捻挫・打撲の基本

打撲のあとのしこりや痕の正体と対処法 専門医解説

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今回は打撲のあとにできることがある「しこり」「打撲痕(だぼくこん)」とよばれるものについて解説していきます。

打撲のあとでも、しこりや変色があったり、それが痛かったりすると、

「なんか悪い腫瘍でもできちゃったんじゃないか・・・」 と不安になることもあるかと思います。

 

結論から言うと、多くの場合はそんなに気にしなくても大丈夫! なんですけど、じゃあ、なんなの? っていうことについて解説したいと思います。

こんにちは、整形外科医でスポーツメディカルコーチの歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

打撲とは?-おさらい-

まず打撲(だぼく)とは?ということから入りますが、

これは身体の一部部分を何かにぶつけてしまった、強打してしまった外傷を打撲と言います。

goo辞書で調べると、

からだを強く打ちつけたり、たたいたりすること。

とあります。

医学的には表面の損傷にとどまる場合に限る

もう少し医学的に定義すると、

打撲は

骨折でもなく 骨挫傷(こつざしょう)でもなく 筋挫傷(きんざしょう)でもなく 軟骨損傷でもなく 内臓損傷でもなく

もっと表面の

皮膚から皮下組織の損傷

と言うことができます。

この普通の打撲傷の損傷部位は皮下組織ですから、皮下組織から出血することもあれば、炎症して腫れることもあります。

つまり、内出血腫れなどはよく起こります。

また、当然、打った部分の痛みがあります。そこを押して痛いという「圧痛(あっつう)」も典型的です。

 

打撲のあとに残るしこりの正体は線維(せんい)

打撲のあとに残るしこりのほとんどは線維です。

と言われても・・・ だと思うので、もう少し解説です。

瘢痕(はんこん)形成という自然現象

打撲は要は外力によって身体の組織が損傷されて、それを治そうと身体が炎症を起こす状態ですが、実際、身体の中で起こっているのは

損傷した場所は出血したり、傷んで細胞が一部死んでしまいます。そうすると炎症が起こって、死んだ細胞の部分は吸収してお掃除します。お掃除して、正常な組織がなくなった場所は急場しのぎで荒削りの線維が運ばれ埋めてくれます。この荒削りの線維の集まりを「瘢痕(はんこん)」と言います。

ここまでは組織の炎症、治癒の自然現象で、必要な流れです。

つまり、打撲のあとのしこりは瘢痕であるということですね。

打撲後の皮膚の痕(あと)の正体はいろいろ

また、打撲痕(だぼくこん)、打撲の痕(あと)と言って想像するのは、打撲した部分の皮膚の変色(あざ)や腫れ、むくみでしょうか。

それらはいろいろな要素が関係した現象ですが、特に出血による変色が相談を受けやすいです。

内出血 、あざ

まず最初に起こるのが内出血(あざ)です。これが皮膚から透けて青黒く見える状態の正体は皮下血腫と言う出血した血液のかたまりですが、この皮下血腫はだんだんと皮下組織を辿って、重力に従って拡がっていきます。

よく打撲したあと、だんだん周りが黒くなってきて驚かれることがあるかと思いますが、その正体はこの皮下血腫の広がりです。

打撲の主な損傷部位である皮下組織は皮下脂肪がメインで、結構、スカスカな場所なので出血も拡がりやすいんですね。

内出血がビリルビンに変化

この皮下血腫はだんだんと吸収される過程でビリルビンという物質に変化して黄色くなっていって、消えていきます。

この過程に1ヶ月以上かかることも珍しくないので、心配になるのも仕方ありませんが、これも自然現象です。

打撲のあとのしこりや痕に対しては基本は「待ち」

これら打撲のあとの「しこり」や「打撲痕」は自然現象であると述べました。そのため、対処法というのは基本は「待ち」です。

つまり、経過観察ということになります。

もちろん、痛みがあったり、関節の動きが悪いとか、そういった問題があれば治療を検討しますが、しこりや痕はまず経過を見て、消えていくのを待つということになります。

しこりや痕、変色はかならず消えるのか?

「待ち」が基本と言われても、必ずこれらは元に戻りますか?と聞かれると、そうとも限りません。

瘢痕も時間をかけて、より荒削りでない線維に置き換わっていきます(僕はだんだんなじんでいきますと表現していますが)が、それでも完全に元通りとはいかないこともあります。

それは打撲痕、変色も同じで、多少皮膚の色調の変化が残ってしまうこともあります。

美容上気になる時には形成外科に相談

そういった残った変化が美容上気になることもあると思います。

そのときは形成外科(整形外科ではありません)の専門医に相談するのをオススメします。

打撲のあとのしこりが腫瘍であることも・・・

打撲のあとのしこりが自然現象であるということは解説しましたが、ごくごく稀には、打撲のあとに腫瘍ができてしまうこともあります。

だんだんと気にならないレベルにしこりも縮小していけば問題ないと思いますが、「なんだか残るなぁ」とか「だんだん大きくなっている気がする・・・」とか、

単に打撲のあとの変化と言えるか心配なときには一度診察を受けていただくことをオススメします。

まとめ

今回は打撲のあとの「しこり」「痕」について、その多くは自然現象による瘢痕や内出血後の変化であるということを解説いたしました。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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歌島 大輔

肩/スポーツ領域を得意とする整形外科専門医としての診療/手術・スポーツパフォーマンスアップ、ケガ予防トレーニング等のアドバイス・マインド(脳と心・メンタル)の使い方を指導するコーチングを行っています。

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