肉離れ

肉離れを早く治すための応急処置と治療期間の目安

投稿日:

肉離れしてしまったら、当然考えるのは「早く治す」にはどうしたらいいのか?

ということですよね。

 

そこで大事になるのは初期対応である応急処置がまず大事です。

そこで逆にしっかりとした処置や初期対応をせずに放置した場合に考えられることを理解してから、応急処置や治療の重要性を腹落ちさせてみましょう。

肉離れを放置した結果どうなる?

肉離れを放置したらどうなるか?

本当の本当の放置、すなわち何もしないケースを考えます。

治りが遅れるケース・肉離れが癖になるケース

そうすると肉離れを起こした筋肉からの出血はじわじわ続いて、結果として血腫(出血した血液のかたまり)がだんだん大きくなっていきます。

それでも気にせず、無理して歩いたり走ったり、酷使して筋肉を使うとその筋肉は縮むチカラが繰り返し加わり、じわじわの出血が中ではなかなか止まらず、血腫は徐々にさらに大きくなっていきます

結果として、離れてしまった筋肉線維の端と端はだんだん離れていき、くっつくまでに時間がかかり、かつ、くっっついたとしても元の強靭かつしなやかな筋肉線維よりもはるかにもろく弱い状態になってしまいます。

結果、肉離れは治りが遅くなり、そして、繰り返してしまう、つまり、癖になってしまうわけです。

自然と治るケース≒軽症

とは言え、軽症の肉離れなら、 そこまで変わらずに治ってしまうケースもあると思います。

それはそれでいいのですが、 それは結果論でしかなくて、

癖になってしまってからでは遅いわけですね。

後遺症が残るケース

それどころか、治りきらずに後遺症が残るケースもあります。

後遺症としては筋肉の損傷の治りが悪いとすれば、

  • 筋力が低下する
  • 筋力発揮時、ストレッチ時の痛み
  • 筋肉が固くて動きが悪くなる

などです。

程度の差こそあれ、これらは特にスポーツ選手にはかなりの痛手になります。

肉離れを放置しないとは?

では、肉離れを放置したいというのはどういうことでしょうか? どうすればいいのでしょうか?

整形外科を受診して応急処置;特に圧迫! + 重症度に応じた安静

肉離れを疑う症状があれば、まずは整形外科クリニックを受診することです。

そこで診察を受けていただき、肉離れを起こした筋肉、その部位と重症度を判別してもらいます。

そこで受ける処置は基本は肉離れ部位の圧迫です。圧迫することで、肉離れ部位からの出血を抑えて、血の塊の巨大化を防ぎ、かつ、筋肉の線維と線維の距離を近づけて治りを良くしようという物理的処置です。

これが一番重要ですが、それは病院を受診しなくてもできますね。

弾性包帯での圧迫をおすすめしています。

もうひとつ大切なのは重症度を判定して、安静具合を決めたり、精密検査の必要性を決めたりするということです。ここは我々、専門家に任せていただくといいと思います。

部位や重症度によっては精密検査や手術

重症度が高い場合、特に関節近くの肉離れの場合は腱断裂だったり骨の裂離骨折だったりするのでMRIなどの精密検査が必要になります。

そして、腱が断裂していたり、裂離骨折がずれていれば手術を検討しないといけません。

また、手術は必要でない場合も徹底安静が必要な重症度というのがときにあります。下肢の肉離れなら松葉杖を使って体重をかけないことや、ギプスやシーネでの固定。

上肢なら三角巾などでの安静などを検討します。

 

 

ということで、重要な初期対応、応急処置ですが、
特にアイシング、つまり冷やすということについての考察を加えてみます。

RICEという応急処置の基本があるわけですがその中の1つのアイシングは少し意見がわかれる部分でもあります。

また、いつまで冷やせばいいのか?という点もいろいろな意見があります。

そんな中で肉離れにおいてはアイシングをどう考えればいいのか?ということを解説していきたいと思います。

肉離れの応急処置の基本 RICE

この肉離れが起こってしまったとき、それはある程度経験のある選手や指導者なら何となくわかるかと思いますが、急激に筋肉に痛みが走ったときです。

 

このときにやるべき応急処置は一般的な外傷の応急処置の基本であるRICE療法と呼ばれるモノです。

 

RICEは4つの頭文字のことですが、

  • R:Rest 安静 or 固定
  • I:Icing 患部を冷やす
  • C:Compression 患部を適度に圧迫する
  • E:Elevation 患部を可能なら心臓より高く挙げる

ということです。

冷やすことのデメリット

その中で2つ目のアイシングについてのお話ですが、冷やすこと自体に賛否両論あります。

こちらの動画でも解説しておりますのでご参照ください。

冷やすことの肉離れにおいてのデメリットは筋肉がカタくなってしまうことでしょう。

冷やせば血管は収縮、細くなって、血流は悪くなり、筋肉はカタくなります。しなやかな筋肉ということからすれば逆効果ですね。

肉離れにおけるアイシングの一番の意味は出血を抑えること

しかし、肉離れの応急処置のおいて最重要と言っていい、血腫の拡大防止、つまり出血を抑える効果がアイシングにはあります。

これも同じで血管を収縮、細くすることで出血を減らして、止血を早める効果があるわけですね。

肉離れのアイシングは基本、当日まででいい

そういう意味では出血が盛んに起こっている受傷直後からその当日くらいはしっかりアイシングすることが大切だと思います。

しかし、翌日以降は出血はあっても少量だろうと思いますので、原則、アイシングは不要と考えています。ただ、だからと言って受傷早期に暖めてしまうと、血管が開いて、せっかく止血したのに再出血してしまう可能性がありますので、熱いお湯に浸かるなどは数日は控えた方がいいと思います。

 

では、次に頻度が高い肉離れの部位毎の治療法を解説します。

 

太もも前側の肉離れの治療の原則

太もも前側の肉離れの治療の原則から押さえていきましょう。

筋肉がくっつくための環境を整える

それは冒頭でも述べたとおり、筋肉がくっつくための環境を整えることです。そうすれば自然と血流、血の巡りがいい筋肉はくっついてくれます。

軽症から中等度の場合は保存治療

まずほとんどのケースですが、軽症から中等症の肉離れの場合、保存治療、つまり、手術をしない治療をします。

圧迫 + 安静

その保存治療において一番の大切なのは患部の圧迫と安静です。

ちぎれてしまって、間に血腫(出血の結果できる血のかたまり)が拡大していく肉離れにおいて、その患部を圧迫することで、血腫を防いでいく、また、ちぎれた筋の断端を近づけるということを狙います。

また、ちぎれた筋肉を使ってしまうと、筋肉が収縮するため、ちぎれた断端が離れてしまいます。そうならないように安静も重要です。

要は、この圧迫+安静は、「ちぎれた筋肉の断端を近づけておく」という、まさに筋肉がくっつくための環境を整えることになるわけですね。

徐々にストレッチ

そして、徐々に筋肉がくっついてきたところでストレッチをしていきます。

 

筋肉がくっついても、それだけで元通りではありません。 必ずカタくなっています。

そのため、くっついてきた頃から徐々に伸ばしていく必要があるわけです。

どのタイミングでどのくらいストレッチをするかというのは難しい問題です。

シンプルに言うと、痛くない範囲でどんどん伸ばしていくということです。

逆にストレッチで痛いのは、まだ早いということです。痛みを目安にリハビリをしていくというのは基本ですね。

重症(=骨に近いところの強い損傷)は手術も

まれですが、太もも前側の肉離れでも重症型があります。

重症型は筋肉の中でも骨の付着部に近いところで切れてしまう状態です。

それはつまり、股関節近くか膝のお皿近くで起こる肉離れです。

この部分は筋肉自体がカタく、線維が部分的にちぎれるような、軽症や中等症の肉離れとは違って、ブチッと切れてしまう腱断裂と同じような状態です。

その場合は、切れた断端を縫い合わせる手術が必要なケースもあります。そういった重症型を疑った場合はMRIを撮って、どこがどのくらい切れているかを評価する必要があります。

ふくらはぎ肉離れの重症度別治療期間

次にふくらはぎの肉離れの治療についてです。ふくらはぎの肉離れは、いくつか重症度の分類を提唱している人がいますが、今現在、よく使用されているのは、奥脇先生のMRIによるタイプ分類だろうと思います。

MRIを撮らないと正確な分類ができないわけですが、ある程度、症状からも推測ができます。

シンプルに言うと、筋肉を真ん中と両端っこにわけて考えると、軽症が真ん中、重症がどちらかの端っこ、中等症がその間と言っていいです。

それは筋肉の部位名で言うと、軽症が真ん中の筋腹(きんぷく)、重症が腱もしくは筋の骨への付着部、中等症が筋腹と腱の移行部ということになります。

軽症

軽症は筋肉の血流のいい筋張った線維部分の部分損傷です。

症状としては、

  • 圧痛や血腫(内出血)の範囲が狭く限局
  • 足首や膝の関節可動域がほとんど狭くならない(10度未満のマイナス

といった感じです。

これは非常に治りが良く、一般的には1–2週間でスポーツ復帰が可能になると言われています。

中等症

中等症は物理的にも弱く、血流も十分ではない腱と筋腹の移行部での部分損傷です。ここはもともと弱い部位なので頻度も結構高いです。

症状としては、

  • 圧痛や血腫(内出血)の範囲が広い
  • 痛みで足首や膝の関節可動域が制限される(10–25度くらいマイナス

と少し重症化された症状を呈します。

この中等症の場合は6週間、つまり1.5ヶ月くらいスポーツ復帰にかかることが多いですし、レベルの高いアスリートの場合はMRIなどで治り具合を確認しながらリハビリ、パフォーマンス強度を上げていく慎重さが必要と言えます。

そうでないと、早まった強度アップが治りを遅らせることがあります。

重症

これはとても治りが悪く、筋肉が骨に付着する部分の完全断裂と言われていて、手術が必要になることも多いです。

症状としては、

  • より広範囲な痛み、圧痛、血腫(内出血)
  • より強い足首、膝の可動域制限(25°以上マイナス

といった非常に重症な制限です。

これは数ヶ月から半年くらいかかることもまれではありません。 

まとめ

今回は肉離れを早く治すための応急処置や放置は危険という話から、各部位の肉離れの治療法についても解説いたしました。

特に力を入れたアイシングについては

応急処置としてのアイシングはやったほうがいいが、翌日以降は必要なく、ただ、数日間は暖めないように注意するということが基本と思います。

少しでも参考になりましたら幸いです。

Mail Magazine

より深い医学情報に加え、タフなフィジカルマインド
そして圧倒的なパフォーマンス・成長必要なすべてをお届けします。

こちらにメールアドレスを入力してご登録ください。

  • ※登録後、メールが届いていない場合は、迷惑メールフォルダに入っている場合がございますので、ご確認ください。
  • ※登録されたメールアドレスには、歌島大輔公式メールマガジンが配信されます。
    不要と判断された場合、メール下部の配信解除URLから簡単に配信を解除できます。

診察のご相談(神奈川/東京/静岡)

肩の診察・相談

今すぐCHECK

こんな方におすすめ

  • 肩を動かすと痛い
  • 腕が痛い
  • 肩が痛くて眠れない
  • 肩が上がらない
  • 肩が回らない
  • 腱板損傷と言われた
  • 肩が脱臼した
  • 鎖骨が骨折した

スポーツ復帰への
診察・相談

今すぐCHECK

こんな方におすすめ

  • スポーツ復帰の不安
  • パフォーマンス低下の不安
  • スポーツに支障がある
  • 肩以外の部位の相談希望

オススメ!

メールマガジン(メルマガ)はこちら

今すぐCHECK

得られる情報

  • 医師と病院の使い方(無料)
  • 革命的スポーツ復帰術動画講座(無料)
  • マインドの使い方有料教材
  • タフなフィジカルの作り方有料教材
  • パーソナルメディカルコーチングの案内
  • 日々の医学情報
  • 有名スポーツ選手の心と身体の秘密
  • この記事を書いた人

歌島 大輔

肩/スポーツ領域を得意とする整形外科専門医としての診療/手術・スポーツパフォーマンスアップ、ケガ予防トレーニング等のアドバイス・マインド(脳と心・メンタル)の使い方を指導するコーチングを行っています。

オススメ記事

1

肩という関節の治療を専門としている整形外科医は日本にどのくらいいると思いますか? 実は、整形外科医というのは日本全国に内科、外科に次いで多いんです。 意外かもしれませんね。 内科や外科なんていうのは、 ...

2

スポーツの怪我を予防するときに、まず考えるのは、トレーニングをして、ストレッチをして・・・身体を強く、しなやかにしていこうとします。 これは当然必要なことなんですが、 それだけではスポーツにおける怪我 ...

3

今回は肉離れをどう予防するか?ということの基本的な考え方から、具体的な予防方法までを解説いたします。 肉離れはスポーツパフォーマンスが上がれば上がるほど、リスクも高まると言っていい、厄介なケガです。 ...

4

今回は肩の腱板損傷の特に保存療法におけるリハビリテーションについて解説します。肩を専門とした外来をしていると、当然なんですが、肩腱板損傷の患者さんを多く診察します。 腱板損傷には程度があって、ちょっと ...

-肉離れ

Copyright© 歌島大輔 オフィシャルサイト , 2018 All Rights Reserved.