊張させるんです。どういうことかと言うと、外敵がいないときは人はリラックスして筋肉も緩んでいます。いわゆる副交感神経が優位な状態です。しかし、外敵とも言うべきストレスが脳を、精神を攻撃してくれば交感神経が優位になって、筋肉が緊張し、血管も収縮します。臨戦態勢なわけですね。でも、ストレスという外敵はメンタルの問題なので、筋肉を緊張させても、本来的には意味がないわけです。だって、野生動物のようにいつ襲われるかわからない状態とは全然違うわけですから。しかし、進化の過程でどうしてもストレスがかかると筋肉の緊張が起こってしまうのは現代人にも共通していて、むしろ、ストレス自体は現代社会においてはどんどん高まってしまっていて、結果、肩周りの筋肉の血の巡りが悪くなって、痛みや重苦しさを感じさせる。肩こりが現代病になってしまっているわけです。

この根本原因であるストレスに目を背けているうちは、なかなか肩こりは良くならないというのも当然と言えば当然です。

では、最後

第1位 ひたすらに肩こりを気にする

これは第2位のストレスから目を背けるの続きでもあります。ストレスが肩こりを起こす理由を解説しましたが、さらに深掘りすると、身体の司令塔である脳が精神的なストレスを物理的な痛みに変換して、脳にとって負荷がかかる精神的ストレスから目を背けさせているという考え方もできるわけです。脳にとっては精神的ストレスと向き合うことや、その解決策を考えることは重労働ですからできれば避けたい。だから、手っ取り早く肩こり症状を出して、そっちに意識を向けさせたいわけです。脳の防御反応としてはあってしかるべき反応ですし、ホメオスタシスという身体の大事な働きの中の1つに含まれると考えています。

そうなると、「ああ、また肩こりが強い、きついな、つらいな」という感じでひたすらに肩こりを気にしている状態は脳にとっては「狙い通り」なわけです。本来、肩こりをひたすら気にして、肩を回したり首を回したりすることで、肩こりを解消しようと頑張るわけですが、逆に脳にとっては「気にしてもらっている。このまま肩こりを続けよう!」ってなっている可能性があるんですね。

ということで、復習です。

肩こりが解消されない人の決定的特徴TOP3

第3位 依存心が強い

第2位 日々のストレスに目を背けている

第1位 ひたすらに肩こりを気にする

そして、この3つの特徴を踏まえたオススメ治療習慣を2つご紹介します。

肩こり解消のための治療習慣

1.肩甲骨トレーニングを時間を決めて習慣化する

第1位のひたすらに肩こりを気にするという状態から抜け出すためには、肩こりがキツくなったらストレッチをする、マッサージをするという対策ではなく、肩こりがキツかろうとキツくなかろうと、定期的にコンディショニングとして肩甲骨周囲筋を動かしていく。ということです。これだけでも自ら主体的に行う治療習慣として依存心を下げる効果があります。

それも肩こり解消運動とか肩こり解消ストレッチとか、肩こりにフォーカスした名前のエクササイズじゃなくて、例えば、「肩甲骨トレーニング」というように肩甲骨の動きをレベルアップさせる習慣という意識で取り組むことが大事です。肩こりというものから意識を遠ざけたいわけです。

ちなみに、肩甲骨トレーニングという言葉じゃなくても、肩こりというネガティブな言葉が入ってなければ、なんでも良いですし、そのトレーニングの中身も極論、肩甲骨周囲筋をまんべんなくつかえればOKです。オススメのエクササイズは動画概要欄でご紹介しておきますのでご覧下さい。

では、次です。

2.肩こりの背後に潜むストレスを認識だけする

肩こりは脳が精神的ストレスから目を背けさせる防御反応としての一面があることをお伝えしましたが、それであれば、目を背けなければいいわけです。でも、例えば、精神的ストレスがなかなか強敵なパワハラ上司だったり、家庭内の複雑なトラブルだったりすれば、まあ、滅入りますよね。そういった問題の解決策はコーチング的にはもちろんあるわけですが、ここから動画が1時間以上続くことになるので、やめておきますが、とりあえず、そういったストレスの原因がどこにあるかを認識する、もしくはハッキリわからなくても「何にストレスを感じてるかな」っていうのを漠然と考えてみる。ということ。これを肩こりを感じたときの習慣にするといいと思います。肩こりのたびにストレスの原因を解決しようと頑張るのは疲れちゃうので、ただ、その背後にあるストレスに目を向けるだけ。目をそらした結果が肩こりなら、目を向ければ、いつのまにか肩こり自体は減っているということは十分あり得る話になります。

 

悪化するリスクが高い肩こりマッサージ ワースト3

 

肩こりのテッパン治療としてはマッサージですよね。凝り固まった筋肉をほぐすにはダイレクトにもみほぐしてもらうのが一番!というイメージでマッサージを好む人はとても多いです。しかし、やり方を間違えると悪化してしまうリスクがあるのもマッサージの怖いところですから、マッサージが効果を出すのに必要な条件は押さえておきたいところです。

ということで、今回は悪化することすらあり得る肩こりマッサージの条件ワースト3をお届けします。この条件を点検、チェックしてもらうことで少しずつでも改善させる方向に向かわせるマッサージというものを選択していけるようになります。

 

ではさっそくいきましょう!

 

悪化するリスクが高い肩こりマッサージ ワースト3

第3位 範囲が狭いマッサージ

肩こりをターゲットにしたマッサージですが、典型的な僧帽筋の上部繊維ばかりマッサージする、他はやってもちょろっと。みたいなところもあるようです。肩こりの大きな原因の一つである、僧帽筋も実際はこんなに幅広く走っている筋肉ですから、これだけでもかなり背中の方までマッサージする必要がありますし、凝りや痛みを感じるのが1箇所だけでも、一つの筋肉だけが凝るってことは滅多にないので、肩甲骨と背骨をつなぐ筋肉たちは満遍なく刺激を加える必要があると考えます。そうしないと、血流や筋緊張が改善した筋肉とそうでない筋肉のアンバランスのせいで、また、すぐに肩こり症状が振り返す、ときに悪化するなんてこともあり得ると考えています。そういう意味では「そこはあんまり凝ってないんだけどなぁ」って思うところまでやってくれる人の方が、もしかしたら効果が高いかもしれません。

では次です。

第2位 リラックスできない環境

これは、そりゃそうだろという感じですが、意外と気にしないポイントだったりします。どのマッサージ施設も環境にはある程度気を使っています。しかし、どういう環境でリラックスできるかは個人差が大きいです。部屋の明るさだって、好みがありますし、うつ伏せがいい人もいれば、横向きの方がいい人もいたり、施術ベッドの硬さなんてのも好みがあるはずです。あとはマッサージ師との相性もありますよね。そういう中でシンプルにリラックスできるか、なんかぎこちないなと感じるか、これは大切なポイントだと思います。リラックスできない環境ではどんないいマッサージも逆効果になりかねません。

では、最後です。

第1位 痛いマッサージ

これはわかりやすいダメなマッサージです。痛いくらいじゃないと効く気がしないという人もいますが、そういう人はマッサージに対する認識を修正する必要があるかもしれません。ありがちな認識、イメージは肩こりの凝り固まった、かたーい筋肉をマッサージの力で筋繊維を壊すかのようにしてほぐしていく。みたいな感じですね。壊すという表現はしないにしても、それに近いイメージを持っている人がおられます。でも、違うんですね。物理的な硬さをマッサージの力でどうにかしようとするものではないんです。あくまでも硬いのが柔らかくなるのは筋肉の緊張が低下していくことによって、もしくは、筋肉の血の巡りが良くなることによってです。そのために必要な刺激は痛いくらいの強い力ではありません。気持ちいくらいがちょうどいいわけです。まあ、ちょっとイタ気持ちいいくらいなら、痛みの閾値は個人差が大きいので、アリかなと思います。

痛いマッサージは交感神経が優位になりますので、筋肉の緊張は高まりますから逆効果になるわけですね。痛いマッサージの後、いったん、反動で副交感神経が優位になりますから、痛いマッサージほど解放されたあとは気持ちいい、楽ってかんじることもあるかもしれません。でも、反動で優位にした副交感神経は、またその反動で交感神経優位になりやすいです。つまり、もみ返しってやつですね。

もみ返しの正体はそれだけではなくて、強いマッサージによる毛細血管レベルでの損傷なども考えられています。やはり、痛いマッサージは良くないという認識でいくべきかなと思います。

ということで、復習です。

 

悪化するリスクが高い肩こりマッサージ ワースト3

第3位 範囲が狭いマッサージ

第2位 リラックスできない環境

第1位 痛いマッサージ

 

どれもシンプルで当たり前の話だったかもしれませんが、今一度、このワースト3になってないかチェックしてもらって、マッサージ効果を最大化してみていただければと思います。

世の中にはいろいろな考え方でマッサージをしてくれるところがあると思いますが、常に身体の基本は変わりません。肩こりの場合は、筋肉の緊張状態を緩めること、血流を促進することを追求するということから外れないように意識していただくといいかと思います。

 

肩こりに効かすストレッチ決定版

今回は肩こりに効かすストレッチ決定版ということで、肩こりに効かすための3ルールをお届けします。

肩こり、本当に生活の質に関わる厄介な症状ですよね。腰痛にならび、国民病と言われる肩こりですが、それゆえ、いろいろな治療法が出ては消えを繰り返しています。いろいろな治療があるのは悪いことではないと思います。その中にあなたに合うものがある可能性は十分あります。でも、選択肢がありすぎると・・・正解に辿り着くまでにどれだけ間違えれば良いのか?って感じになりますよね。そうなんです。

だから、僕はばんにんに100%効果がある肩こり対処法っていうのをお伝えしたい。でも、まだ僕にその方法論はありません。でも、肩こりという病態から押さえておかないといけない大原則というものはお伝えできます。この原則から外れたことをやっていれば、そりゃ良くならないよなっていうものです。

今回はその大原則として3つのルールをお伝えしますが、そのルールは実践的です。ばんにんに100%効くわけではありませんが、やっといて損はない、そういうストレッチをご紹介しています。実践してみた感覚の変化、感触についても、もしよろしければコメントで報告していただくと嬉しいです。

ではさっそくいきましょう!

肩こりにストレッチを効かすための3ルール

(1) スタティックストレッチではない

ストレッチというのは大きく分けて、スタティックストレッチとダイナミックストレッチというものがあります。それは静的ストレッチと動的ストレッチとも言いますが、ゆっくり同じ状態を維持するストレッチと、動かしながら伸ばしていくタイプのストレッチの違いです。こういうのを30秒維持、みたいなのがスタティックストレッチで、体操みたいに動かしていくのがダイナミックストレッチです。イメージとしてはスタティックストレッチは柔軟性を上げる効果が高く、ダイナミックストレッチは筋肉のコンディションを上げる効果が高いと考えてください。となれば、肩こりって柔軟性が落ちているというより、筋肉のコンディションが悪い状態ですから、スタティックストレッチじゃなくてダイナミックストレッチを中心にするべきと考えています。

では次です。

(2) 肩甲骨を寄せて・拡げる

では、どういうダイナミックストレッチをするべきかということを考えると、肩こりというのは背骨と肩甲骨を繋ぐ筋肉のコンディションが落ちているケースがほとんどなので、その筋肉を上手に使っていくダイナミックストレッチが中心になっていくべきです。特に使えていないのが肩甲骨を背骨に寄せる動きと、その逆に肩甲骨を外側前方に拡げていく動きです。これをダイナミックに使っていくエクササイズ、ダイナミックストレッチの代表はCATと呼ばれるものです。これは四つん這いになって、肩甲骨を寄せるように背骨を反らせて、横から見ても前から見ても背骨を中心に凹んでみえる状態を作り5秒保持、その後、背骨が頂点になるように前から見ても横から見ても丸まった状態にして5秒。この繰り返しを5セットくらいやっていただくといいかと思います。

では最後です。

(3) 肩甲骨を上げて・下げる

先ほど、ダイナミックストレッチとして肩甲骨を寄せて拡げるという、左右方向、水平方向への動きで筋肉のコンディションを上げるCATをお伝えしましたが、次は上下方向です。肩甲骨を上に上げて、下に下げるという動きですね。シンプルに肩すくめ運動でもいいんですが、下げるということもさらに背骨の動きとも連動させて肩甲骨周囲の筋肉を使っていくということも含めたダイナミックエクササイズをご紹介します。

まず肩甲骨周りをリラックスします。腕はダランと下ろしておきます。その状態で片方の肩甲骨をマックスで上に上げ、逆の肩甲骨はマックスで下げる意識で下げます。この時に背骨が動くのはヨシですが、骨盤はできるだけ動かさないようにしましょう。左右の肩甲骨の高さの差が大きくなるようにします。この状態で5秒。次に、右と左を逆にして5秒。これを5セットやりましょう。

ということで、復習です。

肩こりにストレッチを効かすための3ルール

(1) スタティックストレッチではない

(2) 肩甲骨を寄せて・拡げる

(3) 肩甲骨を上げて・下げる

こういう基本を押さえた上でさらに特徴的なエクササイズとか施術とか、いかにも効きそうと思える宣伝に乗っかってみたっていいと思います。ただ、基本を押さえた上でないと、悪徳な危険なものの被害に遭ってしまったり、効果がないままお金と時間を無駄にしてしまうリスクがあります。そういう意味ではこちらのチャンネルでは基本的なことを中心にまず押さえてほしい原則を多めに投稿していますので、ぜひ他の動画もご覧いただければと思います。

背中寄りの肩こり解消ならこのエクササイズ!

 

肩こりといっても痛みや重苦しさを感じる部位はいくつかあって、まさに典型的なこういう部分のこともありますが、意外と多いのが背中より、肩甲骨の内側あたりです。この背中寄りの痛みって、「そもそもコレは肩こりなのか?」という気持ち悪さや、五十肩や腱板断裂も同時にある人はもう肩が痛いのか、背中が痛いのかわけがわからなくなってしまったりします。今回は特にこの背中寄りの肩こりを重点的に解消するためのエクササイズです。この肩甲骨の内側には背骨と肩甲骨をつなぐ筋肉が集まっています。この筋肉のコンディションをいかに改善していくかということがポイントです。ただ、これは肩こりだけじゃなくて、五十肩や腱板断裂など肩関節の症状がある人にもぜひ聞いていただきたいお話です。なぜなら肩関節の土台は肩甲骨だからですね。土台となる肩甲骨の動きが悪いと、結局肩関節の動きも悪くなったり、負担が集中して五十肩や腱板断裂の原因になったり、すでにそうなってしまっている人が治りにくくなったりします。ですから基本エクササイズとして、肩こりが気にならない人でも肩甲骨周りの筋肉のコンディションを良くすることは大切です。その基本エクササイズとしても使えるものを3つお伝えします。一つ一つ、なんで肩こり解消に繋がるのかということや五十肩などとの関係についても解説していきますので、しっかりご理解いただいた上でエクササイズに取り組んでみてください。3つともやっても30秒カケル3の1分半で終わります。

ではさっそくいきましょう!

背中寄りの肩こり解消エクササイズTOP3

第3位 小胸筋ストレッチ

まず最初のエクササイズはストレッチです。ストレッチは筋肉を伸ばすことですから、この場合、小胸筋を伸ばすことが肩こり解消になりうるということです。これを理解するには肩甲骨を取り巻く筋肉のバランスについてザックリ知っておくと良いかと思います。それは前がカタく、後ろが弱いというアンバランスが起こっているということです。前というのは肩甲骨の前、すなわち、胸や鎖骨側にある筋肉で、後ろ側にあるのが肩甲骨と背骨をつなぐ筋肉です。この前のカタくなっている筋肉の代表的なものが小胸筋なんですね。この小胸筋が重要な理由はそのくっついてる場所のためです。どこにくっついているかと言えば肩甲骨の前に飛び出している烏口突起という場所です。この烏口突起は肩甲骨の動きの起点でもありますが、肩関節の動きにも密接に関わる靭帯がくっついています。この靭帯がかたくなると五十肩として肩が硬くなる原因になります。そんな重要な部位にくっつくのが小胸筋ということです。ここで、その烏口突起を触れるようになっておきましょう。肩を外側から触っていくとまず上腕骨という腕の骨が触れます。これは腕を動かせば動いていることが触れるのでわかります。そこから胸の方に少しずつ内側を触れていくと、また、出っ張りが触れるはずです。上腕骨のほんとにすぐ内側です。それが烏口突起がどうかを確認するには、まず先ほどのように腕を動かしてみて、先ほどと違ってほとんど動かないことを確認します。腕を動かしても肩甲骨の一部である烏口突起は動きませんよね。さらに、そこより少し上、頭側に別の骨として鎖骨が触れれば、もうそれは烏口突起以外の何者でもありません。

そして、この烏口突起のすぐ内側が小胸筋です。

この小胸筋はストレッチによって柔らかくしておくことが大切です。実際のエクササイズは最後にまとめて一緒にやりましょう!

では次、

第2位 僧帽筋の下のエクササイズ

背中よりの肩こりというと、そのほとんどは肩甲骨の内側です。そこにある筋肉の表面側、もしくはアウターマッスルが僧帽筋です。僧帽筋は「ここ」っていうイメージをお持ちかもしれませんが、相当デカい筋肉で、背中の上半分は僧帽筋と言ってもいいレベルです。この僧帽筋は上から上部、中部、下部にわかれていて、特に背中よりの痛みには下部が大切です。この僧帽筋下部はストレッチではなく、トレーニングとしてしっかり使うことが大切です。

では最後、

第1位 菱形筋エクササイズ

第1位はまさに肩甲骨周囲のインナーマッスルの代表的な筋肉のエクササイズです。その前に恒例のご紹介です。肩の治療に関する渾身の電子書籍「Shoulder Rule」をプレゼント中ですので、動画概要欄をご参照ください。

では、第1位。菱形筋エクササイズです。この菱形筋は肩甲骨の内側にあるだけでなく、内側に直接くっ付きます。肩こりが強い人が押して痛いところって、肩甲骨の内側のライン上にあることが多いのですが、それはこの菱形筋の付着部の可能性があります。小胸筋が硬くて、菱形筋が弱いと、常に菱形筋は負けて引っ張られて、その付着部が痛くなるというストーリーを考えています。となれば、第3位で述べたように小胸筋をストレッチしつつ、菱形筋のコンディションを上げていくということが必要になるわけですね。そのための菱形筋を働かせるエクササイズが第一位です。

ということで、復習のあと、一緒にエクササイズしてみましょう。

背中寄りの肩こり解消エクササイズTOP3

第3位 小胸筋ストレッチ

第2位 僧帽筋の下のエクササイズ

第1位 菱形筋エクササイズ

では、一緒にやってみましょう!

まず小胸筋ストレッチです。(カウントダウン!)小胸筋は先ほど触っていただきましたね。烏口突起の外側でしたが、そこを親指以外の4本の指で押し込むようにして、肩甲骨を内側、背中側に寄せていきます。押している部分のさらに内側にある小胸筋が伸ばされる感覚を感じながら30秒です。呼吸は止めずにゆっくり深く、滑らかに続けてください。では次、僧帽筋下部ですね。腕を挙げた状態で僧帽筋下部は働くので、その状態で肩甲骨を内側に寄せていきます。先ほど同様、胸を張るという意識でもいいです。これはうつ伏せになると重量が負荷として加わり、さらに有効になりますが、すごく鍛えるということが目的ではないので、座っていても立っていても良しです。

そして最後、菱形筋エクササイズですが、これは頭の後ろに手を持っていった姿勢で行います。その姿勢でまたまた肩甲骨を内側背中寄りに寄せていきます。胸を張るわけですね。呼吸はストレッチほどゆっくりじゃなくても普通の呼吸で良いかと思いますが、やはり止めずに継続しましょう。

もうお気づきと思いますが、いずれも肩甲骨を内側に寄せる、胸を張るという動きということは共通していましたね。しかし、小胸筋の付着部近くを押し込むことによりストレッチ効果を高めたり、腕の位置を変えることで効かせる筋肉を変えることで3位から1位までのエクササイズになったわけです。習慣化するのも難しくない3種類だと思いますので、繰り返しご覧いただきながら生活に取り入れてみてください。

 

ガチガチの首こり肩こりを改善する肩甲骨はがし

 

肩こり、首コリ、ツラいですよね。僕も学生時代、野球ばっかりやっていた頃は全然感じなかったんですが、ここ数年、肩こりって、こういうことかっていうのを実感する日々です。やっぱり、医師ってストレスフルな仕事なんですよね。っていうのは、冗談です。僕自身、もちろん責任の重みは感じつつも、治療すること自体の喜びを日々感じながら仕事をしているので、あまりストレスが強いなぁと感じることはありません。それでもやっぱり、野球をやっていた頃に比べると遥かに肩甲骨を動かす機会が少なくなって、肩こり、首コリを感じることが増えてきました。昔は思ってたんです、「肩こってるって、怪訝な顔しているけど、そんなツラいのかな?」って。そして、いざ肩こる側になると、「わかんないだろうなぁ、昔の俺にはこのツラさは」って感じで、肩が重いとか、苦しいとか、痛いとか、まぁ、一言では表しがたいこの感覚にジワジワ襲われていると、精神的にもきますよね。だから、肩甲骨はがしやりましょう!ってなると思うんですが、肩甲骨はがしって、残念ながら今はビジネスっぽくて嫌いなんです。なぜなら、医師として肩甲骨周りの手術もすることがある自分としては、肩甲骨って剥がすようなものじゃないだろうって常々思っていたんですね。事実、肩甲骨がネットリくっついているようなものじゃないので。

しかし、世で言われている肩甲骨はがしは意味がないわけではないというより、その視点は素晴らしいなと思う面があります。ですから、肩甲骨はがしのホントの所というようなテーマで、肩甲骨をはがすために外せないポイントTOP3をお伝えしたいと思います。最後には、外せないポイントを押さえた実践的で簡単なセルフ肩甲骨はがしをお伝えします。

ではさっそくいきましょう!

肩甲骨をはがすために外せないポイントTOP3

第3位 肩甲骨が癒着しているわけではないことを知る

まずこれです。先ほどもお伝えしたとおり、肩こり、首コリしている人の肩甲骨が肋骨とか周りの筋肉に癒着しているわけではないんです。だから、外から頑張ってもみほぐして、動かしてもらって、剥がすようなモノじゃないっていうのが僕の考えです。

でも、癒着してるんじゃないかって思っちゃうくらい、肩甲骨が動きにくい、重いって感じている人もおられると思うんです。その原因が筋肉です。一言で言えば、筋肉のコンディションが悪いってことです。もうちょっと、細かく言えば、肩甲骨の周りの筋肉がうまく使えてなくて、その結果、筋肉の血の巡りが悪くて、血の巡りが悪いってことは、筋肉が段々カタくなって、また、うまく使えなくてという悪循環です。これをどうにかしたいわけですね。ここが大事なポイントです。別に剥がさないといけない癒着があるわけではなくて、そう思わせるくらいに筋肉のコンディションが悪いってことが肩こりの主な原因だってことですね。

では次です。

第2位 腕のイメージを変える

肩甲骨周りの筋肉が上手く使えていないって話をしましたが、その一つの大きな要因がセルフイメージです。セルフイメージっていうのは自分自身をどう捉えるか、どうイメージするかということになりますが、例えば極端な話、人間は自分は二足歩行するというセルフイメージがあるからこそ、両脚で歩けるわけです。もし、セルフイメージが四足歩行であれば腕は前足になってしまいます。これはまあ、あり得ないレベルの極端な話ですが、それだけセルフイメージが実際の動作に現れるということを押さえた上で、大切なセルフイメージが、腕のイメージです。多くの人は腕のイメージをここ(肩)から先というようにイメージしています。それだと、日々、手を使うときに動く視点はまさにここ、肩関節です。そうなると、その根本の肩甲骨は動かないわけですね。しかし、本来、肩甲骨というのは自由な骨です。関節として結合しているのは鎖骨とピンポイントでくっついている、この肩鎖関節のみで、あとは、肋骨に沿って浮いているような骨なんですね。ですから、実際、腕のイメージとして、背骨から肩甲骨が腕のスタートとして生えているようなイメージ。まさに翼のようなイメージで肩甲骨を腕として捉える。このイメージを持つことができれば、それだけで肩甲骨の動きは変わると考えています。では最後です。

第1位 実践、肩甲骨はがし!

ということで、ここまでのお話を踏まえて、実践的な肩甲骨はがしを解説します。肩甲骨が実際に物理的に何かにくっついてしまうような癒着を起こしているわけではなく、筋肉のコンディション不良が肩こりなどの原因であり、肩甲骨が腕の一部のようなイメージを持つことで日常的に肩甲骨をよく動かしていくことが大切という話でしたが、そう考えると、治療院のようなところで受ける肩甲骨はがしと称したマッサージ的な手技は根本的ではないということがわかります。これからお伝えするように自ら動かす、セルフエクササイズというのが何より根本です。筋肉の働きは自ら動かすことですから。そして、イメージとして腕の一部としての肩甲骨を意識できるカンタンエクササイズをお伝えします。と言っても、すでにやっておられる人もいるかもしれませんし、肩がこったら、この動きをやる人は少なくないので浸透はしていると思います。こういうやつですね。しかし、ここまで学んでいただいたあと、意識するポイントをしっかり意識して行うことで効果は全然違ってくると思います。このエクササイズはダイナミックストレッチと言ってもいいと思いますが、なぜ肘を曲げてやるか、別に肘は伸ばしたまま腕をグルーンと回せばいいじゃないかって思いますよね。でも、そうでなく、肘を曲げて肩に手を置いた状態で回す理由は腕が肩甲骨から始まっていること、肩甲骨を含むことをより強く意識するためです。ただ、腕を回すという意識だとどうしても肩関節を支点に動かしがちです。しかし、肘を曲げて、腕が短くなった状態だと、より根本よりに意識が向くので、肩甲骨から動かすということが意識しやすくなりますし、さらに、肩甲骨ごと動かさないと小さな動きになってしまうので、肘を回す円の大きさを大きくしようとすることで自ずと肩甲骨を動かせます。ということで、やってみましょう。肘が描く円運動は4種類を考えてください。前後方向に描く円と左右方向に描く円の2種類の円を、逆方向に回すことも含めて4種類ですね。それぞれ10回ずつ、段々、描く円の大きさを大きくしていく意識でやっていきます。ではやってみましょう。そして、最後に肩を揺らせてリラックスして終わりましょう。

ということで、このよくある肩回しエクササイズもしっかりメカニズムを理解して、ポイントを意識することで、肩甲骨が剥がれたかのように大きく、なめらかに動かせるようになり、そして、日々、肩甲骨から腕が始まっている意識が高まることで、上手に肩甲骨を使うことができるようになります。これが、本質的な肩甲骨はがしではないかなと僕自身は考えています。

 

五十肩と肩こりの判別テスト【解消法と治し方が全然違う】

あなたが自分は肩こりかな、五十肩かな、いずれの感覚をお持ちでも、まずこの動画でそれぞれの違いを理解していただくことで、治療法がバシっと定まって、解消への最短距離を歩めるようになります。というのも、意外と「五十肩だと思うんですが」とおっしゃりながら、診察してみると、「これは肩こりですね」ってことや、その逆があるんですよね。肩こりも五十肩も、病名からしてザックリした名前なので、患者さんがお持ちのイメージもザックリ、あいまいなものになっています。その結果、世に溢れる肩こりの治療を五十肩の患者さんが実践して、肩の痛みが悪化してしまったり、逆に五十肩の治療を受けていたけれども、実は一番ツラい症状は肩こりだったなんてことになりかねないんです。

ですから、まずこの動画の判別テストはとても簡単なものですので、試していただければと思いますし、それぞれの判別テストでなぜ判別できるのかを知ることで、五十肩と肩こりに関する理解が深まって、結果、治療も進みやすいと思います。

ぜひ、順番に最後までご覧いただき、最後には恒例の具体的なアクションプランをご提示しますのでよろしくお願いいたします。

では早速行きましょう!

五十肩と肩こりの判別テストTOP3

第3位 一番痛い部位テスト

まずシンプルに痛い部位です。よく言われるのは、「肩が痛いんです」というゼスチャーでわかるってやつです。(肩外側を押さえて)肩が痛いんです。っていう人は五十肩、(僧帽筋を押さえて)肩が痛いんですって言う人は肩こりということです。結構、わかりやすくこの2パターンの症状にわかれます。多少バリエーションがあって肩こりの場合はもうちょっと背中よりを押さえたりということがありますし、五十肩の場合は腕が痛いというようなゼスチャーや症状の訴えがあることも少なくないです。この一番痛い部位の境界線はここです。肩鎖関節。鎖骨の先端と言ってもいいですが、この鎖骨の先端よりも内側か外側かでだいたい分かれます。内側は肩こり、外側は五十肩ってことです。これはかなり乱暴なザックリな分け方ですが、まず第一段階としてはヨシとします。では次です。

第2位 痛い動きテスト

次は痛みが出る動きのテストです。本質的に言えば、肩こりの主体は肩甲骨、もっと言うと、背骨と肩甲骨をつなぐ筋肉の問題です。それに対して、五十肩は肩関節、すなわち、肩甲骨と上腕骨という腕の骨の間の問題です。となれば、背骨に対して肩甲骨を動かす、もしくは肩甲骨に対して背骨、特に首を動かしたときに痛みが走れば肩こり。肩甲骨を固定して腕を動かした時に痛みが走れば五十肩という判別の方法です。この判別方法を応用した簡単なテストを最後、アクションプランで紹介します。

では最後

第1位 可動域テスト

肩こりは先ほども述べたとおり、背骨と肩甲骨の間の問題です、肩甲骨剥がしなんて言葉が出るくらい、動きが悪い、ガチガチにかたまったイメージがありますが、実際の所、動かせる範囲が狭まるほどではありません。本当の意味での癒着が起こっているわけでもありません。ですから、筋肉が上手に使えなくて動きが悪い印象があったとしても、なんとかバンザイまでもっていけますし、手も背中に回せるはずです。それに対して、五十肩は肩甲骨と上腕骨、すなわち肩関節の問題ですから、関節拘縮という本格的に可動域が狭くなることが多いです。この可動域テストも最後にアクションプランでまとめて解説します。

このように肩こりと五十肩は本質的に問題が起こっている場所が違うので、起こる症状も違うので判別は難しくありません。しかし、ここでとても大切なポイントなんですが、五十肩と肩こりが同時発生することが少なくないんです。元も子もない話ですが、五十肩にしろ肩こりにしろ、肩甲骨が一つの共通点としてありますよね。ですから、肩こりで肩甲骨の動きが悪くなると、その結果、五十肩になりやすかったり、逆に五十肩が起こって、肩をあまり動かせなくなっていれば、肩甲骨周りの筋肉も使えないので肩こりになってしまったりと互いに影響し合うわけです。だからといって、この判別テストが意味がないわけではなくて、むしろ、だからこそ、あなたの肩の痛みがどうちらも混ざっていたとしても、どっちの要素が強いのかということを判別してみて欲しいと思います。例えば、7:3で肩こりが強ければ、まず肩こりの治療をする、逆に8:2で五十肩が強ければ肩関節の動きをよくするようなリハビリをしてみるというような治療方針の定め方ができます。

ということで、今回、ぜひやってみていただきたいアクションプランですが、もちろん、この五十肩と肩こりの判別テストの実践ですね。第3位の一番痛い部位テストはシンプルで、あなたの一番痛い部位がこの鎖骨の先端を境に内側か、外側かのチェックです。1秒で終わりますね。で、次に第2位の痛い動きテストですが、これはまず首を回してみてください。首を回して痛ければ、少なくとも五十肩の痛みではありません。肩こりの要素です。もちろん、頸椎という首の背骨に問題がある場合もあるわけですが、五十肩か肩こりかであれば、肩こりということですね。さらに次に腕はダランとした状態で肩甲骨だけ回してみて痛ければ、それも肩こり要素です。そして、最後、逆に肩甲骨を逆の手で上から押しつけた状態で腕を挙げたり、回したりして痛みが走れば五十肩要素です。あなたの痛みはどっちの要素が強かったでしょうか?そして、最後のテストは可動域テストでしたね。肩こりだけでは可動域はほとんどせまくなりません。逆に五十肩であれば程度にもよりますが、どこかしらの方向で可動域、動かせる範囲に制限がでます。僕がいつも言っている、基本の3方向の可動域をチェックしてみましょう。バンザイができるか、小さく前ならえから手を外に60°くらいまで持っていけるかどうか、背中に手が回るかどうかの3方向ですね。いずれかが明らかに左右差があるような制限があれば五十肩要素が強いとなります。

いかがでしたでしょうか。キレイに五十肩か肩こりかどっちかに分かれた人もおられるかと思いますし、どっちの要素も混ざっていた人もいらっしゃると思います。先ほども言ったとおり、混ざっていたとしても、どっちの要素が強いかを把握することが大切です。

 

市販の肩こり解消アイテムは効くのか!?医者が解説します【スマホ首】

先にお伝えしておきます。そんなグッズじゃ効きませんという話なら動画でお届けする必要がないので、最終的にはあなたの首コリ、肩こりを改善させるためのヒントになればと思って撮影しています。そして、もう一つお伝えするのは、今回、解説するグッズはこちらです!ZALAXY(ザラクシー)という名前の商品のようです。ようですっていうのは、実はこのザラクシーをメーカーさんから提供していただいて、レビューしてもらえないかというお願いをされたからなんです。でも、それをお伝えせずに、「医者である僕が愛用してまーす」なんてことは絶対にしたくないので、逆に無根拠に勧めることは絶対にしないこと、医者の視点からお伝えできることをお伝えすることについてメーカーさんにご了承いただいて、撮影しています。つまり、数ある肩こり解消グッズを、レビュー本やレビューサイトのように片っ端から試した結果、これがおすすめですっていうことは言えません。なぜなら、僕、いま現時点では肩こりがないので。しかし、この商品の特徴をしっかり読み込み、実際に使ってみた結果と、そして、医学的に肩こりがどういうメカニズムで、何を改善させればいいのかについてを上手に組み合わせた解説ができれば、きっと視聴者さんにも有益になると考えています。

ということで、今回は首コリ解消グッズをこうつかえば効果が十分期待できますというアクションプランを最後にお伝えしますが、その前に、なぜあなたの肩こり・首コリが長引くのか、しつこいのか、その理由TOP3をお伝えし、このTOP3の理由を解決するために最後のアクションプランがあるというつながりでお届けします。

ではさっそくいきましょう!

あなたの肩こり・首コリが長引く理由

第3位 そもそも緊張しやすい僧帽筋

肩こり筋として有名な僧帽筋という筋肉があります。これは首から肩、背中に走っている巨大な筋肉なんですが、人間の進化においてこれほど無理を強いられている筋肉はありません。御存知の通り、進化の過程で四足歩行から二足歩行になったわけですが、そこで脚はより体重を支えるようになり、腕は自由になりました。体重を支えるために脚は骨と関節に負担がかかるようになりました。その結果、軟骨のすり減りは膝と股関節に多いわけですが、腕は逆に自由になった分、その自由な腕を体幹に接続する役割を筋肉に負わせました。骨盤や股関節のようにガッツリ安定した骨格を作ってしまうと、肩や腕が自由に動かないため、肩甲骨なんて、肩鎖関節でだけで鎖骨と接続され、ほかは筋肉だけで繋がっています。そんな骨、他にはありません。その肩甲骨や鎖骨を背骨とつなぐのが僧帽筋になるわけです。ですから、つねに緊張しがちなんですね。重い肩甲骨から腕を背骨につなげておかないといけないわけですから。この緊張が肩こり症状の主な原因と考えられています。では、次です。

第2位 そもそも血の巡りが停滞しやすい僧帽筋

僧帽筋の緊張が症状の原因と言いましたが、さらに深堀りすると、緊張した結果、血の巡りが悪くなり、血の巡りが悪くなると、また筋肉が固くなるという悪循環が起こっているわけですね。そして、僧帽筋は特にこの血の巡りが停滞しやすいということがわかっています。その要因が静脈弁と呼ばれるものです。静脈っていうのは動脈のように心臓のポンプ作用による高い圧で血液を流すことが難しいので、逆流しないように、自然と一方通行になるように弁というものがあるんです。しかし、僧帽筋を走る静脈にはその弁がないことがわかっています。厄介なものですね。だからこそ、僧帽筋を縮めては緩める、つまり僧帽筋という筋肉をよく使って、筋肉のポンプ作用で血液の流れを良くするということが必要なんです。では、最後。

第1位 悪い姿勢+筋緊張が持続する環境

僧帽筋はそもそもが緊張しやすい宿命、血の巡りが停滞しやすい宿命にある中で、やはりポイントは環境です。よく言われるのが長時間のデスクワークやスマートフォン操作ですよね。これはいずれにしても同じ場所から視線を動かさず、肩の動きもほとんどない状態を長く続けることになります。これがまさに僧帽筋を動かすことなく、固めてしまうわけです。具体的には僧帽筋の筋肉を緊張させ、使わないがゆえに血の巡りが停滞してしまうわけですし、たいてい、デスクワークやスマホ操作は頭の位置が前にあって、背中が丸まっている、いわゆる悪い姿勢になりやすくて、そうなると、僧帽筋は常に引っ張られているような状態です。引っ張られるって、ストレッチみたいな感じで悪いことではないのでは?と思われるかもしれませんが、仮にストレッチを3時間やってみてください。きっと、痛くなりますよね。そういうことです。

ということで、今回、ぜひやってみていただきたいアクションプランです。冒頭で出てきたZALAXY(ザラクシー)に登場いただきます。これはEMSというだいぶ前から健康業界では流行っているマシーンで、筋肉に低周波パルスという電気刺激を流して、筋肉が収縮するというもので、さらに、これは42℃になって温熱効果も加えられるということです。さらに、折りたたみができること、72グラムと軽いこと、あとは、デザイン的にもThe健康器具って感じではないのも特徴かもしれませんね。これらZALAXY(ザラクシー)の売りは今回の肩こり・首コリが長引く理由を潰すのに使えるということは、ここまでしっかり見ていただいた人にはわかるかもしれません。温熱効果はそれだけで血管を拡張させるので、停滞しやすい僧帽筋の血の巡りを改善させ、さらに筋肉に電気刺激を加えることで筋肉の緊張をほぐす作用が期待できます。そして、軽いこととデザイン的にも使いやすいことから、デスクワークやスマホ操作のときに習慣的に使うということをすれば、それを稼働させている15分間は姿勢にも気をつけるという意識面でも改善が期待できます。ということで、買って使ってみてください!で終わってしまうと、常々僕が言っている大切なポイントが抜け落ちているので、最後にお伝えします。それは電流の筋肉への刺激や温熱だけでは肩こり・首コリを治すというところまでは至りにくいということです。このZALAXY(ザラクシー)は15分で止まるようになっています。それ以上の長時間の連続使用は推奨されていないわけです。それは強制的な電気刺激を長時間することによって筋疲労が起きて逆効果になることや低温やけどを防ぐ意味があるかと思いますので、15分で止まったら、折りたたんでしまっておきます。それで終わりじゃなくて、そこでルーティンとして、肩甲骨を回すエクササイズをやってください。筋肉がほぐれて、血の巡りがよくなっているこのタイミングこそ、肩甲骨エクササイズの効果を上げるチャンスです。このエクササイズ込みで、このようなタイプのグッズの効果が本格的・本質的になってくると考えます。

 

【肩甲骨・肩首の痛み】改善のために原因をハッキリさせよう!

こういうお悩みの患者さんが先日いらっしゃいました。「肩の痛みが慢性的にあって、首から来ているのかなと思って整形外科で首の治療を受けたら、首近くは良くなったんだけど、肩は相変わらず痛いんです」というお悩みでした。細かいところは違っても、似たようなお悩みを持っている人はかなり多いです。要は自分の悩みは首から来ているのか、肩から来ているのか、結局、どこが悪いの?っていうケースです。どこから来てようが、症状が改善しちゃえばいいわけですが、でも、この「結局、どこが悪いの?」っていう原因がはっきりしないと的外れな治療を行うか、広く浅い治療で改善しないということが起こりえます。つまり、みんな原因から間違っちゃうってことが往々にしてあるんですよね。でも、それって我々整形外科医や、その他の治療の専門家と言われる方々の責任が大きいと感じています。あまりちゃんとした原因の説明を受けずして治療に入るケースって多くないですか?本当にこれって「あるある」で、診療をしていても、このチャンネルのコメントでも、その手のご不満はめちゃくちゃ多いんです。僕自身もそういう不満を抱かせていないか、100%の自信はありませんが、良い整形医外科医に出会えるかどうかは運や相性にも左右されるというのが現状です。でも、首からなのか、肩からなのかかっていうことであれば、セルフチェックでも相当、原因に迫れるんです。そして、そのセルフチェックの内容をもとに整形外科の医師に症状を訴えれば、より正確な説明を引き出し、効果的な治療を受けることができるかもしれませんし、整形外科に通院しない場合でもセルフエクササイズをするときのベースになります。ということで、セルフチェック3選を今回はお届けしますが、特に「コレをやれば大抵わかります!」というくらいオススメなのが第1位のセルフチェックですので、最後までご覧ください。

その前に首なのか、肩なのか、結局どこが悪いのさ?っていうその原因について軽く解説しておきます。首が悪いって言われても、首の何が悪いのか、わかりませんよね?肩も同様です。肩って言っても四十肩なのか腱板損傷なのか、それ以外なのか・・・っていうことです。

その原因について、首が原因の場合、首と肩の間が原因の場合、肩が原因の場合の3パターンで解説します。これを頭に入れた上でのセルフチェックじゃないと意味がないので、もうちょっとだけお付き合いください。

首が原因の痛みとは?

まずは首が痛いときの原因です。ここでは特に大事な首の神経の問題を解説します。首というのは背骨の一番上ということですから、脳から下りてきた脊髄神経が格納された骨の部位です。ここが悪いということは、結果として脊髄神経やその枝が圧迫を受けたりします。その典型的な症状は実は首や肩の痛みではなく、腕から先の痛みやしびれだったり、歩きにくいというような全身的な神経の問題だったりします。ですから、首が原因の場合って、実はそんなに多くないんですね。とは言え、肩周りを支配する神経が圧迫されれば、肩の痛みとして自覚することもありますし、肩が挙がらない原因が首の神経にあることも頻度は低いですがあります。

首と肩の間が原因の痛みとは?

多くの整形外科医や治療の専門家が「首が悪いですね」って言うケースはこれです。実際は首の骨とか神経が悪いというよりは、その首の骨、もしくは背骨と肩甲骨を繋ぐ筋肉たちの問題です。これはザックリ言えば、肩こりです。凝りなんですよね。この首と肩の間の問題と判断した場合に滅多にしませんが、MRIで筋肉の状態を観察すると、実は異常はほとんどないんです。MRIは肉離れや筋肉の炎症、神経の異常などを描出する検査ですが、いずれの異常もないことがほとんどなんです。なぜか、それは筋肉の緊張が原因だからなんですよね。緊張はMRIでは描出できないということです。この場合の治療の一番根本はリハビリ、それもセルフリハビリとかセルフエクササイズを推奨しています。筋肉の緊張が原因だとしたら、その筋肉を自ら使っていくということが根本ということですね。

肩が原因の痛みとは?

そして、肩が原因の痛みです。これは多岐に渡ります。スジが切れている腱板断裂や四十肩、五十肩など、このチャンネルで何度も取り上げているものがこの範疇です。要は、肩甲骨と上腕骨という腕の骨から構成される肩関節という関節の問題がここなんですね。

このように首・首と肩の間・肩という3つのパートに分けて、原因に迫っていければと思います。そのためのセルフチェックにいよいよ移ります。

首から肩の痛みのセルフチェック3選

第3位 押して痛い場所チェック

まずは直感的に場所ですよね。どこが痛いか?ということです。首も含む、首から肩甲骨の間の痛みであれば、大抵は、首と肩の間に原因があることが多いです。ここで首を含むと言ったのは、首に問題がある場合はむしろ神経を疑うので、その場合は実は首の痛みとしては自覚しにくいんです。首が痛い場合の多くは首と肩甲骨の間の筋肉が首の骨にくっつくところの痛みだったりします。そういう意味で首から肩甲骨までの痛みは首と肩甲骨の間と考えます。ただ、悩むのはそこら辺も痛いんだけど、腕の方まで痛いというケースですよね。この場合には肩関節周りを押してみてください。ポイントは前と外です。肩の前方と肩の外側を押して痛い場合には肩の関節が問題のケースが多いので、肩関節そのものを原因として考えたいです。

では次、

第2位 首を動作時痛チェック

次は首を動かしてみてほしいんです。上を見るようにしたり、下を見るようにしたり、右左と回旋させてみたり、かしげてみたりということですね。その動きで痛みが走る場合は肩関節は関係ないことが多いです。あとは首の問題である神経に原因があるのか、首と肩の間の筋肉の問題なのかということですが、これは痛みが走る場所で判定します。先ほどお伝えしたとおり、首の神経で問題が起こりやすいのは首周りよりもむしろ腕や手の先の方だったりします。ですから、首を動かしたとき、特に上を向いて、かしげるという動きでそのかしげた方に痛みが走ったら、それは首から出る神経を疑います。これを神経根症と言います。逆に首を動かす、動かし方は様々でも、首の痛み、首から肩甲骨の間の痛みが走れば、筋肉の緊張を考えます。

では、最後

第1位 肩回旋チェック

この肩回旋チェックで痛くなければ、首か首から肩の筋肉の問題を考えます。逆にこれで痛ければ、肩関節に問題があると考えます。肩関節の問題として、三大原因と言ってもいい、四十肩・腱板断裂・石灰沈着性腱板炎のいずれでもこの肩回旋チェックで痛みが発生することが多いです。ということでやってみましょう。肩の回旋というのは外に開く外旋と、内に閉じる内旋というのがあって、肩関節を構成する腕の骨がまさに回旋運動を起こします。こういう感じですね。これって実際に外から見てわかりやすいのは肘を90度に曲げたときなんですね。90度に曲げて、肘から先の前腕が外側に向かえば、肩関節が外向きに回旋している、外旋運動をしていることになりますし、内側に向かえば内旋運動をしていることになるわけです。これを腕を下ろした状態から、90度に挙げた状態まで様々な挙げ具合で回旋してみて、どこかしらで痛みが発生すれば肩回旋チェックで痛みが出たということになります。ここで注意してほしいのは、逆の手で肩甲骨を上から押さえてほしいということです。肩甲骨を押さえて、肩甲骨が動かないようにしないと、結局、首と肩甲骨の間の筋肉にも負担がかかって、どっちの痛みだかわからなくなってしまうからですね。

 

ということで、セルフチェックで覚えておいていただきたいポイントをまとめます。まず痛みを感じる場所で原因を絞り込みます。神経が悪い場合の典型はむしろ、首から離れた場所に起こりやすいこと、肩関節の問題があるときは前と外を押すと痛いことが多いことがポイントでした。さらに首を動かして痛い場合は、肩とは関係ない可能性が高い、逆に肩回旋チェックで痛い場合は肩関節の問題の可能性が高いということでした。ただ、首を動かしても痛いし、肩回旋チェックでも痛いという場合は問題が複数に起こっていることが考えられます。これも珍しくありません。肩関節の問題があれば肩甲骨の動きも制限されて、筋肉が緊張してくるという流れもあれば、逆に肩甲骨周りの緊張が原因で四十肩に移行することもあるわけです。いずれにしても、そういった「結局どこが問題なのか?」ということに、この3つのチェックをしていただくとかなり迫れると思いますのでやってみてください。

 

危険すぎる肩こり整体TOP3【接骨院・カイロプラクティック】

僕は整形外科医ですから同じような業界の他の職種の方を批判するのは慎重になるべきなんですが、今回も整体師さん、柔道整復師さん(接骨院の先生)全体を批判するものではありません。それどころか、肩こりの治療に関しては、整形外科医は僕も含めて、全然ダメです。特に外来なんて肩を専門にしているので日本全国から肩の悩みで患者さんが来られますが、時々、肩こりのお悩みでも受診いただきます。にも関わらず、肩こりに関しては精密検査や手術などは必要ないことが多いので、一言二言のアドバイス程度で終わってしまうことが多いです。多分、それで満足して、かつ、治ってしまうなんて人はなかなかおられず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。整形外科医の中でも特に開業医さんの中にはリハビリと連携してしっかり肩こり治療をしている人もいますが、ほとんどはそうではないんです。だからこそ、みなさん、整体や接骨院に行かれるわけです。YouTube上で肩こりでどこにいきますか?というアンケートをさせていただいた結果では、整形外科クリニック36%/接骨院・整骨院27%/マッサージ施設17%/整体院11%/鍼灸院8%でした。

僕のチャンネル登録をしていただいているわけですから、かなり一般の方々より整形外科を選ぶ人が多いだろうなと思いましたが、それでも、整形外科以外が64%ですもんね。これだけの方々が整形外科クリニック以外を選ぶ中、最低限、危険な治療になりかねない所だけは避けてほしいと思い、今回の動画をお届けしています。ということで、まず危険すぎる肩こり整体TOP3として第3位からお伝えします。そして、その後、特典パートとして肩こりで避けるべき整形外科TOP3をお伝えします。整体ばかり悪者にするようなことじゃなく、われわれ整形外科の問題点もあぶり出し、どこにかかるにしても、その選び方が上手になっていただければと思います。では、さっそくいきましょう。

危険すぎる肩こり整体

第3位 病院・医師を否定する

「病院に行ってもレントゲンとって骨だけみて、おしまいだから」「湿布出されるだけだから、行っても無駄だよ」「あいつら何も分かってないんだ」なんて言われたことがある人もおられるかもしれません。そうしたらできれば、その先生からは距離を取ることをおすすめします。医師が上、接骨院や整体が下と言いたいわけではなくて、病院、クリニック、医師でないとできない大事なことがいくつかあるということを押さえていただければと思います。第1に診断です。肩こり症状で言えば、単なる筋肉性の肩こりなのか、他の病気が隠れていないのかを判断していくということですね。第2に薬です。お薬や湿布、塗り薬などの外用剤を処方できるのも医師のみですし、さらに注射となると当然、医師のみです。第3に理学療法士や作業療法士によるリハビリです。整体や接骨院での施術とは似て非なるものがリハビリです。資格からして違いますし、本来、保険が効くのはリハビリの方です。これらの違いをしっかり認識して、必要に応じて病院・医師の力を借りていこうとする姿勢をお持ちの整体師や柔道整復師ならいいのですが、完全に否定されると、結果、孤立して、あぶない治療に邁進しかねませんので注意してください。では次、

第2位 ちゃんと話を聞かない

これは我々医師にも多く、僕自身、戒めとしてもお伝えしています。ただ、整体師、柔道整復師のように徒手療法を主体に治療される場合、触ってなんぼなところがより強いので、とりあえず話半分で身体を触り始め、「ああ、ここがこうなっているから、痛みが出てるんだね」って感じになっちゃいます。その前にどういうエピソードで痛みが出始めて、そもそも基礎疾患として何か病気を持っていないのか、お薬は何を飲んでいるのか、手術したことはあるのか、仕事は・・・などなど聞くべきことがあるんですね。で、それらを総合して、ときには施術で治すんじゃなくて、これはまず診断を先にちゃんとすべきだなと判断して「まず整形外科に行ってください」って言える人が信頼できる整体師、柔道整復師だと思います。では最後、

第1位 ボキボキ音を鳴らす

これはこちらの動画でもご紹介しましたが、基本的には危険ですし、音を鳴らすことが治療になるというエビデンスは僕が知る限り、ありません。「整体でポキポキ施術を受けた後に痛みが増しました、手が痺れるようになりました」ということで整形外科に相談をいただくなんてことは日本全国で起こっています。ときに救急車を呼ぶレベルの症状になっていることすらあります。最近はYouTubeでも「ポキポキ整体を受けてみた」的な動画がたくさんありますが、面白半分で試していい施術ではないと思いますし、本当に困っていたとしても、受けるべきではないと個人的には思っています。

特典パート 肩こりで避けるべき整形外科 TOP3

ということで、整形外科もしっかりとリハビリをやってくれるようなところだったり、セルフリハビリを指導してくれたり、適切な薬を調節してくれたりと、肩こり治療においても頼りになるところはあります。しかし、残念ながらガッカリするような整形外科だったりすることが少なくないので、このTOP3を参考に選んでみてください。ではいきます。

第3位 本当に「レントゲン上、骨に異常なし」しか言わない

これはよく言われます。「前の先生はなんておっしゃっていました?」って患者さんに聞くと「いや、特に・・・」「何も言われなかったです」「レントゲンは異常なしとだけ」などなど。ホントにこうおっしゃるケースが多くて、歌島調べでは80%の整形外科医はこんな感じで何も説明しない医者のようです。でも、正直そんなわけないんです。80%は多すぎです。コミュニケーションは双方向ですから、伝える側の言葉が100%伝わり、100%記憶に残っていて、それを100%僕に教えてくれるわけではないんですね。実は前の整形外科医もちゃんと診断名を告げたり、原因を告げたりしている可能性もあるわけです。ただ、本当に「レントゲン上、骨に以上ありませんね」しか言わないとしたら、その医師は厳しいかもしれません。当たり前ですよね。「骨に異常がないなら、どうして痛いの?」って思うじゃないですか。誰だって思うはずです。それに答える気がないのは問題です。では次、

第2位 電気治療コースから抜け出しにくい雰囲気 

肩こりは筋肉の血の巡りが良くないことが多いので、電気刺激や温熱治療自体はやってみていいと思います。しかし、あまり効果がないなと感じたら、治療方法を修正する必要があるわけですが、まずい整形外科だと「はい、今日も電気ですね〜」とベルトコンベア方式で案内され、「医師に相談したいんですけど」って言っても、嫌な顔されて「だいぶお待たせしますよ・・・」みたいな感じになる。結構あるあるです。気軽に医師に相談できるところがいいです。それこそ整体や接骨院にないメリットの1つなワケですから。では最後。

第1位 ちゃんと話を聞かない

本編の危険な整体の2位だったこれですが、整形外科でもやはり上位にきます。特に肩こりと言っても、内臓の病変とか神経の病変とか、単なる筋肉性の肩こり以外の問題が隠れてないかをチェックしていく。まさに診断ですが、これこそ医師の役割です。しかし、話を聞かずに、「はいはい、肩こりね。痛み止め出しておきますね。」と、流れ作業のような診療ではしっかり診断しているとは言いがたいワケですね。こういうところでは確かに「整形外科に行ってもレントゲン撮って湿布か電気でおしまい」と言われても仕方ありません。実際、こんな残念な整形外科クリニックばかりではありませんが、一部のそういうクリニックが整形外科自体の評判を落としています。それは整体や接骨院も同じですね。だからこそ、患者さん側が選ぶという姿勢は必要になっているのが現状です。もちろん、近くのところにフラッと入って、ほとんどのケースは正解!っていう状態になれば理想だなと思いますが、まだまだそうではなさそうです。僕も頑張ります。

ということで、まとめると、整形外科や整体、接骨院など肩こりの治療をしてくれる場所はいろいろありますが、どこが正解でどこが不正解ということでなく、整形外科でも良いところと良くないところがあり、整体・接骨院でも良いところと良くないところがある。という、まあ当たり前のことになるんですが、その見分け方の参考になりましたら幸いです。

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