肘の骨折

肘頭骨折の基本からリハビリまで専門医解説

更新日:

肘頭骨折

肘の骨折の1つですが、
比較的頻度が高く、時に治療が難渋することがある骨折です。

この肘頭骨折の基本から、
治療、手術、リハビリまでを

専門医の視点から
できるだけわかりやすくお伝えします。

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。
本日も記事をご覧いただき誠にありがとうございます。

それではいきましょう!

肘頭骨折とは?

肘頭骨折とは
肘の骨折のうち、尺骨の
肘頭という部位の骨折になります。

肘頭という骨の特徴

肘頭という骨は、
まさに肘の頭に位置する骨の部位です。

上腕三頭筋の付着部

まず大事なポイントは、
この肘頭に上腕三頭筋が付着する

ということです。

そのため、肘頭が折れてしまうと、
上腕三頭筋に引っ張られて、
ズレが大きくなりやすい

ということになります。

関節軟骨を含む部位

もう一つは、
関節を形成するパートでもありますので、
関節軟骨が含まれます。

それは、つまり、
骨折のズレが
そのまま肘関節の動きに悪影響を及ぼすということです。

肘頭骨折の症状とは?

肘頭骨折の症状としては、
まず当然ですが、肘の頭の部分の痛みです。

また、その周囲が腫れます。

肘の頭はすぐに骨が触れるくらいに
皮膚も、皮下脂肪も薄く、
筋肉もほとんどない場所ですから、

腫れや内出血が目立ちますし、

骨片がズレれば、
肘の頭のいつも骨が触れる部分に
骨が触れない

なんてこともありますが、
そんなときは痛すぎて触れようとも思わないでしょう。

 

肘頭骨折の治療と完治までの期間の目安は?

この肘頭骨折の治療ですが、

ほぼズレがないケース以外は、
原則手術です。

それは前半で述べた肘頭の特徴が関係しています。

まず上腕三頭筋の付着部なので、
どんどんずれる方向に力が加わってしまうこと、

そして、関節軟骨を含む骨折のため、
可能な限りズレは矯正したい

ということで、手術が原則となるわけです。

 

肘頭骨折の手術方法

手術方法は、

針金による固定
プレートによる固定が主に行われています。

プレートの方が強固に固定できますが、
皮下組織、皮膚が薄いため、
プレートが出っ張って、あまりスマートではありません。

引用画像:AO法骨折治療 第2版 医学書院

引用画像:AO法骨折治療 第2版 医学書院

そのため、針金で十分固定できる
と判断すれば、
針金が第一選択です。

正確には、
キルシュナー鋼線という針金を使って、
テンションバンドワイヤリングという方法で
上腕三頭筋の張力にも負けない固定を目指します。

引用画像:AO法骨折治療 第2版 医学書院

引用画像:AO法骨折治療 第2版 医学書院

肘頭骨折のリハビリのポイント

そして、骨折部が固定できたら、
次にリハビリの出番です。

肘はカタくなりやすい

まず肘の厄介な特徴として、
外傷後にはカタくなりやすい
という特徴があります。

そのため、
骨がくっついてから動かす

というのでは遅く、

可能であれば手術後2週間くらいで
動かし始めたい

というのが本音です。

それが可能かどうかは、
骨折の重症度と
手術でどれだけ強固に固定できたか
に懸かっています。

基本は自動可動域訓練

そういった意味で、
可能な限り早めに積極的に
肘の曲げ伸ばしのリハビリをやりたいのですが、

もう一つ厄介な特徴として、

無理矢理リハビリをすると、

肘周りの筋肉が骨化してしまう、
骨化性筋炎というものが
時に起こってしまいます。

そのため、
可能な限りの早めのリハビリ

無理のないリハビリ

をするということがポイントです。

 

その無理のないというのは、

肘の場合、
自分の力で肘を曲げ伸ばしする

自動可動域訓練
というものが基本になります。

 

それに対して、
他動可動域訓練というのは、

誰か他の人や、
自分の逆側の手で
曲げ伸ばしを強制する

という方法で、

 

多少、アシストする程度はヨシとしても、
無理矢理、曲げ伸ばし
というのは避けるべきです。

そのため、毎日少しずつでも
曲げ伸ばしの角度が伸びていく

それを目指して、
地道に自動可動域訓練を
やっていく

ということがリハビリのポイントになります。

 

 

今回は、肘頭骨折についての基本から、
治療、リハビリのポイントについて
解説いたしました。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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歌島 大輔

肩/スポーツ領域を得意とする整形外科専門医としての診療/手術・スポーツパフォーマンスアップ、ケガ予防トレーニング等のアドバイス・マインド(脳と心・メンタル)の使い方を指導するコーチングを行っています。

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