足首捻挫

足首の捻挫が癖になる理由と治し方をスポーツ医師が解説

更新日:

足首の捻挫が癖になるって話、あなたも聞いたことあるのではないでしょうか?

なぜケガが癖になるんだ?と思う人もいると思うんですが、それには理由があるんですね。まずその理由をできるだけわかりやすく解説できればと思いますし、その後、じゃあ、癖になったらどうすればいいの?治療(治し方)は?ってことについても解説いたします。

 

整形外科医として年間何千人と患者さんを拝見していると癖になった捻挫でお困りの人もたくさんいらっしゃいます。そこで短時間の外来では解説しきれない部分を補完する意味も込めて記事を書いております。

こんにちは、整形外科医でスポーツメディカルコーチの歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

足首の捻挫が癖になる理由は靱帯と神経にあり!

足首の捻挫が癖になるのには理由があると述べましたが、 それは

足首の捻挫を通常は防いでくれている

  • 靱帯
  • 神経

この2つの組織に問題があるからと言えます。

それぞれ解説していきます。

足首の捻挫=靱帯損傷 靱帯が伸びる・切れる

まず足首の捻挫とはなんなのか?ということですが、

「関節があらぬ方向、程度に曲がってしまうこと」

これを捻挫と考えてください。

 

そして、

「関節があらぬ方向、程度に曲がらないように支えてくれているのが靱帯」

であるということがポイントです。

画像引用元:プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第一版 医学書院

画像引用元:プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第一版 医学書院

 

ということは、捻挫をしてしまったときには、その支えてくれる靱帯が切れていると考えられます。

その靱帯の損傷の程度で重症度も変わってきます。

 

切れてしまった靱帯は自然とくっつくことが多いですが、完全に元通りというのは難しく、多少なりとも緩くなります。

つまり、関節が多少グラグラして捻挫しやすい状態になると言うことなんですね。

これが捻挫が癖になる1つの要因です。

足首の捻挫のあとに神経センサーが「にぶる」

もう一つの要因が、神経センサーです。

人の身体には神経が張り巡らされて、双方向に信号のやりとりをしています。

 

そこで捻挫を防ぐという働きを神経はどうやっているか?と言うと

関節、特に先ほど述べた靱帯に関節があらぬ方向や程度に曲がりそうなときに信号を発する神経センサーがあります。

今流行の自動車の衝突防止センサーみたいなイメージですね。

この神経センサーが捻挫しそうな状態を完治すると、信号を脳に伝えて、バランスを取るように命令します。その結果、捻挫せずに済む、もしくは捻挫も軽症で済むということがあるんですが、

捻挫したときに靱帯が傷つき、この神経センサーも正常に作動しなくなることがわかっています。

これでは捻挫しそうなときに瞬時の反応が遅れてしまうので、捻挫が癖になるのもわかりますよね。

もともとのバランス能力、体幹力も関係あり

さらにもう一つの要素としては、 もともと持っているバランス能力や体幹の力も関係があります。

もともとバランスが悪い人、体幹が弱い人は、 捻挫しやすく、癖になりやすいと言えます。

癖になった足首の捻挫の治し方

では、癖になってしまった捻挫をどうすればいいのか?

ということですが、大きく分けて

  • サポーターを使う
  • テーピングを使う
  • トレーニングをする
  • 手術をする

ということが有効で、それぞれをうまく組み合わせて治していくのがいいでしょう。

足首用サポーターを使う

まず足首のサポーターですね。 これは根本的な解決ではないかもしれませんが、オススメです。

というのも、捻挫が癖になっている人でも まず最初にやるべきは、

「次の捻挫を防ぐ」ことです。

 

そうしないと、捻挫を繰り返す毎に、靱帯は伸びますし、神経センサーは傷ついていきます。

つまり、どんどん癖が強まる・・・ということです。

 

そのため、サポーターの力を借りて、 足首を安定化させることは有効です。

オススメは

こちらの記事もご参照ください。

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足首のテーピングを使う

サポーターと同じ意味合いで テーピングも有用です。

 

テーピングは貼り直す手間やテープそのものの費用などがネックですが、貼り方によって足首の安定化の程度や足首の動きの制限の程度をサポーターよりも調整しやすいというメリットもあります。

リハビリ・トレーニングで治す

次に根本的に捻挫しやすい状態(癖になった状態)を治す方法ですが、

原則として、伸びてしまった靱帯は鍛えることはできません。
神経センサーを薬で増やすこともできません。

しかし、足首の周りの筋肉を鍛えて、足首がグラグラしない力をつけたり、足の裏の筋肉を鍛えて、地面を掴む力をつけたりというトレーニングや

体幹や股関節のバランスを整える、いわゆるコアトレーニングで捻挫しにくい身体を作ることで捻挫癖を治すということはトライする価値があると考えます。

 

リハビリ・トレーニングで足首の捻挫の癖を改善するためのコンセプトは

  • 足首回りの筋肉を強化して足首を安定させる
  • 足首回りの神経センサーに対する刺激を加え続ける
  • 全身のバランス能力を上げるためのコアトレーニングをする

という3つになります。

 

足首回りの筋力を鍛えるリハビリとして、特に重要なのは
足首の内側と外側の筋肉をバランス良く鍛えるということです。

内側は後脛骨筋(こうけいこつきん)という筋肉ですが、つま先を内側に向ける筋肉と考えてください。

外側は腓骨筋(ひこつきん)という筋肉でつま先を外側に向ける筋肉です。

 

また、足首回りの神経センサーへの刺激としては、シンプルに言うと、

グラグラした足場で動くことが、まさに神経センサーがバリバリ働いている状態です。
そうじゃないと、グラグラした足場では容易に足首を捻ってしまうか、転倒してしまうからですね。

一番のオススメはこのボスです。

足首捻挫が癖になった時の最終手段:手術で治す

最後に手術で治すということについてです。

これは主に伸びてしまった靱帯を作り直すということがメインになります。

癖になってしまったということは、捻挫をある程度の期間のなかで繰り返してしまい、初回の捻挫からは時間が経っていることがほとんどなわけです。

ということは、切れて、伸びてしまった靱帯を、例えば、単純に縫い直すというような治療でいい靱帯としてくっついてくれる可能性は低いと言わざるを得ません。

そうなると、作り直す必要があるわけです。

これを医学的には再建術(さいけんじゅつ)といいます。

 

再建術の具体的な方法は様々ありますが、 主流は似たような組織、 例えば、膝の腱(けん)という筋肉の先端部分を 足首に移植してしまう

という方法ですね。

 

当然、大きな手術になりますが、 残っている靱帯の状況にかかわらず 手術が可能ですので、

慢性的に足首が不安定で 痛みが残ってしまう、

あまりに頻繁に捻挫してしまう

 

なんてときに、 様々なリハビリと組み合わせて、 この手術を行うことがあります。

まとめ

今回はケガである足首の捻挫がかなりの頻度で再発していまう、いわゆる捻挫が癖になるという状態について、その原因と治療法について解説いたしました。

原因としては、

  • 捻挫の時に靱帯が切れて、その後くっついても伸びた状態でくっついてしまうから関節が不安定である
  • 捻挫を防ぐ神経センサーが捻挫の時に傷ついて「にぶく」なってしまう

という主原因の他に、体幹の安定性などのもともとのフィジカル能力も関係しているということを解説いたしました。

そして、治療法としては、

  • 「次の捻挫」を防ぐためにサポーターやテーピングを使うこと
  • トレーニングで足首周りや体幹を鍛えること
  • 手術で靱帯を再建すること

について解説いたしました。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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歌島 大輔

肩/スポーツ領域を得意とする整形外科専門医としての診療/手術・スポーツパフォーマンスアップ、ケガ予防トレーニング等のアドバイス・マインド(脳と心・メンタル)の使い方を指導するコーチングを行っています。

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