足首の骨折

足首の骨折は後遺症が残るのか?その防ぐポイントとは?

更新日:

今回は足首の骨折後の
後遺症について整形外科医の視点で解説いたします。

どんな後遺症があるのか?
できるだけ後遺症が残らないようにするためのポイントは?

といった点についてお伝えいたします。

 

交通事故などで足首の骨折を受傷される方は多く、
そういった方で、半年くらい治療したのちに、
完全に元通りといかなかった場合、

後遺症診断書という診断書を書いて申請することになります。

こういった後遺症診断書を書く機会は、
われわれ整形外科医には比較的多いわけですが、

逆に言うと、それだけ、
骨折などの外傷後、完全に元の状態に戻る
ということは困難であるということです。

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。
それでは、いきましょう!

足首の骨折の4つの代表的後遺症と対策

こちらでは代表的な4つの後遺症について解説し、
それぞれ防いでいくにはどうすればいいのか、
そのポイントをお伝えしたいと思います。

歩行時の痛み

まず、残ってしまうと辛いものとして、
痛みがありますよね。

痛みといっても様々な種類があり、

  • 安静時痛:何もしなくても痛いもの
  • 夜間痛:夜、起きてしまうような痛み
  • 動作時痛:足首を動かすと痛い 痛みがでる方向が決まっていることが多い
  • 歩行時痛:歩くと痛いもの

この中でも、
前者の2つ、安静時痛と夜間痛は、
単に「後遺症として残ってしまったね」
で済ますことは得策ではありません。

安静時に痛いとか、
夜間に痛いのは、
何かしら原因があると考えるべきです。

例えば、まだ炎症が残っている。
それも、最悪の場合は手術後の傷に
細菌が付着して感染状態がくすぶっていることすらあります。

また、骨折時に傷めた神経の過敏状態
が原因のこともあります。

ですので、この症状の時は、
まずしっかりと痛みの原因を探りたいところです。

 

後者2つ、動作時痛、歩行時痛
残念ながら残ってしまうことが時々ある後遺症です。

骨折の手術をした場合、しない場合も、
1mmの誤差もなく、
完璧に元通りに治せることは多くなく、

そのわずかなズレが、
関節の軟骨面であった場合には、
痛みが出ることがあります。

また、骨折したときには、
骨以外にも、靱帯や関節包など
軟部組織と呼ばれる柔らかい組織も
傷んでいます。

それらの回復が完全でなくて
痛みが残ることもあります。

可動域制限(かたい足首)

足首がかたくなってしまう

これもよくある後遺症です。
後遺症診断では
この角度で後遺症の等級が変わるくらいです。

特に足首の場合、
背屈というつま先を上に上げる動きが硬いと、
歩くときにつま先がひっかかりやすいので、
非常に困る結果になります。

足首から足先のしびれ

骨折の時や、手術の時に、
細い神経であれば、傷めていることは稀ではありません。

ただし、細い神経なので症状がほとんどないことが多く、
後遺症になりにくいわけですが、

それでも運悪く、
しびれや神経痛のような症状が残ることがあります。

その際は神経の痛み止めのような薬
飲んでいただくこともあります。

足首周りの厚ぼったさ

骨折した当初、
手術した当初はかなり腫れていますが、
徐々にそういった腫れは引いていきます。

ただ、完全に腫れやむくみが消えるかというと、
少し、厚ぼったい足首の状態になることがほとんどです。

それは骨折やその周りの治癒過程で、
線維性の組織である瘢痕組織というものができます。

そのせいである程度
厚ぼったい足首になってしまうことは
やむを得ません。

ただ、そういった瘢痕組織による厚ぼったい状態と、
炎症が残ってしまって腫れている状態、
または血流が悪くて浮腫(むくみ)が起こっている状態、

これらは別物です。
後者2つは治療が必要ですので、
しっかり鑑別してもらいましょう。

後遺症を防ぐためのポイント

初期対応をしっかりする

これはすべての後遺症予防に
共通する大切なポイントですが、

骨折した当初にやるべきことを
しっかりやることが後々大きな結果となって返ってきます。

そのやるべき初期対応を挙げておきます。

  • 骨折を疑ったらすぐ受診する
  • 足を高く上げて、アイシングする
  • 足の指だけよく動かす

痛みを無理に我慢しない

医師から手術前、手術後と、
痛みがある場合は痛み止めを処方されると思います。

これらは必ず飲まないといけないものではありませんが、

僕は患者さんには

「痛みが強ければ我慢せずに飲んでください」

と言っています。

「脳が痛みを覚える」とはよく言ったものですが、
痛みを感じるメカニズムは
単純にその骨折部位の治療過程だけでなく、

脳の中で痛みを増幅したり、
軽くしたりするメカニズムがあることが
わかっています。

これは生体のホメオスタシス(恒常性維持機能)という意味で
必要なメカニズムだろうと推測されますが、

そう考えると、痛みが強い状態が続けば、
脳はその状態が徐々に定常状態と勘違いして、
そちらの状態を維持しようとする

つまり、ホメオスタシスの対象となる状態が
「痛みがない状態」から
「痛みがある状態」に移ってしまう

そんな可能性があると考えています。

そういった意味では、
痛みは軽減できるなら軽減しておいた方がいい
というのが僕の考えです。

もちろん、薬には副作用もありますので、
注意をしながらの使用になります。

医師の指示のもとリハビリを積極的に行う

これは後遺症の1つである可動域制限を防ぐための
最重要ポイントであることは言うまでもないことですが、

リハビリが進まず、関節が固まると
痛みの原因にもなります。

痛いからと言って、骨折部位が安定しているのに、
リハビリをおそるおそる、あまりできない

となってしまうと、リハビリは進みません。

痛み止めを飲みつつ、痛みを軽減しながらも、
多少の痛みには耐えて、リハビリをしなくてはいけない
そんな時期はあります。

少しずつでも前に進めるように、
毎日、昨日より少し曲がるようになった、
少し伸びるようになった

そんな実感を求めながらリハビリをやりたいですね。

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歌島 大輔

肩/スポーツ領域を得意とする整形外科専門医としての診療/手術・スポーツパフォーマンスアップ、ケガ予防トレーニング等のアドバイス・マインド(脳と心・メンタル)の使い方を指導するコーチングを行っています。

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