足首の骨折

足首骨折後のリハビリを3ステップで解説

更新日:

足首の骨折後、どのようにスポーツに、
仕事に、日常生活に復帰すべきか。

その最重要ポイントの1つがリハビリにあることは、
誰もが納得いくことだろうと思います。

我々、整形外科医はそれを誰よりも実感していて、
手術よりもリハビリが重要と言う人もいるくらいです。

今日はそんな足首骨折後のリハビリテーションについて、
3ステップで理解していただけるような記事にしますので、
ぜひおつきあいください。
こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。
本日の記事をご覧いただきありがとうございます。

 

それでは、いきましょう!

足首の骨折後は何が起こっているのか?

まずリハビリについて理解する前に、
足首の骨折後の状態はどういった状態なのか

それをお伝えしますね。

足首とはどこの関節か?

まず、ここでお話しする「足首」

厳密には、下腿の骨である脛骨、腓骨に
距骨がはまり込む
距腿関節があり、

さらに、その下の、
距骨と踵骨からなる距踵関節があり、

さらに前方、足先の方向には、
ショパール関節、リスフラン関節

複合的に関節があり、
足首は多方向に複雑に動くことができます。
ですが、ここではシンプル化するために、
距腿関節の骨折、その中でも頻度が多い
下腿の骨である脛骨、腓骨の骨折をターゲットとして
お伝えします。

足首≒距腿関節の骨折の2つのメジャー骨折

距腿関節の下腿側の骨折には2つのメジャーなものがあります。

それは、
果部骨折とピロン骨折(Pilon fracture)
です。

それぞれカンタンにご説明します。

果部骨折

果部骨折というのは、
いわゆる足首のくるぶしの骨折です。

「果」と呼ばれる部位には
外果=外くるぶし
内果=内くるぶし
に加え、後果があります。

その3つとも折れてしまう重症型として
三果骨折というものがあります。

ピロン骨折

ピロン骨折というのは、
足首を構成する上の壁である脛骨の
関節面が折れてしまう骨折です。

これは関節の中の軟骨も一緒に折れてしまい、
スムーズな動きのためにも、
体重を支えるためにも、
非常に重要な部位の骨折です。

しかし、関節面の骨折というのは、
ちょっとしたズレでも、
将来的な軟骨のスリ減りや痛みの原因となったり、

骨がくっつくのに時間がかかったりと、
非常に厄介なものです。
このメジャーな骨折の2つは
どちらも、

足首、つまり距腿関節の距骨がはまり込むべき、
受け皿側の壁が折れてしまうことを意味します。

それが外側(外果)なのか、
内側(内果)なのか、
後ろ(後果)なのか、上側(ピロン骨折)なのか、

という違いになります。
そして、ずれがほとんどない場合を除いて、
多くのケースはこれらの骨折は手術になります。
手術については別項に譲りますが、
要は、ずれた骨を元にできるだけ戻して、
その状態をキープするために金属を骨の中に入れます。

金属はネジ(ボルト)であったり、針金であったり、
プレートであったりします。

足首骨折後のリハビリ 3ステップ

ざっとですが、足首の骨折とは
何を指して、どういう状況なのかについてご説明いたしました。

この骨折後、主に
手術後になりますが、そのリハビリについては、

骨以外の筋肉や靱帯、
軟部組織などの回復具合

骨のくっつき具合を見ながら、

段階的に上げていくことになります。
厳密に3ステップというわけではなく、
当然オーバーラップしたり、順番が変わったりすることもありますが、
おおむねこのような段階を踏みます。

必ず主治医や担当の理学療法士の
指示を最優先してください。

足首の骨折後のリハビリ ステップ1:足関節周りの筋力訓練

まず足首周りの筋肉の筋力訓練です。

やはり骨折後は動かせない期間がありますので、
必ず筋力は落ちています。

その状態のまま、
急に歩き出せば、不安定な状態で危険です。
そのため、骨折部位の安定性に応じて、
筋力訓練を加えていきます。

ギプスなどで固定したままできる筋力トレーニング

この筋力訓練はギプスやシーネなどで固定した状態でも、
開始できます。

それは等尺性収縮を利用した筋力トレーニングです。
筋肉の収縮様式には3つあり、
遠心性、等尺性、求心性とありますが、

等尺性というのは、筋肉が収縮している間、
筋肉の長さが変わらない・・・
つまり、関節が動かない収縮です。
例えば、肘を90度に曲げたまま、
力こぶを作るように力を入れると、
上腕二頭筋の等尺性収縮が起こったことになります。

 
つまり、関節を動かさなくても、
筋肉を働かせることはできるわけですね。
そのため、ギプスやシーネの中で、
つま先を上に上げる(背屈)
下に下げる(底屈)

という方向の力を入れて、

つま先を上に上げる力の時は、
下腿(すね)の前側

つま先を下に下げるときには
下腿(すね)の後ろ側の筋肉が働くのを感じましょう。
これは足首の底背屈の等尺性収縮訓練ですが、

つま先の趾(ゆび)の動きは
シーネやギプスをしていても、
基本動かせる状態になっているはずです。

それはつまり、
足首の骨折においては、
足のゆびは動かしていいということです。

むしろ、積極的に動かすべきなんですね。
それは筋力を維持することと、
筋肉を使うことで、
足の浮腫(むくみ)を減らすことが目的です。

ステップ1:足関節周囲の筋力訓練
1.足関節の背屈(等尺性)
2.足関節の底屈(等尺性)
3.足のゆびの背屈
4.足のゆびの底屈

5秒力を入れるx10回 x3セット/日
それぞれ毎日やりましょう。

足首の骨折後のリハビリ ステップ2:足関節底背屈運動

次にギプスなどの固定が外れたら、
足首の底背屈運動になりますが、

ここで、足首の動きをもう少し理解する必要があります。
つま先を上に上げるのが「背屈」
逆につま先を下に下げるのが「底屈」
というのは先ほど述べました。

さらに、下の距踵関節も含めて、
左右に捻る「回内」「回外」
さらに、足全体での左右への動きである、
「内転」「外転」
という動きがあります。
これらは単純に言うと、
つま先を上下させる底背屈に対して、
横方向に動かすことになります。

特に果部骨折においては、
横の壁がやられています。

そのため、骨を金属で固定していても
この横方向の動きはずれるリスクが心配です。
まずやるべきことにはなりません。
それと同時に、
歩く、走るという動作において、

もっとも大きく、しっかり動かなくてはならないのは、

底屈、背屈になります。

歩くときも、走るときも、
つま先は上下に動きますから。

 

これを自分でやる場合は、
手やタオルを使って、
つま先を動かしていきます。

足首 骨折

画像引用元:ビジュアル実践リハ-整形外科リハビリテーション 羊土社

そのときに、横方向の捻りを加えないよう
気をつけることが大切です。
また、最初は腫れていますし、
動かすと痛みもあります。

ですから、徐々に動かせる範囲、
すなわち可動域を広げていくことが大切です。
通常のストレッチは痛みが出ない程度に伸ばすのが原則ですが、

この場合は可動域訓練は、
主治医の許可があれば、多少の痛みを伴いながらも、
動かせる範囲を広げることに注力します。

 ステップ2:足関節底背屈可動域訓練
1.足関節の背屈 5秒20回 3セット
2.足関節の底屈 5秒10回 3セット

足首の骨折後のリハビリ ステップ3:荷重歩行訓練

そして、いよいよ歩行訓練ですね。

体重をかけるという負荷は、
骨折部に対して相当大きな負荷がかかります。
特にピロン骨折は
骨折部でダイレクトに体重を支えますから、
かなり体重をかけるのは後になります。

二ヶ月以上、松葉杖を使って片足だけで歩きつつ、
体重をかけることを待つことが多いですね。

これを免荷と言います。
そこから、
骨折部の治り具合、
骨のつき具合を、レントゲンなどを見ながら判断し、

徐々に体重をかけていきます。

一般的には
体重の1/3から開始して、
次に1/2や2/3、
そして、全体重をかけていきます。

どのくらいが1/3か、など
不安になりますが、
リハビリで体重計を使いながら、
体重のかけ方を習っていきますので安心してください。
以上、基本の3ステップのリハビリを
解説いたしました。

少しでも参考になれば幸いです。

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歌島 大輔

肩/スポーツ領域を得意とする整形外科専門医としての診療/手術・スポーツパフォーマンスアップ、ケガ予防トレーニング等のアドバイス・マインド(脳と心・メンタル)の使い方を指導するコーチングを行っています。

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