半月板損傷

半月板損傷の痛みの治療法と手術のメリット・デメリット byスポーツ医

更新日:

今回は半月板損傷の痛みに対する治療法、コントロール法について解説し、

さらには手術のメリット、デメリットまでお伝えいたします。

半月板損傷の治療法はいろいろあるわけですが、基本的には痛みをコントロールさえできれば、やりたいことができるわけですね。

そのため、まずは半月板損傷の痛みに対して、どのように対処し、どのようにコントロールすればいいのか?ということにフォーカスして解説してみたいと思います。

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

 

半月板損傷の基本や症状についてはこちらの記事をご参照ください。

半月板損傷の症状チェックリスト あなたはいくつ当てはまる?

今回は半月板損傷の症状チェックリストという記事をご紹介いたします。 あなたの膝の痛み・・・原因が気になりますよね。 骨折や変形性膝関節症のようにレントゲンですぐわかるものならまだしも、半月板損傷はMR ...

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半月板損傷の痛みに対する治療法まとめ

半月板損傷の痛みに対して、どう対処すべきか、対処法そのものについて解説いたします。

痛み止めの内服

まず痛み止めの内服ですね。 これは消炎鎮痛剤(しょうえんちんつうざい)と呼ばれる薬が基本的に使われます。

半月板損傷の痛みの原因の1つである半月板周囲の炎症を抑える作用があります。

ただ、半月板が急に引っかかったりするような瞬間的な痛みには効果は不十分かもしれません。

外用剤・湿布

外用剤とは塗り薬や貼り薬のことですが、これも消炎鎮痛剤です。

これを皮膚から浸透するように効かせる薬ですが、飲み薬より効果は少なめです。副作用も少ないのと、いい意味で効く気がするので、使う人が多いと思います。

痛みが強くない場合にオススメの選択肢ですね。

膝の関節の中へ注射

次に膝の関節の中への注射です。 関節注射というものですね。

これは膝の関節の中にヒアルロン酸を注入することが多いです。それによってヒアルロン酸の炎症を抑える作用を期待するのがメインですね。

他に局所麻酔薬を入れたり、ステロイド薬を入れたりもします。

局所麻酔薬短時間の効果でよければ、一番、痛みを落ち着かせる効果が期待できます。麻酔薬ですからね。

ステロイド強烈に炎症を抑えますが、副作用も少なくありません。膝での報告が多いのですが、ステロイド関節症と呼ばれるような、逆にステロイドの注入しすぎによって関節炎や関節の変性(軟骨のスリ減ったり、溶けてしまったりなど)を起こしてしまうことがあります。

膝にかかる負荷を減らす工夫

膝にかかる負担を減らすというのは直接的、かつ、自然治癒力を促せるので、どんなときも第一に考えるべき方法です。

安静

膝に体重がかかったり、スポーツなどで強い衝撃や捻りの動きが加われば、半月板の回復に悪い影響を及ぼすのは当然です。

そのため、安静としてスポーツを一定期間休んだり、もっと徹底するときは、松葉杖などで普段から膝に体重をあまりかけないようにしたりというようなことをやります。

体重コントロール

膝にかかる体重が原因とすれば、即効性はないにしろ考えたい対策です。健康的な範囲内であれば、体重を減らしていくことは直接的な効果が期待できます。

テーピングやサポーターなど

即効性という意味では膝を安定させる目的でのテーピングサポーターなどが効果的です。

入念なウォームアップ

またスポーツ時の痛みということであれば、入念なウォームアップというのも痛みにおいて重要です。

ウォームアップもせずにいきなり試合をやって膝を痛めた・・・なんて経験がある人もいらっしゃると思います。ウォームアップをしていないと、イコール、身体は冷えています。特に関節のような深いところは全然暖まっていません。

その状態では関節のすべりが悪いので、半月板にかかる負荷も強まります。ぎこちない膝の動きになってしまうんですね。

それに対して、ウォームアップを入念に行うと膝の関節内の温度も上がって、新鮮な潤滑油として効果が期待できる関節液が増えます。それによって、半月板も含め膝の動きがなめらかになって、負荷が減ると考えられます。

 

次に本格的な治療である手術についてお伝えします。

半月板損傷の治療法の選び方 手術はすべきか?

半月板というのは血の巡りが悪い組織なので、損傷してしまうとなかなか自然にくっついてくれるのは期待薄です。

しかし、だからといって、損傷=手術というわけではありません。

損傷の程度によっては、そのままでも、半月板がクッションの役割を果たしつつ、保存的治療の結果、痛みが落ち着いてくれることも多々あります。

ですので、ザックリですが、手術すべきなのは、明らかに縫ったり、部分切除しないと痛みが取れないと思われるような重症型の半月板損傷と、リハビリも含めた保存的治療でも良くならない半月板損傷と言えます。

半月板損傷の手術方法

まず半月板損傷の基本的な手術方法について解説いたします。

半月板を縫う(縫合術)

「切れてしまっているなら、 縫えばいい」

画像引用元:整形外科専門医になるための診療スタンダード 下肢 初版 羊土社

これは手術の基本ですね。

しかし、半月板損傷の場合はそう簡単ではありません。

まず膝の関節の中の狭い中で縫うというテクニカルな難しさがあります。これは技術と手術器具の進歩によって可能になってきています。

しかし、半月板というのは元来、血の巡りが悪い組織です。血の巡りが悪いということは自己治癒能力が低いということです。 そして、縫うというのは、それで治ったと思いがちですが、縫った状態では糸に頼り切っている状態です。しかし、糸はいずれほつれたり、切れたり、緩んだりします。

ですから、縫った後に自己治癒力でくっついてくれないと治らないわけですが、半月板の場合はかなりの頻度でそうなってしまうという難しさがあります。

傷んだ半月板を縫って治る可能性が高いのは、

  • 若い人
  • 半月板の根本ちかくの血の巡りがいい場所の断裂

ということが言われています。

半月板をお掃除する(部分切除術)

ということで、半月板が切れているなら縫えばいい・・・ とカンタンにはいかない半月板損傷ですが、

そうなったときに、次の選択肢は、 半月板のお掃除です。

半月板が切れてしまって、動きの中で挟まり込んでしまったり、引っかかってしまったり、過剰に動いて痛みの原因になってしまったり・・・ という、その痛みの原因部分だけ部分的に切り取ってしまうということです。

画像引用元:整形外科専門医になるための診療スタンダード 下肢 初版 羊土社

これを半月板部分切除術(はんげつばんぶぶんせつじょじゅつ)といいます。

半月板損傷に対する手術のメリット

さて、それではさっそく、半月板手術のメリットから説明します。

痛みの原因を直接改善できるので高い効果が期待できる

まず当然のことですが、傷んでしまった半月板を縫ってくっつけるか、部分的に切除して、原因を直接改善するのが手術ですから、単に痛み止めを飲んだり、注射をしたりすることに比べれば高い効果が期待できます。

そうでないと手術なんてしないですよね。

放置すると悪くなりかねない半月板損傷部を改善できる

また、半月板が傷んだ部分は痛みを我慢しながらプレーしたり、生活したりしていると、引っかかったり、ぎこちない膝の動きを誘発して、さらに悪化したり、時には関節のつるっとしたきれいな軟骨にまで悪影響を及ぼしかねません。

そういう観点からも、損傷部に必要な手術的処置をすることのメリットがあると言えます。

要は放置して悪化させるリスクを減らせるというメリットですね。

 

現在はほとんどが関節鏡(内視鏡)手術で小さい侵襲でできる

また、現在はほとんどが関節鏡という関節用の内視鏡で手術ができます。

Arthroscope

膝の半月板の手術であれば1.5cmくらいの小さな傷が2個+αだけで手術ができてしまいます。

膝に長く目立つ手術の痕が残るわけではないということですね。知らない人が見れば、全然わからないか、ケガしたあとのちょっとした「かさぶた」に見えるかもしれません。

これは傷だけでなく、手術後の痛みやリハビリのスピードにもメリットがあります。やはり、大きく切って、開いた手術のあとは、その傷が治るまでなかなか痛みが強かったり、リハビリを遅らせる必要があったりしますから。

半月板損傷に対する手術のデメリット

逆に半月板損傷に対して手術をすることのデメリットも当然あります。

小さいとは言え手術侵襲(つまり、ダメージ)が加わる

まず手術をしない場合に比べて、関節鏡の小さい傷とはいえ、手術の侵襲(物理的なストレスやダメージ)が加わります。

これ自体が大きな問題なることは少ないわけですが、人の身体にメスを入れるということ自体に何の影響もないわけがないというのも事実です。

縫ってもくっつかないことがある

半月板縫合の時にも述べましたが、「半月板が切れているなら、縫えばいい」と、縫ってはみたものの、血の巡りが悪いため、結局くっつかず、縫った糸が異物として残ってしまうという残念な結果になることがあります。

その場合は、半月板損傷の痛みが改善しないばかりか、悪くなってしまうことすらあり得ます。

部分切除後はクッション能力低下

また、部分切除をしたあとは、クッションの役割をしていた半月板が小さくなってしまうわけですから、クッション能力が下がります。

それはつまり、もともとの健常状態に比べればという話ですが、

  • 膝の痛みが残ってしまう可能性があるということ
  • 膝の軟骨のスリ減りが起こってしまう可能性があること

を意味します。

手術してもしなくても重要なリハビリ

そして、手術をしてもしなくても、必ずやるのがリハビリです。これは自宅で自分でやっていただくセルフリハビリも含めます。

膝関節は体重を支え、身体を様々な方向に運ぶという大切な役割を持ち、それゆえの大きな負荷がかかります。この働きと負荷に耐えうる能力を取り戻して、強化していくにはリハビリテーションが非常に重要になります。

ポイントは膝の可動域(曲げ伸ばしの幅)を拡げることと、膝周りの筋力として特に大腿四頭筋とハムストリングを鍛えること。これが基本中の基本です。

まとめ

今回は膝の半月板損傷の痛みにどう対処し、どうコントロールするか?ということについて解説いたしました。

どれも基本的なことですが、意味をそれぞれ理解することで、効果も変わってくると思います。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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歌島 大輔

肩/スポーツ領域を得意とする整形外科専門医としての診療/手術・スポーツパフォーマンスアップ、ケガ予防トレーニング等のアドバイス・マインド(脳と心・メンタル)の使い方を指導するコーチングを行っています。

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