上腕二頭筋長頭腱

上腕二頭筋長頭腱断裂とは?その痛みや治療(手術・リハビリ)を解説

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今回は上腕二頭筋長頭腱断裂とは?ということから、痛みはどういったものなのか?
治療法は?ということについて解説していきます。

上腕二頭筋というのはいわゆる力こぶの筋肉ですが、この筋肉、それも肩に近いところで切れてしまうことがあります。
なぜ切れてしまうのかという原因や、切れてしまうとどうなるのか?という症状などについて解説し、最後に治療法についても解説いたします。

こんにちは、肩を専門とするスポーツ医整形外科医の歌島です。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

上腕二頭筋長頭腱断裂の原因は?

この上腕二頭筋長頭腱断裂の原因として圧倒的に多いのは加齢性にだんだん傷んできてしまうということです。

加齢性の損傷が多いという意味では腱板断裂(けんばんだんれつ)との深く関係しています。腱板断裂がある人ではこの上腕二頭筋長頭腱が切れた腱板の代わりに頑張ってくれていることが多いです。その結果、切れてしまうということもよく起こります。

また、力仕事やスポーツ選手などでオーバーユースで切れてしまうこと、外傷で切れてしまうことももちろんあり得ます。

上腕二頭筋長頭腱断裂、つまり切れてしまうと?

この上腕二頭筋長頭腱断裂が起こってしまうというのはどういうことか?ですが、

要は筋肉の先端のスジである腱が切れてしまうということです。今回はお話は「長頭腱」断裂ですので。上腕二頭筋が枝分かれしている肩付近での断裂と言えます。

蛇足ですが、逆に肘付近で上腕二頭筋断裂が起こることもあります。これは長頭、短頭とも一緒になっているので、シンプルに上腕二頭筋断裂という名称になります。

さて、戻しますと、この上腕二頭筋長頭腱断裂が起こるとどうなるのでしょうか?

意外と肘は曲がる

筋肉が切れれば、関節が動かせなくなるのでは?と考えるのが普通ですね。上腕二頭筋で言えば、肘が曲がらなくなるのでは?ということですが、意外や意外、肘はしっかり曲がります。

日常生活に支障を来すことはほとんどないと言ってもいいでしょう。

それは、上腕二頭筋にはもう一つ、短頭があるというのが要因の1つですし、肘を曲げる筋肉は上腕筋もありますし、前腕を回外する筋肉は回外筋があるということです。

つまり、他の部分が補ってくれて、大丈夫!

というのが大雑把なとらえ方でいいかと思います。

ポパイサイン

しかし、比較的筋肉の発達した男性などに多いのは、ポパイサインと言われる現象です。これはアニメのポパイのように力こぶが盛り上がってしまう現象です。

画像引用元:肩関節外科の要点と盲点 (整形外科Knack & Pitfalls)第1版 文光堂

上腕二頭筋長頭腱が切れて、一部、上腕二頭筋が短くなってしまうので、そう見えるわけですね。

筋力低下 スポーツレベルでは支障あり得る

日常生活に支障はないと言っても、やはり筋肉の一部が断裂して短くなっているということは筋出力、つまりパワーが落ちることはあり得ます。

アスリート、スポーツ選手レベルではそれはパフォーマンスに影響することがあります。

上腕二頭筋長頭腱断裂の治療は放置か手術か

ここまでを踏まえると、治療も迷いますね。

断裂してしまった上腕二頭筋腱は縫合したり、切れ端を骨に固定したりという手術をしないと切れっぱなしです。

しかし、それでも日常生活には支障ないということなら手術しないというのがいいのかなと思いますよね。

 

ただ、手術したほうがいいケースもあります。

1つは、先ほども述べたとおりアスリート、スポーツ選手における断裂でパフォーマンスに影響がでるかもしれないということで、手術をするということ。

もう1つは、原因でお話しした加齢性に傷んできてしまった結果の断裂であれば、一緒に腱板断裂が隠れていることが多いです。そのため、その腱板断裂を手術的に治療した方がいいということもよくあるケースです。

上腕二頭筋長頭腱断裂の手術

上腕二頭筋長頭腱断裂の手術法としては、断裂した長頭腱を骨に縫い付けるということになります。

しかし、もともとくっついていた肩甲骨の上方に縫い付けるというのは、
筋肉が届かないですし、届いても、再度断裂してしまうのが目に見えています。

ですから、それよりも、上腕骨の前方に縫い付けることを一般的には行います。
最近では関節鏡を使って行うこともあります。

↓ちょっと専門的なので02:00くらいからご覧いただくといいかと思います。

上腕二頭筋長頭腱断裂の原因としての腱板損傷に注意!

ひとつ大切なポイントとして、

上腕二頭筋長頭腱が断裂した原因をはっきりさせておくということです。

 

もちろん、アスリートが強い負荷をかけてしまったケースや外傷などでも断裂があるわけですが、実はもともと傷んでいた・・・なんてことも視野に入れる必要があります。

その「もともと傷んでいた」という状況を作りやすいのが腱板損傷になります。

 

この腱板損傷の有無をMRIで確認することは今後の経過や治療において大切なことです。

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まとめ

上腕二頭筋腱断裂というものについて解説いたしました。

ポイントとしては、意外と肘は曲がるということ、ポパイサインという特徴的なサインがあること。アスリートや腱板断裂を合併しているケースでは手術を検討する。ということになります。

上腕二頭筋腱が切れてしまったと言っても、必ずしも悲観する必要はなく、状態に応じた適切な対応ができれば、そこまで怖いモノではないかもしれません。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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歌島 大輔

肩/スポーツ領域を得意とする整形外科専門医としての診療/手術・スポーツパフォーマンスアップ、ケガ予防トレーニング等のアドバイス・マインド(脳と心・メンタル)の使い方を指導するコーチングを行っています。

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