足首の骨折

ピロン骨折とは?定義と治療のポイントを専門医解説

更新日:

足首はもともと負担がかかりやすく、それでいて不安定な関節ですから、骨折も起こりやすい部分です。その中でも特に重症な骨折になりやすいのがピロン骨折(Pilon骨折,脛骨天蓋骨折)と呼ばれる骨折です。

今回はこのピロン骨折について解説いたします。

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

ピロン骨折とは?定義は?

こちらの動画でも解説しておりますが、ピロン骨折は脛骨天蓋骨折とも言うように、足首を構成する主要な骨である脛骨の中でも足首の天(上)の蓋のような位置の骨折です。

ここですね。

ピロン骨折がやっかいな理由

このピロン骨折が特にやっかいで、重症な骨折になりやすい理由としては、脛骨天蓋部が体重がダイレクトかかるところで、かつ関節内骨折であるということです。

画像引用元:下肢の骨折・脱臼 手技のコツ&トラブルシューティング (OS NOW Instruction-整形外科手術の新標準) 第一版 メジカルビュー社

画像引用元:下肢の骨折・脱臼 手技のコツ&トラブルシューティング (OS NOW Instruction-整形外科手術の新標準) 第一版 メジカルビュー社

関節内骨折というのは、関節を構成する軟骨まで及ぶ骨折ということです。軟骨はもちろん、スムーズである必要があります。それがほんの3mmでもズレや段差があると、痛みや将来的な軟骨のすり減りの原因になります。

そんなシビアな治療が必要であるにも関わらず、体重がダイレクトにかかる部位でもありますから、なかなか体重をかけて歩き出すという段階には慎重にならざるを得ません。

それゆえ、スポーツ復帰・社会復帰などにも時間がかかってしまします。

ピロン骨折の分類 重症度合いを判断する

このピロン骨折は重症になりやすいと説明しましたが、その重症度をある程度把握するためにも分類があります。

Rüedi分類では3つに分かれています。

画像引用元:下肢の骨折・脱臼 手技のコツ&トラブルシューティング (OS NOW Instruction-整形外科手術の新標準) 第一版 メジカルビュー社

  • type1:関節面にズレがないもの
  • type2:関節面にズレがあるものの、粉々ではないこと
  • type3:関節面が粉々であること

これはもちろん、type3が一番重症です。

ピロン骨折の治療ポイント

このピロン骨折の治療のポイントは、やはり、関節面のズレをできる限り小さくして骨をくっつけることです。

そう考えるとズレがほとんどなければギプスなどで固定して、松葉杖で体重をかけないようにして骨がくっつくのを待つこともあります。(Rüedi分類 type1)

ただ、大抵は多少ズレていることが多いので(Rüedi分類 type2以上)、手術をすることになります。

手術治療のポイント

手術では特に関節面を重視してズレを戻して、その状態で金属インプラントを使って固定します。主にはプレートと呼ばれるスクリューをたくさん打てる穴あきの板を骨に沿って当てて固定します。

画像引用元:運動器外傷治療学第一版 医学書院

もしくは粉砕が強い場合(Rüedi分類 type3など)では直接固定することができないこともありますし、また皮膚や皮下脂肪などがものすごく腫れていて、傷をさらに作っての手術が危険と判断された場合には、創外固定という皮膚の外に金属を出して骨を固定する方法をとることもあります。

画像引用元:運動器外傷治療学第一版 医学書院

リハビリテーションのポイント

リハビリテーションにおいては、まず関節面のズレがなく骨がくっつくことを最優先に、

しかし、足首の可動域や筋力もできるだけ落とさないということを考えます。

 

一般的には足首を動かすという、可動域訓練から開始し、その後、かなり骨がくっついてから体重をかけた歩行訓練を行います。

 

これはレントゲンを見ながら骨のくっつき具合によって時期を決めます。また、手術をした場合はいかに金属インプラントで強く固定できてるかという手術中の感触も重要視して、動かす時期や体重をかける時期を決めています。

まとめ

ピロン骨折とは?という定義から、治療のポイントまで解説いたしました。

重症だからと言って、落ち込む必要はなく、重症度に応じて適した治療方法を整形外科医は選択していきますので、主治医にも疑問、心配をぶつけながら、一緒に治療していただければと思います。

少しでも参考になりましたら幸いです。

Mail Magazine

より深い医学情報に加え、タフなフィジカルマインド
そして圧倒的なパフォーマンス・成長必要なすべてをお届けします。

こちらにメールアドレスを入力してご登録ください。

  • ※登録後、メールが届いていない場合は、迷惑メールフォルダに入っている場合がございますので、ご確認ください。
  • ※登録されたメールアドレスには、歌島大輔公式メールマガジンが配信されます。
    不要と判断された場合、メール下部の配信解除URLから簡単に配信を解除できます。

診察のご相談(神奈川/東京/静岡)

肩の診察・相談

今すぐCHECK

こんな方におすすめ

  • 肩を動かすと痛い
  • 腕が痛い
  • 肩が痛くて眠れない
  • 肩が上がらない
  • 肩が回らない
  • 腱板損傷と言われた
  • 肩が脱臼した
  • 鎖骨が骨折した

スポーツ復帰への
診察・相談

今すぐCHECK

こんな方におすすめ

  • スポーツ復帰の不安
  • パフォーマンス低下の不安
  • スポーツに支障がある
  • 肩以外の部位の相談希望

オススメ!

メールマガジン(メルマガ)はこちら

今すぐCHECK

得られる情報

  • 医師と病院の使い方(無料)
  • 革命的スポーツ復帰術動画講座(無料)
  • マインドの使い方有料教材
  • タフなフィジカルの作り方有料教材
  • パーソナルメディカルコーチングの案内
  • 日々の医学情報
  • 有名スポーツ選手の心と身体の秘密
  • この記事を書いた人

歌島 大輔

肩/スポーツ領域を得意とする整形外科専門医としての診療/手術・スポーツパフォーマンスアップ、ケガ予防トレーニング等のアドバイス・マインド(脳と心・メンタル)の使い方を指導するコーチングを行っています。

オススメ記事

1

肩という関節の治療を専門としている整形外科医は日本にどのくらいいると思いますか? 実は、整形外科医というのは日本全国に内科、外科に次いで多いんです。 意外かもしれませんね。 内科や外科なんていうのは、 ...

2

スポーツの怪我を予防するときに、まず考えるのは、トレーニングをして、ストレッチをして・・・身体を強く、しなやかにしていこうとします。 これは当然必要なことなんですが、 それだけではスポーツにおける怪我 ...

3

今回は肉離れをどう予防するか?ということの基本的な考え方から、具体的な予防方法までを解説いたします。 肉離れはスポーツパフォーマンスが上がれば上がるほど、リスクも高まると言っていい、厄介なケガです。 ...

4

今回は肩の腱板損傷の特に保存療法におけるリハビリテーションについて解説します。肩を専門とした外来をしていると、当然なんですが、肩腱板損傷の患者さんを多く診察します。 腱板損傷には程度があって、ちょっと ...

-足首の骨折

Copyright© 歌島大輔 オフィシャルサイト , 2019 All Rights Reserved.